第78話 オークション会場につきました。
大変お久しぶりです、やっと投稿できました。
遅くなってしまい申し訳ありません。
食堂に着くととても良い匂いがしてきた。
どうやらビュッフェ形式のようで飾り棚に料理が並べられている、しかもかなりの種類と量だ。
「朝から凄い豪勢ですね」
「我等の後に城の使用人達がここに集まって食べるからな、なので量も多目に作ってあるのだ、遠慮せずに好きな物を取ると良い」
「・・・わかった、遠慮しない」
クロナの言葉にリリナはいち速く答え素早く皿を両手に取り料理を皿に載せていく。
それを見て俺は苦笑いをしクロナは呆れた顔をしていた。
「後で使用人が集まると言っていましたが今現在は使用人らしき人物は見当たりませんね」
「ジロジロ見られながら食べるのは嫌だから下がらせてある」
「そうなんですか?王族だから毒味役は必要なんじゃ?」
「状態異常無効があるからな、毒を盛ったところで我には意味がない」
「なるほど」
確かに状態異常無効があれば毒殺は無理か、とは言え王族がそんな自由気ままで良いのだろうか?
「さぁ、兄上も遠慮せずに好きな物を食べると良い」
クルウィルはそう言い俺に皿を手渡してくれる。
まぁ今更俺が考えても仕方がないか。
「ありがとうございます、それじゃ遠慮なく頂きます」
クルウィルから皿を受け取り料理を選びながら皿に盛り付けていく。
「テンリ、これはおすすめだぞ」
クロナはそう言いながらグラタンをスプーンでよそい小皿を渡してくる。
「兄上これは是非食べてくれ」
クルウィルは魚のソテーを皿に盛り手渡してくる。
「・・・テンリ、これは見たことない料理、食べてみよう」
リリナはいつの間にかカラフルな料理を皿に盛り俺に手渡してくる、ってあれ?リリナはさっき両手に皿を持っていたのに?そう思って近くのテーブルを見ると既に山盛りに盛られた何枚ものお皿が置いてあった、いつの間に用意したんだか。
3人が自分のお薦めの料理を皿に盛り付け手渡してくれるが既に片手に皿を反対側の手にはトングを持っているので受け取れない
「流石に持てません」
「む、そうだなテーブルに置いてこよう」
クロナがそう言いクルウィルとリリナも皿をテーブルに持って行く。
俺達は食べたい料理を取り終えテーブルにつき食べ始める。
「味はどうだ?」
「美味しいですね」
「それは何よりだ」
クロナは嬉しそうに俺を見た後自分も食べ始めた。
「・・・テンリ、このサラダ新鮮でドレッシングも美味しい、はい、あーん」
リリナはそう言いながら箸でサラダを掴み俺の口に運ぶ。
「あーん」
俺はそれを素直に食べる。
「うん、美味しいですね」
「な、ずるいぞリリナ!」
クロナはすかさずフォークで肉を刺す。
「テンリ!」
「はい」
「これも美味しいぞ、あ、あーん」
「あーん」
クロナは少し照れながらも俺の口に料理を運ぶ。
「うん、これも美味しいです」
「そうだろう」
クロナは嬉しそうに笑う。
ふとクルウィルを見ると驚いた顔をしている。
「どうかしましたか?」
「え?あ、あぁ、その、姉上のそんな表情を見たのは久しぶりなので、驚いてしまいました」
「驚くような事ではないのでは?」
「驚くような事です、何せ姉上は自分主義で気に食わない事があれば全てを叩きのめす人ですよ、会話が暴力のようなそんな破壊の化身のような人が婚約者に料理を食べさせるのを頬を赤くして照れながらやるなんて誰が想像できるでしょうか!」
クルウィルは随分力を込めてそう言う。
「ほぅ、クルウィル、そんなに我に消し炭にされたいのか?」
クロナに睨まれクルウィルは少し冷や汗を流す。
「い、いえ、悪く言っているのではないのです」
「今の言葉をどう解釈すれば悪く言ってないように聞こえるのだ」
「姉上が安心できる良い方に巡り会えた事に安心したのです」
「ふん、そう言う事にしておいてやる」
クロナの言葉にクルウィルは肩を撫で下ろした。
そして楽しく朝食を終えた俺とリリナ、クロナの3人はオークションの主催者である人物に会いに魔王城を出てオークション会場に向かう、ちなみにクルウィルは仕事でそのまま魔王城に残った。
魔王城からオークション会場まで馬車に揺られながら向かう。
「ところでテンリ、オークションには何を出品するつもりなのだ?」
「そうですね、アイテムボックスの中で肥やしなっている物を出すつもりでいるんですが」
