第73話 大物が現れました。
「うーん、お金が足りませんね」
俺は机に広げているお金を見ながら腕を組みどうしたものかと考える。
「最近フォルク君達の剣や防具、それに魔道具を作るのにあまり考えずにお金と素材を使いすぎました、ラウスヴェル学園に彼等も連れていくつもりなのでお金をどうにかしなければ」
さてどうしたものか、やっぱり簡単なのは魔物の討伐、だけどまだ冒険者登録ができていないから依頼は受けれない、後数ヶ月で冒険者登録ができるがその前にお金を用意しておきたい。
魔物の素材を売るのも良いが手元に殆ど素材がない、やっぱり魔物を討伐するか。
「その前に父様にこの書類にサインでももらいにいきますか」
その時にでも外出の許可をもらえばいいかな、そう思い部屋を出る。
扉をノックし中の人物に声をかける。
「テンリです、父様少しお時間よろしいですか?」
「あぁ、入ってくれ」
「失礼します」
許可が降りたので中に入る。
「どうかしたか」
「父様、この書類にサインをしてください」
「ん?ラウスヴェル学園の入学手続きか」
「はい」
「既にしてあるが」
「これはフォルク君達の分です」
「彼等も連れていくのか?」
「はい、なのでその書類にサインしてください」
「それはいいが入学金等はどうするつもりだ?予め言ってくれていればどうにかなったが今すぐには無理だぞ」
「俺が払います、ただ」
「ただ?」
「少しお金を使いすぎましてなのでお金を稼ぎに少し外出の許可が欲しいんですが」
「はぁ、いいだろう、今のお前をどうこうできる相手は限られてるからな、好きにすればいい、ただカレンとタリアには一言言っておいてくれ」
「ありがとうございます」
「書類にサインした確認してくれ」
俺はカロンから書類を受け取りサインを確認する。
「よし、後はお金を準備してフォルク君達に学園に通うことを伝えるだけです」
「まだ知らせてないのか」
「はい、準備は俺が全て行いますから彼等に伝えるのは直前でもいいかなって」
「そう言う事は予め言っておくべきだぞ」
「どんな事でもすぐに対処出来るように訓練していますから大丈夫です、これも訓練の一環ですよ」
「まぁお前が雇っている従者だからお前に任せるが」
カロンは苦笑いをし頷いた。
俺はカロンの部屋を後にしてすぐカレンとタリアに外出すると伝えその足でリリナの部屋に向かった。
「リリナ、ちょっとお金を稼いできます」
「・・・一緒に行く?」
「今回は1人でいきます、それにリリナは嫁会議があるんですよね、行かないと怒られるんじゃないですか」
「・・・うっ、そうだけど」
「何かあれば連絡しますよ」
「・・・ん、わかった」
「では行って来ますね」
「・・・ん、気をつけて」
俺はゲートを開きそこをくぐり森の中にでた。
「さて何処に魔物がいるかな?」
俺は探索魔法のサーチを使い周りの状況を調べる。
「向こうに強そうな魔物がいるみたいですね」
俺はその場で身体強化の魔法を使う。
「とりあえずはこれでいけるかな」
アイテムボックスからコクロウを取り出し魔物がいる方に向かって走り出した。
1キロ程移動して気配を消し目当ての魔物を見つけた。
名前:レッドスパイダー
ランク:A
HP:6500/6500
NP:1000/1000
攻撃:600
防御:520
魔力:50
敏捷:800
幸運:340
技能:猛毒 糸
PS:ちょっとハクロウこれ手伝って。
よしこの程度ならすぐに片付けれるな。
俺は一瞬でレッドスパイダーを真っ二つに切り裂く。
それを素早くアイテムボックスにしまいアイテムボックスの機能で素材を分けた。
「うん、これはホントに便利だ、アイテムボックスも昔と比べて進化してるなんて」
それこそ最初は物の出し入れ位だった機能だが今は素材の解体もしてくれる更には時間を止めておきたいものや時間を経過させたいもの冷たくしたり暖めたりとかなり重宝している。
「さてどんどん狩りますかね」
そう言って再びサーチを使い魔物を見つけどんどん狩っていった。
「さて、もう少ししたら一旦家に帰りましょうかね、ん?」
俺は何者かから見られている気配を感じ警戒しながら辺りを見回す。
視線の数は3つ、特に敵意があるわけではなくこちらを見て警戒しているようだ。
