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第十三話 自分之姿

今回「華月流」の説明入ります。


若干チート感あるかもしれませんので、苦手としている方がいらっしゃいましたらすみません。



「おはよう、ライラ」


次の日の朝、テントから出て軽く運動をしている私の元に、カンナがトコトコ歩いて来た。


「おはようございます。 カンナ」


カンナは私を見ながらもじもじしている。



私はカンナをみて意を決すると、


「「昨日はごめんなさい!!」」


二人して同時に謝って頭を下げた。


「えっ?」

お互いに「なんで?」みたいな顔をして見つめ合う。



カンナが目を下に向けて俯きつつ、


「昨日、ライラが折角僕達の為にしてくれたのに……僕のせいでライラが落ち込んじゃったから……」


昨日の目を覚ました後の事だろう。

恐らく私の様子がおかしい事を二人に聞いたのかもしれない。



「いえ、それは違います! あ、いや、カンナ達の為にしたって言うのはそうなのですが、それでももう少し方法とかを考えていれば……」


カンナ王子の事を考えると、この結果は想定できたはず……それほどまでに私は浮かれていたようだ。



しかしカンナは首を横に振ると、落ち込んだ様に、


「ううん、あんなことで気絶するなんて……男なのに情けないよ。 みんなが言う様に僕がもっと少し男らしかったら……」


カンナ王子も城で良く言われていた『男らしく』と言った事を気にしていたようだ……しかし、




「それは違います!! それはおかしいですよ!」


思ったより声が大きかったのか、私の言葉にカンナは目を丸くして見上げて来た。


「男らしいとか、女だからこうだ~とかは間違っています! カンナはカンナだし、私は私です!! みんなそれぞれ違うのに男女の二分に分けるのは違うと思います!」


私も……「女なのに剣を扱うなんて」「剣聖の子供が女なんて……」そう言う風に言われて来た。

でも私は剣を使う私をおかしいとも間違っているとも思わないし、剣聖であるハーデンの子供である事に誇りを持っている。 そして私もこの剣と共に誇り高く生きるつもりだ。


だからだろうか……つい熱くなってしまっていた。



カンナの見上げてくる目を見てハッと気が付き、


「す、すみません。 急に大声を……」



我に返って謝る私に……、


「ライラってすごい! それにかっこいい!!」


「えっ?」


見るとカンナは目をキラキラさせて私を見ている。


「ライラの……いう通りだ! 僕は僕だしライラはライラ。 だから、僕は僕として頑張るよ!」

カンナは今までになく真っ直ぐライラを見つめてくる……可愛いのは変わらず可愛い。


「で、でも、もし僕が挫けそうになったら、支えてくれると嬉しいな」

上目遣いで私におねだりする。


(はぅわ!)

「ひゃ、ひゃい! も、もちろんです」


あまりの衝撃に心が天まで昇ったかと思った……むしろ往復したかもしれない。



「ありがとう! ライラ!!」


ニッコリとカンナが笑った……その笑顔が目に焼き付き……そこからライラの記憶が途切れた。




『朝食だって何度呼ばせる気ですの!!』とぷりぷりしたリアに叩かれるまで、意識が飛んでいたのだった。







「うふふ……えへへ……」


ついつい笑いがこみ上げてくる。


朝からカンナ王子の素晴らしいおねだりや笑顔に会えて嬉しさや喜びが止まらない。


遠くに見える村を目指して歩みを続けるが、ふわふわして地に足がついていない様な感じだ。

今なら延々とスキップ出来そう。



「末期ですわ……」

「誰かあれ止めてくれないかな……」


少し後ろを歩くカンナ達の中から、リアとマリーの声が聞こえるが。


(ふっふー! 今の私は何を言われても気にならないもんね!!)

るんるん気分が止まらない。


「でへへ……」

またしても声が漏れてしまう。



村までの街道は一本のあぜ道で両側が林となっていた。

先頭を行く私に、そんな両側の林からゴブリン二匹が飛び出して来る!


ニヤニヤしつつも、私の耳はゴブリンの立てた音をしっかりと拾っていた。


すぐに剣を抜刀してゴブリン達に向き直る。




「ふっふーん、今日はご機嫌だからちょっと本気の華月流でいっちゃおうかな?」

私は素早く頭の中で技を思い描く。



華月流は父である剣聖ハーデンが東邦の国サクラを訪れた際に作った剣技と聞かされていた。

その神髄は神速と言われる能力強化にある。


特殊な呼吸法により、全身に酸素を送り込み、眠っている細胞を無理矢理叩き起こす。

それにより自身の力とスピードを飛躍的に向上させることが出来る。

さらに脳も活性化する為、周りの速度も遅くなるように見えて、相手の攻撃も躱しやすい。


技自体は神速を使用しなくても出せるが、連続で放つ斬撃などは神速中でないと反撃などのリスクがある。


「一輪刺し、双刃葵、三斬華、四龍」などは連撃ではないので大丈夫だったのだが……。



ちなみに負荷が掛かりすぎると体が動かなくなったり気絶したり酸欠になる。



(まぁ、でもたまには使っていないと腕が鈍るしね)


剣を構えると、静かに深く息を吸い込む。

頭の中が澄み渡り、体中の血液が巡るのを感じる。


周りの速度が遅くなる……神速状態になったようだ。


「華月流 五色ごしき


「五色」は五連続の連撃である。

五芒星を書くように、真上から左下、左下から右横、右横から左横、左横から右下、そして右下から真上と、手を止めることなく続けて斬りつける。

そしてこれは相手が少しぐらい受け流しても止まらない。

ほぼ軌道が確定している事と、剣の軌道が全て斜めなので少しぐらいずらされても無理矢理押し戻せる。


神速中も相まって相手としては素早い五連の斬撃に襲われることになるのだ。


逆に言うとこの技を知っている者には軌道が丸わかりという弱点にもなる……。



五色を叩きこんだところで速度が戻っていく……。


(やっぱりそんなに長くは無理か……)

恐らく技を1つ出す時間ぐらいだろう。


ゴブリン二匹から血が噴き出した!

二匹まとめて五芒星を書くように斬った為、二匹とも同時に崩れ落ちそのまま動かなくなる。



「ふぅ……」

剣を収め一息つくと汗が噴き出した……体への負荷による影響だ。



後ろから、

「は、早すぎですわ」

「うん……目が追い付かなかったよ」


リアとマリーの驚く声と、


「すご~い! ライラかっこいい!!」

称賛するカンナの声が聞こえて……。



「うへへへ……」

またしても私の口から変な声が溢れたのだった。



お読み下さりありがとうございます。


今回出て来た『男らしく』『女らしく』は最近よく聞く方もいらっしゃるかもしれませんが、ジェンダーハラスメント的な内容です。


ファンタジーの世界にそう言うものはないかもしれませんが、性別がどうであれ自分は自分!という生き様的な感じで捉えてもらえれば助かります。


ちょっと真面目な話になりすみません。 

あとがき迄お付き合いいただきありがとうございました。

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