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第75話 お風呂上がりの牛乳は大事でした。

 何とか書き終わりました。

 話を終えると九尾の狐は満足そうに頷く。


「うむうむ、仲睦まじいようでなによりだ」


 そう言いながらお茶の追加を淹れてくれる。


「しかしお主の婚約者達には驚きだ、各種族の王族ばかりではないか」

「それは、そうですね」

「魔人族、その中でも魔王と呼ばれる者はかつて恐怖の象徴の1つとされていた程だ、しかも今の魔王はその中でも歴代最強と言われている」

「そう言われていますね」


 俺は魔王であるクロナが実際に戦った所は見たことないから話しで聞いたことがあるくらいなんだけどね。


「それにまさかあの竜王と竜人族の女王の間に娘がいたとはな、しかも竜王が娘を溺愛してるとは、話しを聞いてもまったく想像がつかん」


 確かに初めて会った時は威厳があったな、今はリリナにうざがられて悲しそうな顔をしてそんな威厳皆無だけどね。


「九尾の狐さんは竜王であるヴォルデリア様とお知り合いなんですか?」

「まぁ長く生きているからな、あれはまさしく最強と言われる強さを持っておった、しかしそんな竜王が数百年前に人族に敗れたと聞いて驚いたものだ」


 その竜王であるヴォルデリアを倒したのが俺の祖父であるクロードなんですけどね。


「さらには聖女様か、一国の王女でもあり神の代弁者、その言葉は世界を左右すると言われる程の存在だな」


 改めて聞くと聖女って凄い存在だったんだな、アルナはめんどくさいだけだって言ってたけど。


「それを考えると我の子孫は普通だな」

「いやいや、獣王国の王女様の時点で普通ではないですよ」

「しかし他の者達のインパクトが強くてな、そうじゃ、我はもうすぐ寿命だからこの我の力をリアナに継承させれば良いか」


 なんかとんでもないこと言い出したよ!


「あの、充分元気に見えますが本当に寿命なんですか?」

「その通りだ、生きられても後1000年程しか生きられぬ」

「1000年ですか!?それって寿命が近いって言わないですよ」

「そんなことはない、我ら幻獣族の寿命はだいたい10000年程だ、その中で9000年生きたのだぞ」


 確かに9割がた生きたと言われれば残りの1割などすぐかもしれない、それでも他の種族よりも長く生きるのだが、種族としての考え方の違いがよくわかるな。


「そう言われると寿命は近いですね」

「そうであろう」


 それとは別で気になる事を言ったな。


「あの力の継承ってどういう事ですか?」

「ん?そのままの意味だ」

「えっと」

「我等幻獣族は死ぬ前に力の継承を行うのだ、意味はそのままの通り自分のステータスを後継者に継承させる、ただ継承させると言ってもそのままステータスの全てを与える事が出来るわけではない、その者の素質や能力によって上限が異なるからな」

「そんな事ができるんですね」

「ただこの能力の継承は限られた者にしか出来ぬ、例えば我なら他の狐の幻獣族か我の血を引く子孫達だ、我以外の幻獣族も同様で自分達と同じ種族の幻獣族かその子孫達だな」

「成る程、その力の継承をしたらあなたはどうなるんですか?」

「殆どの者は死ぬな、たまに生き残るものもいるが殆ど歩けなくなり数年で死ぬ」

「そうですか」


 もしリアナが力を継承したら獣王国で最強の八天幻獣、それも序列一位になることだろう、何せ女神であるアトレイアが己の一部を切り離した存在だ。


 しかし問題もある、リアナが子供である事を良いことに利用しようとする者達が押し寄せてくる事だろう、いくら女神の一部を切り離した存在で在ってもそれを回りが知っているわもなく、なにより今のリアナは獣人族の少女だ、対処しきれない事の方が多い事だろう。


 それに力の継承を行うことで九尾の狐が死ぬかもしれない、もし生き残っても誰かの介抱を受けなければいけないし数年で死んでしまう。


 見ず知らずの相手や敵対している相手ならどうでも良いがこうして知り合った以上死なせるのは後味が悪い、それにリアナの先祖だしなによりこの九尾の狐は容姿がリアナに似ている、リアナが大人になればきっと九尾の狐みたいになるだろう、そんな相手に死んでほしくはない。


