表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/89

第86話 連行されました。

 朝日が顔を出しそろそろ街が活気出す頃、テンリ、クロナの2人はメルテツシナ魔王国の魔王城で兵士の後をついて廊下を歩いていた。


 ちなみに現在リリナはベットでスヤスヤと寝むっている。


「ゲオルクク様はこちらにおいでになります」


 案内してくれた兵士が扉を開けてくれ2人はその部屋の中に入って行く。


「おはようございます」

「これはこれはテンリ様、そして魔王陛下、おはようございます、それで、魔王陛下から急ぎのご連絡を受けましたがいかがなさいましたか?」


 ゲオルククの質問にテンリはアイテムボックスから剣を取り出す。


「依頼の品を届けに来ました」

「なんと!もう出来上がったのですか!?」

「はい、性能も確かめましたので今から説明させて貰ってもいいですか?」

「是非お願いします」


 俺は剣の説明を始めその能力にゲオルククは驚きながらも嬉しそうに聞いている。


「想像以上の品ですな、しかしもしよからぬ者が手にしたら」

「大丈夫ですよ、使える人を限定してあるので、今はクロナを所有者にしているのでクルウィル様が魔王に就任するときに所有者をクルウィル様に変更すれば大丈夫です」

「そのようなことも出来るのですか!実に素晴らしい」

「よければこの剣の試作に使った物ですが使ってみますか?試作なので性能はかなり劣りますが」

「よろしいのですか」

「はい」

「それは是非お願いしたいです、それで国宝となるこちらの剣の名前はなんと言うのですか?」

「あー、考えてなかったです」


 剣の名前をどうしようかと悩む。


「ならこの魔王国の名をそのまま当ててやればよい」

「メルテツシナですか?」

「うむ」


 クロナの言葉にそれでいいのかと思いゲオルククを見る。


「なるほど、魔王国の象徴ですからな、素晴らしいかと」

「良いんですか?」

「はい」

「ではこの剣の名はメルテツシナですね」


 こんな簡単に国の名前を使っていいのかと思ったが現役の魔王の許可があるからいいのかな。


 俺達は訓練場に移動して試作で作った剣をゲオルククに渡す。


 そして試作の剣を試すためゲオルククが訓練中の者を呼び止めようとしたときクロナが待ったをかける。


「ゲオルククよ、折角なのでテンリに手合わせをしてもらえ」

「よろしいのですか?」

「ただの兵士にお前の相手は無理だろう、それにこの場で試作の剣を全力で試すことが出来るのは我かテンリくらいしかおらんからな」

「今全力でと仰いましたか?」

「うむ、ゲオルククよ、お前が全力を出そうとテンリには勝てはしないからな、安心していいぞ」


 クロナの言葉を聞きゲオルククは俺を見る。


「テンリ様、本気を出してもよろしいのですか?」

「えっと、大丈夫だと思います」

「ほぅ、自信がおありのようですね、そうですか、ではお相手よろしいですかな?」

「はい」


 訓練場にいた者達は気付けば端の方によっている。


 俺はアイテムボックスからコクロウを取り出し構えゲオルククは試作の剣を構えた。


 俺は身体強化の魔法を発動させゲオルルクは気功術を発動させる。


「ではさっそく行きますぞ!」


 ゲオルククは凄い早さで近づき剣を横凪ぎに振るう、俺はそれをコクロウで受け止めて見せた。


 ガキンッ!と音がした後に周りに衝撃波が起こる。


「なんと、素晴らしい!」


 ゲオルククは受け止められると思っていなかったのか目を見開く。


 すぐさまゲオルルクは距離を取る。


「まさか今の一撃を避けもせずに受け止めるとは思いませんでした、これは本当に全力を出してもよさそうですな」


 そう言ったゲオルククの身体から赤い蒸気が揺らめき身体が膨れ上がり上半身の服を弾き飛ばす。


「クックッ、もう少し様子を、いや、こんな心踊る状態を抑えられそうにありませんな」


 素早く俺の側に移動して何度か打ち合う。


「クックックッ、ガーッハッハッハッ!サイコーだ!久々に俺様の全力をだせる!」


 俺は豹変して大声で笑い始めたゲオルククに困惑して距離を取りクロナを見る。


「ゲオルククはもともと戦闘を何より好む、笑いながら己の敵を肉片に変えその血を浴びて喜ぶ異常者だ」


 クロナの言葉を聞きゲオルククに視線を戻すと元々恐ろしい顔でニヤリと笑う、その笑い顔は今までの比ではない程恐ろしい。


「行くぞオラァー!」


 叫びながら先程よりも早く斬りかかってくる、右に左にと剣で斬りつけてくるがその都度コクロウで受ける、ガキンッガキンッと刃がぶつかる音が訓練場に響き渡る。


「良いぞ!もっと、もっとだ!」


 力を溜め渾身の一撃を振り下ろすゲオルルク、その剣をコクロウで受け流しそのまま地面を切り裂くかと思ったが、ゲオルルクは途中で剣の軌道をかえ横凪ぎに振り抜く、無茶苦茶な体勢にも関わらずその威力に俺は吹き飛ばされる。


