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第十五話 街道照明


結論から言うと、私があれだけ苦戦したガーディアンとやらだが……。



「『雷撃サンダー』」


マリーの魔法が当たると簡単に動きが止まった。



それが分かったのは、追加で襲ってきたガーディアンに、マリーが『雷撃サンダー』を叩きこんでからだった。


雷撃サンダー』を受けたガーディアンは、すぐにその動きを止めて棒立ちになる。


どうやら電撃に弱い様だ……それが分かってからは追加の二体も、更に追加された二体も全てマリーの手によって沈められていた。



「ふぅ……もう全部かな?」

マリーが構えていた杖を降ろす。


私達の前には動きを止めたガーディアンが五体。

一体は私が切断したやつだ。



そんなところへ先程の農夫がやって来た。


「あんたら……なんてことを……」


壊れたガーディアンと私達を見比べながら、


「悪いが……さっさとこの村を出ていってくれ」


「え?」


「そちらには理不尽でも、俺達にとってガーディアンは国の衛兵だ。 それを倒されたとあれば……言いたいことは分かるだろ?」


確かに……国の兵士が倒されれば何があったのか等、色々な問題があるだろう。

むしろこの件についてこちらには非が無いと思うが……配備されていた村からすると何かあるのかもしれない。



「ライラ姉、仕方ない先に行こう」


マリーが私の服を引っ張る。


確かにここで粘ってもあまり意味はないかもしれない。


「そうだね……。 すみません、色々ありがとう」

私がそう言って歩き出し、リア達も一緒に歩き出す。


そうして村を通過してテッセンへと向かう。



そんな私達を農夫は何も言わず見送っていた。





ここから街道は整備されており綺麗に敷き詰められている石畳となっていた。

街道の両脇には相変わらず棒状の何かが一定間隔で立てられている。


「でも、いきなり襲ってくるなんて酷い話だよ」


しばらくしてマリーがポツリと漏らした。


「確かにいささか乱暴ですわね」

リアも同意し私も同意する。


「確かに……カンナ王子を狙うのは分かるけど、国の衛兵まで動かすなんて……」


元々各国を訪れることはアスター王から伝えられているはず。

それを考えると私達はある意味お客様のはずだ。


それをわざわざこんな場所で衛兵を動かして強制的に王子を奪おうとするなど、やり方としてはあんまりな話だった。


「領府についたら苦言を言わなくては……それとライラからパフェを」

リアはどんだけパフェ食べたいの?


「ライラ姉、僕もパフェ食べたい!」

何故かマリーが乗っかった。


「ぼ、僕も……」

おずおずとカンナ王子が手を挙げる。


「カンナならいくらでも奢るから!」

私の言葉で嬉しそうに顔を赤くする。


(良い! 可愛い~)

少し暗くなっていた空気が軽くなった気がする……もしかしてリアってそれを分かっててパフェの話を?


私がリアを見ると……丁度目が合った。


嫌そうに顔をしかめてしっしと手で追いやるジェスチャーをするとそっぽを向いた……。


うん、気のせいだな。 あんな性格でそれはないわ。


私もリアから目を逸らし道の先に目をやった。


まだ『テッセン』は見えない。



私達は途中で休憩や会話を挟みつつ進んで行った。




そうして村から離れて歩くこと数時間、夕方となり陽も落ちてきた時、


「うわぁ」

カンナが声を上げる。


街道の両脇についている棒の先端部……丸くなっている場所が急に光始めた。


それによって街道が明るく照らされる。


「おお~」

私も思わず声を上げる。


「どういう仕組み何だろう?」

マリーも興味津々で柱に近付いて見ている。


「明るくて安心できますわね」

リアも心なしか嬉しそうだ。


暗くなりつつあるが、これならもう少し進む事が出来そうだ。


みんなにそう提案すると同意してくれる。


そうして灯りに照らされる中、私達はこの不思議な灯りを出す物について話しつつ進んで行った。




暫く進むと街道の両側が開けて川と草原になっている場所にたどり着く。

川があるので近くに水もあるし、ここならキャンプもしやすそうだ。


「よっし! ここでキャンプしよ~!」


私の声に三人からふぅ~という息が漏れる。

歩き疲れていたのだろう。


「みんなは休んでて、私がちゃっちゃと準備しちゃうから」


荷物からテントを取り出し手早く組み立てると、次いで木の枝を組んで焚き火を起こす。

休んでといってあったが、マリーは『警報アラート』の魔法を周辺にかけて、リアは食材を出して食事の準備をしてくれていた。


カンナも何かしようとウロウロしているが何をしていいか分からず……ウロウロしている。

(可愛いじゃないですか!! 甲斐甲斐しくも……でもちょっと抜けている様な……可愛い!!)



ついつい頬が緩んでいたのか、そんな私の顔を見たマリーが頭を指さしている。

『頭大丈夫?』という事らしい。


「あ、あのねぇ……」


私が何か言おうとしたその時……私の耳に何かが近づいている音が聞こえた。

それも魔物などではない何か大きなもの……。



リアとマリー、カンナにも聞こえたのか、作業の手を止めて何だろう?とキョロキョロと音の出所を探している。



(これは……)


私は空を見上げた……暗い空に紛れて黒い大きな四角いものが空に浮いている!



「上よ!!」


私の声に三人とも空を見上げ、各々素早く武器を手にする。

あれは一体何なのか!


それを考える前に……黒いものから何かが大量に落ちて来た!


ドン!! ドドン! ドン!


豪快な音を立てて地面に落ちたそれは……。




「嘘でしょ……」


隣にいるリアが呻くように声を出す。



それは大量のガーディアンで……地面に落ちたそれは音を立てて動き出すと、私達の方を一斉に向いたのだった。


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