「じろじろ見られるのは好きじゃないですね、森の中だから獣人かな?うーんどうしよう」
今のところ敵対しているわけではないから攻撃するつもりはない、向こうが先に攻撃してきたらやり返すけどね。
俺は気にせず次の魔物を探すためサーチを発動させる。
「ん?これはだいぶ強そうですね」
距離はかなり離れているが俺は強い反応があった方に向かって歩きだした。
俺が動いたのを見て俺を見ている者達も移動を始めた、どうやらある一定の距離を保っているようだ、敵意はやはりない。
俺はそのまま進んでいくが途中で俺を見ていた1人が俺の向かっている方に急いで去っていった。
そして残り2人は警戒を強め俺との距離を少し縮めた。
俺は気付いてない振りをしながら強い反応があった方に足を止めずに向かう。
後2キロ程でつくところまできたがそこで俺を監視していた2人が俺の前に姿を現した。
「止まれ!」
「貴様この先になんのようだ!」
武器を構えながら2人組みの少女の獣人が槍を向けてくる、顔がそっくりだ、双子かな。
「この先に強い反応があったから気になってね」
「この先にはなにもない!」
「今すぐ引き返せ!」
「なにもないなら引き返さなくてもいいんじゃない」
俺の言葉に殺気をあらわに襲い掛かって来た。
「「死ね!」」
「やだよ」
俺は2人が突きだした槍をかわし足を引っ掛けて転ばせる。
「な!」
「え!」
2人はかわされるとは思っていなかったのか驚いた顔をしながら地面を転がる。
動きは速いがこの程度ならどうにでもなる、
「そこそこ速いけど足下がお留守だったよ」
「くそ!」
「なめるな!」
すぐに起き上がるとまた襲い掛かってくる。
「こっちだよ」
俺は一瞬で2人の後ろに移動し手に持っていたコクロウをアイテムボックスにしまい変わりに短剣を2本取り出す。
「早!」
「いつの間に!」
2人が振り向こうとした時には俺は彼女達の首筋に短剣を当てていた。
「動くと首を落とすよ?」
俺は言葉に殺気を込めて言った。
2人は顔を青くし動きを止める。
「さて、殺す気で襲ってきた訳だから、殺される覚悟はあるんだよね?」
「お待ちください!」
制止する声と共に10人程の獣人が現れその中の年老いた1人が前に出る。
「え?待つ必要があるの?」
「お願いします、我々はあなたに敵意を向けません」
「いましがたこの2人が殺しにきたけど?」
「そ、それは」
「まぁいいよ」
俺は2人の少女の首から短剣を放した。
「それで俺に何かようかな?」
「まずは2人を見逃していただきありがとうございます、それとこの先には行かないでいただきたい」
「なんでですか?」
「この先には我々の集落がありその先にある洞窟には我々の守り神様がおります、しかしその守り神様も寿命が近く出来れば最後は安らかに眠って欲しいのです」
「へー、そんな事部外者の俺に話して良かったの?」
「この2人が手も足も出ない者が相手では我々では止めきる事は出来ないでしょう、事情を話して出来れば穏便に済ませたいのです」
「なるほどね」
「もしそれが叶わぬならば我等はこの命に変えてもあなたを止めねばなりません」
「どうやらその必要は無さそうだよ」
俺はそう言って獣人達の後ろを見る。
今目の前にいるのに全く気配が感じられず目を放せばすぐに見失いそうだ、しかし肌で感じてよくわかるが今の俺では相手にならないだろう。
『人族の子よ、我が縄張りになにようか?』
その声に獣人達は振り返り驚愕と共にすぐに膝をついた。
これは思ったよりも遥かに大物が出てきたもんだ。
そう思いながらステータスを見る。
名前:九尾の狐
ランク:SSS
年齢:9000歳
性別:女
種族:幻獣族
称号:神獣
HP:4000/39000
NP:32000/45000
攻撃:2350
防御:2200
魔力:3900
敏捷:2700
幸運:2450
技能:火魔法 水魔法 風魔法 土魔法 光魔法 闇魔法 無属性魔法 治癒魔法 詠唱破棄 魔功術 気功術 魔気混合術 状態異常無効
PS:ちょっとノルン私に仕事をまわさないでよ!
とんだ大物が現れたもんだ。
いつもお読みいただきありがとうございます。
誤字脱字の報告助かっております。
さて今年も残すところあとわずかです、やり残しが内容にしましょう。