「まったく、なんて馬鹿力なんでしょうね」


 空中で向きをかえ訓練場の壁に足がついた瞬間思い切り蹴り直ぐにゲオルルクの側に戻り剣を振るう。


 ゲオルルクは俺の動きに笑みが深くなりコクロウを剣で受け止める。


「剣の性能はいかがでしょうか?」

「実に素晴らしい!」

「ありがとうございます、性能もわかった事なのでこの辺でやめましょうか」

「そうですな、剣の打ち合いではなくせっかくなのでなんでもありの戦いにしましょう!」


 ゲオルルクはそう言い、俺を蹴りあげる、いきなりで驚いたものの防御したのでダメージはない。


 真上に蹴り上げられその後重力によって下に落下する。


 ゲオルルクはテンリの落下に合わせ拳を突きだす。


「よっと」


 しかし俺は拳を上手く躱し地面に足をつける。


「逃がさ!なに!?」


 ゲオルルクは追撃しようとしたが急にピタリと止まる。


「なっ、動けんだと!?」

「動きを止めさせてもらいました」

「なんだと!どうなっている!?」

「影を抑えました」

「影、だと?」


 ゲオルルクの影には短剣が刺さっている、空中でアイテムボックスから素早く短剣を取り出しゲオルククの攻撃をかわしてその流れで影に素早く短剣を刺したのだ。


「この技は影縫いと言い相手の行動を縛る技です」


 俺はコクロウをゆっくりゲオルククの首に当てる。


「これで俺の勝ちですね」

「なっ!」

「ゲオルクク様はご自分で何でもありと言いましたよね」

「グッ、クゥー、はぁ、その通りですな、私の敗けです」


 ゲオルククはガッカリしながらも認める。


 ゲオルククの影から短剣を抜きアイテムボックスにしまう。


 クロナを見ると実にいい笑みをしておりその周りにはいつの間にかクロナとゲオルククを除く六天魔刻の面々が集まっていた。


「兄上素晴らしかったです、しかしゲオルルクがこうもあっさり負けるとは」

「これは見事と言わざるをえませんな」

「まだ9歳でこの強さって異常ね」

「すごい」


 クルウィル、ゲルナ、ベルディナ、ヘベルネルは素直にテンリの実力を認める。


 この後場所を移し俺とクロナが魔王国に来た理由とゲオルククと戦った経緯を説明した。


 コクロウの代わりである魔王の剣メルテツシナは現在の魔王であるクロナが持ちクルウィルが魔王になるときに渡すことになった。


 そして報酬を渡される事になった、テーブルに置かれた袋の中にはなんと白金貨が百枚だそうだ、流石に多すぎると思いクロナに相談しようと思ったがクロナは既に袋を開けお金の勘定をしている。


「あのクロナ」

「うむ、確かに白金貨百枚だ」

「あの、この額は」

「ん?やはり少なすぎるかもう百枚程」

「大丈夫です」


 どうやらクロナからすれば白金貨百枚でも少なかったようだ。


「テンリこれをアイテムボックスに入れておけ」


 俺は言われるがまま白金貨百枚が入った袋をアイテムボックスに入れる。


 用事も済んだので挨拶をしてメルテツシナ魔王国を後にする、我が家に戻り起きたリリナも加え今度は教会に向かう、悪魔の事をアトレイアに聞くためだ。


 教会につきロジーヌ司教と挨拶をかわす、その際俺の前に膝をつき祈りを捧げていたので急いで止めてもらった。


 俺、クロナ、リリナはアトレイアの像の前で目を閉じて祈りを捧げる、次に目を開けるとその瞬間ハクロウが飛び込んで来た。


「パパ様助けてもう無理ですぅー!」


 俺は泣きながら押し倒してきたハクロウに驚きながら頭を撫でてやる。


「どうしたんですか?」

「ママ様が鬼畜なんです!、自分のお仕事をどんどんあたしに押し付けてくるんです!そもそもあたしは関係ないです!あれは虐待なんです!パパ様今すぐあたしを連れて逃げてくだ、あっ!」

「ハ~ク~ロ~ウ~み~つ~け~た~」

「ひぃ!」


 威圧交じりの声の方を向くとゾンビのごとく歩いてくるアトレイアの姿がある、その雰囲気は女神とは無縁だ。


「テンリ?」


 俺に気づいたアトレイアは素早くハクロウを引き剥がしポイッと放り投げ俺に抱きつきまたもや押し倒された。


「ノルンが鬼畜なんだよ!こなしてもこなしてもノルンが仕事を押し付けてくるんだ!私の仕事ではあるけど休憩無しでひたすらやらされるんだ!あれは苛めだ!パワハラだ!もうこの世界は危険だ!どこか別の世界でひっそり暮らそう!」


 あの娘にしてこの親である、そっくりだ、俺は苦笑いをしながらもすがり付くアトレイアの頭を撫でてやる。


「あらあら、お二人ともこんなところでなに油売っているんですか?」

「「ひぃ~!」」


 いつの間にかノルンが立っており暗い笑顔を向ける。


「遊んでいる暇があるならやることやりましょうね」


 ノルンはそう言いながら素早くアトレイアとハクロウの服を掴み上げる。


「テンリ「パパ様助けてー」」

「テンリ君、はしたないところを御見せしてしまい申し訳ありません、せっかく来ていただいたのに」

「いえ、忙しい時に申し訳ありません」

「大丈夫です、ちょうど人手が欲しかったので」

「「「えっ!」」」


 ノルンはとても素敵な笑顔で素早く俺とクロナ、リリナを捕まえアトレイア、ハクロウと共に仕事部屋に連行して行くのであった。

 いつもお読みいただきありがとうございます。

 誤字脱字の報告助かります。

 ただいま第一話から少しづつ手直ししています、内容は変わらないつもりですがちょこっとづつ違う所も出てくると思います。

 今後もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