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第76話 魔王国でした。

 本当に申し訳ありません、遅くなりました。

 お風呂上がりに何を飲もうか悩んだ末俺はフルーツ牛乳を飲むことにした。


 俺はアイテムボックスからフルーツ牛乳を取り出す。


 腰に手を添えグビグビとフルーツ牛乳を飲む。


「ぷはー」


 俺はフルーツ牛乳を一気に飲み干した。


「やっぱりお風呂上がりにはこれですね」


 うんうんと腕を組み1人で納得した後部屋に向かった。


 さてと、クロナに連絡を取りたいですがどうやってとりましょう。


 この世界に携帯電話はないから直ぐに連絡がとれるわけではないし、やっぱり手紙を書いて読んでもらい日程を調整してもらう?でもこれだとたいした用事でもないのに時間がかかりすぎるな。


 気軽にゲートを開いて部屋に来てもいいとクロナ本人に許可を貰っているとはいえメルテツシナ魔王国の現魔王の部屋にいきなり向かうのもどうかと思うし、向こうから来てくれる分にはいいんだけどね。


「クロナの部屋に手紙でも置いておこうかな」


 俺は紙とペンを取り書き始めようとしたらコンコンと扉をノックする音が聞こえた。


「はい」


 そろそろ夕食の時間かな?そう思い返事をした。


 すると扉が少し開きリリナが顔を覗かせる。


「・・・テンリ、お帰り」

「ただいまリリナ、そっちも嫁会議とやらは終わったの?」

「・・・ん、ただ」

「ただ?」


 言葉につまったリリナに首を傾げて聞き返す。


 そもそもなぜ扉を少ししか開けてないのだろう?いつもなら普通に部屋に入って来るのに。


「ええいまどろっこしいわ!」


 そう声が聞こえると思い切り扉が開いた。


「来たぞ!」


 そう言ってクロナが部屋に入って来た。


 リリナも後に続き部屋に入って来るがクロナの後ろに続く形だ。


「クロナ!一体どうしたんですか?」

「そろそろ一緒に住もうと思ってな」

「え!魔王としての仕事はいいんですか?」

「なに、クルウィルに魔王としての仕事の引き継ぎを殆ど終わらせたのでな、やることが無くなったのだ、後はあいつの仕事を見て馴れた頃合いで私が引退し次代の魔王としてクルウィルを表明しておしまいじゃ」

「まだ魔王としてのお仕事は残っているんですよね?」

「そうだが、後はクルウィルにやらせればよい、まぁたまに相談役くらいはしてやる」

「そうですか」

「そういう訳だから今日から一緒に住むぞ」

「今日から一緒に住むぞって言われても、父様達に許可をもらわないと」

「それについても話しは済んでいる、勿論許可は貰った」

「いつの間に!」


 俺の預かり知らぬ所で話しは進んでいたようだ。


「それなら、良いのかな?」

「よいよい、と言う訳で今日からよろしくな」

「はい、それにしてもちょうどクロナに聞きたいことがあって連絡をとろうと思っていた所なので手間が省けました」

「ん?そうなのか?」

「はい」

「それで聞きたい事とはなんだ?」

「メルテツシナ魔王国で大規模なオークションってやってますか?」

「大規模なオークション?」

「はい」

「あるぞ」

「ホントですか!いつです?」

「一週間後に」

「今からでも出品出来ますか?」

「できるが、なんでまたオークションなんだ?」

「最近お金を使いすぎまして、ラウスヴェル学園に払う入学金が払えないんですよ」

「なに?学園の入学金が払えないのか!」

「はい」

「この領は栄えている気がしたがテンリの入学金を払えない程に切羽詰まっていたとは」

「いえいえ、俺の入学金はすでに払ってありますよ」

「は?」

「俺の護衛であるフォルク君達もラウスヴェル学園に連れていこうと思いまして、その入学金分です」

「それはテンリが払うのか?」

「はい、今の彼等は俺が雇っていますから、とは言え寝る場所や食事は父様に出して貰っていますけどね」

「普通は全部領主が出すものだが、まぁテンリにはテンリの考え方があるだろうから深くは聞かないでおこう」

「はい、それでオークションの事ですが」

「明日の朝にでもメルテツシナ魔王国に行きオークションの主催者に言えばいい」

「主催者ってどんな人なんですか?」

「テンリもあった事があるぞ」

「俺も会った事あるの?」


 いったい誰の事だろうか?魔人族の知り合いなんて殆どいないはずだけど?