「力の継承はしなくて良いです」

「そうか、なぜそう思ったのだ?」

「せっかく知り合ったのでもっとお話がしたいからです」

「ふふっ、そうか」

「はい、さて、そろそろいい時間なので今日は失礼します」

「なに、もう帰るのか?」

「帰るというか狩りを再開しようかと」

「そう言えば金を稼ぐためにこんな所まで来ていたのだったな、よし少し待っておれ」


 九尾の狐はそう言って立ち上がると扉を開け部屋を出ていった。


 少し待てと言われてから30分程たった。


「少しってどれくらいなんだろうか?」


 そんな事を呟き冷めたお茶を一口飲む、すると扉が開き九尾の狐が戻って来た。


「待たせたな、思ったより時間が掛かってしまった」


 そう言って机の上にいくつかの魔道具を並べる。


「これは?」

「土産だ、これを売れば金になるだろう」


 短剣が1本と腕輪が1つ、指輪が2つだ。


「短剣だがこれは素早さを上げる魔道具だ切れ味もよく風の魔法も付与されている、腕輪は攻撃力と防御力を上げてくれる、この2つの指輪は魔力制御をし魔力消費を抑えなおかつ魔法の威力も上げてくれる代物だ」

「どれも貴重な物ですよ!いいんですか?」

「どれも使わんからな、道具とは使ってこそだ」

「でも売るんですよ?」

「それもまた道具の使い道だ」


 そう言ってくれるなら素直に貰ってしまおう。


「ありがとうございます」

「うむ、おっと、そうだこれも渡さないと」


 そう言って九尾の狐の尾のデザインをしたストラップのような物を渡された、ちゃんと尾が9つある。


「我の毛から作った物だ、どうだ我の尾とそっくりであろう、これは魔力を貯めておけるからもし魔力が尽きたらこれで回復させることができる、それに自然に魔力も貯まるようにしてあるからな、獣王国で売ればい値になると思うぞ、ちなみにこの尾1つでMPを1000程回復する」


 これを売れば凄い金額になりそうだな、魔力を貯めておける魔道具、しかも使ってもまた時間がたてば何度でも使えるなんて。


「これ売らなくてもいいですか?」

「ん?別に構わんが、どうするのだ?」

「自分で使おうかと」

「そうかそうか、別に構わんぞ」

「ではありがたく使わせて頂きます」


 今日一番の収穫だ。


「さて、では外まで見送りに行こう」


 そう言って九尾の狐に外まで見送りに来てもらった。


「それではありがとうございました」

「うむ、またいつでも遊びに来るといい」

「はい」


 俺は手を振り九尾の狐に見送られながら移動した。


 そこから少し離れた位置に移動してサーチを発動させる。


「少し離れた距離だけど何体か強そうな魔物がいるな」


 魔物を確認すると素早くその方向に向かって走り出す。


 魔物狩りを再開して3時間ほどが経ちそろそろ空が暗くなる。


「これだけ集めれば充分かな」


 俺は水筒を取り出し水を飲む。


 後はこの魔物の素材をどこで売り込むかだ、一番良いのはオークションに出品することだがデイステン王国で行われる年に4度ある大きなオークションはこの前終わったばかりで次まで何ヵ月か後だ。


 ジュマ獣王国もオークションがあるがこの魔物の素材は獣王国ではあまり高く売れないだろう、何せこの魔物の素材は獣王国のあるアシュフォード大陸の物だからだ、獣王国内の魔物ではないが手に入りやすい事だろう。


 ならドラグニア王国はどうか、魔物を狩った位置とドラグニア王国はかなり離れているが手に入れようと思ったら何時でも手に入れられるだろう、獣王国内に入るわけでもないから許可を取る必要もないし。


 エルリンド王国は、つてがないから却下かな。


 聖都はオークションやってないから駄目だな。


 後はメルテツシナ魔王国か、あそこは正直よくわからん、一度クロナに聞いてみるか。


 俺は帰るためにゲートを開きそこを潜った。


 ゲートの先はよく見慣れた場所だ、何せ自分の部屋なのだから。


「さて、クロナに連絡を、その前にお風呂に入って汗を流そう」


 俺はお風呂場に向かう脱衣場で服を脱ぎ浴室に入り一度身体にお湯をかけて頭と身体を洗いお湯に浸かった。


「ふぅー、疲れた」


 俺は肩までお湯に浸かる。


 貴族の屋敷にある風呂場はかなり大きな作りになっている、しかもちゃんと男湯と女湯に別れているので良かった、もし時間で区切られていたりしたらゆっくり出来ない。


 俺はお風呂で今日の疲れを癒やす。


「さて、お風呂から上がったらクロナに連絡をしてみようかな」


 ただその前に牛乳を飲もう。


 普通の牛乳かフルーツ牛乳、いやコーヒー牛乳も良いな、悩む。


 なんにせよお風呂上がりの牛乳は大事だ。

 いつもお読みくださりありがとうございます。

 誤字脱字の報告助かっております。

 仕事が急に暇になったのに何故か他事が忙しくなり時間に追われています、1月は忙しすぎる、2月は平穏に暮らしたいものです。

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