「見せてもらえるか?」
「ええ、良いですよ」
俺はそう言ってアイテムボックスから短剣を取り出す。
「これは魔法付与してある物なんですがこの位の物を多目に出すつもりです」
「ふむ、これ一つでそこそこの額になりそうだな」
「武器や防具、それに魔道具類を合わせて30個程出すつもりですよ」
「そうか、それならかなりの額になりそうだな」
そう言ってクロナは短剣を返してくれた。
オークション会場につき馬車を降りる。
「大きな会場ですね、ただそれより警備が厳重な気が、馬車の中から街を見てましたが街中にも兵士が多くいましたし」
「今回から魔人族以外の種族がくるからな、その関係だろう」
「そうなんですか?」
「うむ、デイステン王国にジュマ獣王国、そしてドラグニア王国その中でもかなり上の地位にたつもの達がくる」
「へぇー」
「これも全てテンリがいるからこそ出来た事だ」
「え!俺ですか!?」
「うむ、我等他種族を繋いでおるのはテンリが各種族の王族と婚約しているからだ、まだ公になっていないが信頼のある一部の者達は知っている事だし今回来る各種族の者達はその信頼ある者達だからな」
俺は自分が思っている以上に各種族から重要視されているようだ、それに今回くる各種族の者達、しかもそれなりの地位がある者達が来るのだ危険がないようにするのは当然か。
「さてそんな事はどうでもいいから中に入るぞ」
「どうでもよくはないでしょ、ねぇリリナ」
「・・・どうでもいい」
「そうですか」
どうやらこの2人からすれば国の重要事などどうでもいいことらしい、いいのかそれで?
「失礼、この会場は関係者以外今は立ち入りが」
「なんじゃ、我に何か要か?」
「なっ、え、あ、まっ、まっ、まっ、まっ、まっ、魔王陛下!」
どうやらクロナが俺の方に顔を向けていてこの警備の人はクロナに気づかなかったようだ。
「我等が来ることは伝えていたはずだが?」
「え!いや、あの」
警備の人はどうしようと顔を真っ青にして汗を流し目に涙がたまっている。
「魔王陛下、申し訳ありません」
すると大柄の厳つい顔をした人が近づき頭を下げる。
「ドオルククか」
この大柄の厳つい感じどこかで見た気がする。
「はっ!此度は人員の交代時に情報の行き違いがありまして、数人程知らないものがおりました、ここで最後だったのですが遅かったようです」
「た、隊長!」
警備の人がどうしたらいいのかわからずパニックだ。
「君は任務に戻りたまえ」
「ですが」
「今回の事は私のミスだ、君に責任はない」
警備の人はクロナを見る。
「お前は行ってよい」
「た、隊長は」
「なに、少し怒られるだけだ」
隊員は少し迷ったが深く頭を下げこの場を離れていく。
「魔王陛下この度は申し訳ありません、どうかこの首一つで今回の事を納めていただけませんか」
「よい、許す」
「ではこの首を」
「許すと言っておるだろう」
「え!」
「だから今回の事は不問にすると」
「な、貴様何者だ!あの冷酷な魔王陛下が許すわけな、がっ」
クロナは軽くジャンプをしドオルククの顔面にけりを放ちそのまま地面にぶつける。
「おい、お前は我を何だと思っているのだ、殺すぞ」
殺気を帯びた声でクロナが話すとドオルククはゆっくり立ち上がり頭を下げる。
「今の殺気、本物の魔王陛下でしたか、申し訳ありません」
「ふん、まぁよい、此度の事は許すが今回のオークションは他国の者達が来るのだ、情報のやり取りや警備の配置を完璧にしろ、次はないぞ」
「はっ!ありがとうございます。ところで魔王陛下、兄の所に向かいますか?」
「うむ」
「では私が案内させていただいても」
「かまわん」
「ではこちらになります」
俺はそこで以前会った六天魔刻の序列5位のゲオルククを思い出した、そして思い出してみれば名前から背格好までよく似ている、そしてつまり今回のオークションの主催者はゲオルククか。
「テンリ、なにをしておるのだ、早く行くぞ」
「はい」
俺は名前を呼ばれ会場の中に入って行った。
いつもお読みくださりありがとうございます。
誤字脱字の報告大変助かっております。
ここ最近投稿ペースが遅くなっておりご迷惑をかけております。
次の投稿も2~3週後になってしまうので申し訳ありません。
気長にお付き合いいただければ嬉しいです。