「それじゃ明日はメルテツシナ魔王国に向かうとするか」

「はい」

「せっかくだ明日の朝は魔王城で朝食でも食べる事にしよう、向こうには連絡しておく」

「そうですね、せっかくなのでお願いします、リリナもそれでいい?」

「・・・ん」

「なんだリリナも来るのか?留守番でもよいのだぞ?」

「・・・クロナがひどい!」

「冗談だ」

「・・・冗談に聞こえなかった」


 そんな事を話しているとメイドが夕食の準備が出来たと呼びに来た、そして俺達は食堂に向かう、しかしそこには誰も来ておらず夕飯を食べに来たのは俺とリリナ、そしてクロナの3人だけだった。


「あれ?父様達は来ていないんですね」


 俺の言葉を聞いて直ぐにメイドが答えてくれる。


「カロン様、タリア様、カレン様は王都に行っておりますセバス様は3人の世話役として付いていっております」

「王都に?」

「はい、クロナ様がこちらに滞在になられますのでその件です」

「そうなんだ」

「お帰りは明日の昼頃になる連絡がありました」

「明日の昼か」

「それとクロード様とカリナ様ですが海の幸が食べたいとカリナ様が言い出しそのうち帰るからちょっと出掛けてくるだそうです」

「あー、うん、わかった」


 あの人達は自由だな。


 メイドは軽く頭を下げ食事の配膳を始める。


「ところでそれって王城にクロナは行かなくてもいいの?」

「あぁ、我がする手続き等はもう済んでいるからな、テンリが帰って来る前にデイステン王にも挨拶に行った」

「そうなんですか」


 仕事が早いことだ。


 俺は食事を終えて明日の予定をメイドに伝え部屋に戻る。


「さて明日はオークションの下見だな」


 そう呟きすぐにベッドに潜り眠りについた。


 そして翌日目が覚めると服を着替え何時でも出れる用に準備をする。


 するとコンコンと扉がノックされる。


「テンリ起きたか?」


 どうやらクロナがお越しに来たようだ。


「開いてますから入って来てください」


 俺の言葉を聞き扉が開きクロナとリリナが入って来る。


 少し違和感がある、なんでだろうか?そう考えるとすぐに答えが出た。


「まともだ」

「は?」

「アトレイアやリリナと違ってちゃんと扉をノックして入って来るし眠っている間に部屋の仕掛けを全て突破して潜り込んで来ることもない、まともだ」


 俺の言葉を聞きクロナはリリナをジト目で見る、そしてリリナは素早く目を反らした。


「リリナ、いったい何をしてるんだ?」

「・・・アトレイア様が元凶、私は止めようとした、ただ私では止められなかっただけ、私は悪くない、そう、私は悪くない」

「ならなんで我と目を合わせない?」

「・・・特に、理由は、ない」


 クロナはリリナに顔を近づける。


「本音は?」

「・・・アトレイア様が奇襲するのを良いことにその行いを止めると言う名目で私も潜り込みました、ごめんなさい!」

「まったく、リリナにも困ったものだ」


 クロナは大きく溜め息を吐き出す。


「・・・2度としない、とは言えない」

「まぁよい、我もそのうち夜這いしに来るつもりだからな」

「ちょっとクロナさん!」

「なに、夫婦になるのだから別に構わんだろ、だがリリナ、抜け駆けは許さんからな」

「・・・わかった」

「よし、では行くか」

「何がよしなんですか!」


 クロナは俺の言葉を流しゲートを開く。


「この先は魔王城にある我の部屋だ、それでは行くとしよう」


 そう言ってクロナとリリナがゲート通る。


 さて魔王国はどうなっているのだろうか?俺は2人の後ろを追ってゲートを通るのだった。

 いつもお読みくださりありがとうございます。

 誤字脱字の報告助かっております。

 まだなかなか時間が取れないので来週に投稿出来るかわかりません、再来週までには投稿する予定です、読者の皆様にはご迷惑おかけしてしまい申し訳ありません。

 温かく見守っていただけたら幸いです

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