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第54話 逃がしませんでした。

 リリナが視界から消えその瞬間魔に仕えるものと言う名の魔物が吹き飛び壁に叩きつけられた。


 そして今まで魔物がいた位地にトントンとリズムを刻むかのように軽くジャンプをしているリリナの姿が見える。


「ねぇ、一瞬リリナちゃんが消えたと思ったらあの骸骨が吹き飛んだんだけど」

「そう、だよね、しかもいつの間にか骸骨がいた位地にいるし」

「全く動きが見えなかったよ」


 リュリュネ、トロネ、フォンはただ驚く事しか出来ない。


「スゲェ」


 フォルクは目を輝かせてその戦いを見る。


「あれが、五行天竜序列一位、凄い」


 ソーシャルはリリナを見ながら拳を強く握る。


 そして3人組はポカンと口をあけただその光景を見ていた。


 リリナはこちらをチラッと見て微笑んだ後また一瞬で消えその瞬間魔に仕えるものの腕の一本が砕けた。


「グガァー」


 魔に仕えるものは叫び残りの腕を振り回すがそれがリリナに当たることはなく更にもう一本の腕も砕く。


「リリナの戦ってる姿を初めて見ましたけど凄まじいですね、仮にリリナと戦ったら今のままではとても勝てる気がしません」


 俺は神眼を常時発動させ離れた位置からなんとか動きを目追える程度、もしこれが自分との戦闘だった場合視界から一瞬で外れその瞬間既に死んでいるだろう、しかも今のリリナは身体強化を一切していない状態でこれだけの動きだ、もしもし身体強化をしていれば今のままでは姿を捉えることすら出来ない。


「俺もそこそこ強くなったつもりですけど、上には上がいるものですね」


 俺は心の中で改めて自分を鍛え直そうと思った。


 そんな決意をしている間にリリナは魔に仕えるものの腕を全部砕き床に叩きつけて倒れた身体の上で腕を組みどや顔をしている。


「・・・最初は驚いたけど余裕だった」


 そう言いながら魔に仕えるものの身体から飛び降りこちらに戻ろうとしたとき急激に魔力の高まりを感じ俺は叫ぶ。


「リリナ!」

「・・・ん、問題ない」


 リリナは魔に仕えるものを一瞬で氷漬けにし軽く指をならせばそのままガラガラと崩れていった。


 俺はリリナの側に近付いていくとリリナも俺の近くに来て親指を立てる。


「・・・楽勝」


 無事で何よりだ、それにしてもあれは一体なんだったのだろうか?


「リリナ、今のってなんだったかわかる?」

「・・・わからない、ただアトレイア様なら知っていると思う」

「そっか、ならアトレイアに聞きに行こうか」

「・・・それが良い、私がこの世界に産まれるにあたって制限が掛かっているからアトレイア様から引き継いだのはほんの一部、テンリとの記憶と神の力がほんのちょっとだけ、しかも神の力を使える条件が厳しいから当てには出来ない」

「ん?って事はリリナのステータスって神の力は関係ないの」

「・・・ん、産まれた時は一般的なステータス」

「つまり今の強さを手に入れたのは」

「・・・頑張った!」


 凄いな、俺はアトレイアにいろいろステータスをいじってもらっているので初期値から高いけど自分の事だろうにリリナはそうじゃないのか、しかも努力で今の実力って、相当頑張ったんだろうな。


 俺はリリナの頭に手を乗せ撫でる、リリナは一瞬不思議そうな顔をしたがすぐに笑顔になり頭をなでられていた。


 ようやく正気を取り戻したフォルク達が近付いてくる。


 とりあえずボス部屋を出ることにして未だに方針状態の3人組に声をかける。


「とりあえずこの部屋を出ますよ」


 声をかけたことにハッとして彼等は首がもげるんじゃないかと思うほどブンブンと縦にふった。


「そう言えば貴方達の名前を聞いてなかったですね」

「コークルダです」

「ナユユです」

「ヘイトットです」


 3人組みはとても素直に自分の名前を答えていった。


「そうですか、俺はテンリと言いますそして」

「・・・私はリリナ、テンリの妻」


 いつの間にか隣に来ていたリリナが自分を指差しながらそう言いう、相変わらずぶれないなと苦笑いをした。


 その後フォルク達の紹介もしてボス部屋を出た。


 そしてボス部屋の扉を開きそこには柄の悪そうな7人の男達がいた。


「よう坊っちゃん達、悪いがここから先は通行禁止だぜ」

「貴方達は俺達とそこにいる彼等のパーティーをつけてきていた方達のお仲間ですか?」


 俺の言葉に7人の男達は一瞬驚いた顔をした。


 そして同じくフォルク達も驚いた顔をしている。


「あいつらの存在バレてたのか」

「そうそう気づかれるようなやつらじゃないはずなんだがな」

「それに気付きながら堂々とここまで来るって事はただのバカかそれなりに実力があるってことか」


 男達は武器を抜き一気に警戒を強めた。


 フォルク達も武器を抜き急いで俺とリリナの前に出ようとしたがそれを俺は手で制止する。


「テ、テンリ?」

「本当ならフォルク君達の経験の為に相手をさせたいんですけど、さっきのリリナの戦いを見たらちょっと動きたくなってしまいました」


 俺はそう言ってコクロウを手に取る。


「なので見学しててくださいね」

「ですが」


 ソーシャルは俺を止めようとしたがリリナに服を掴まれた。


「・・・テンリの楽しみを取ったらダメ」

「楽しみって」


 ソーシャルはそのままリリナに引きずられ後ろに下がった、それを見てフォルク達も下がる、3人組はどうすれば良いのかわからずオロオロしてリリナに手招きをされそっちに向かった。


「それではお待たせしました、どこからでもどうぞ」


 俺は武器を右手で持ちはしたが構える事もなく左手を上げてクイクイと指を曲げた。


「チッ、調子にのりやがって」


 剣を持った男達が3人こちらに向かって走ってくる。


 1人目は真正面から剣を振り上げ残りの2人は左右から剣を横から振るう、それに対応しようと思ったら真正面から向かって来た男のすぐ横から矢が飛んで来た、少しでもずれていれば正面から来ているの男に当たっていたであろうに上手く間をすり抜けて飛ばしたものだと感心しする。


 飛んできたその矢を片手で掴み左から来た男の腕に手に取った矢を突き刺し正面から来た男の剣をコクロウで右側にいなして右から来た男の剣に当たるように仕向けた。


「うぐっ」


 左から来ていた男は矢に腕を刺されて剣を落とす。


「なっ!」

「嘘だろ!」


 正面から来た男と右から来た男の剣が見事にぶつかり体勢を崩した2人はそのまま頭を思いきりぶつけ合い倒れる。


 俺はそのまま矢を放った男に向かって走って行く。


 しかし大盾を持った男がその前に立ちはだかり左から槍を持った男が出てきて突き刺してくる、つき出された槍をかわし右側から大盾の男に攻撃をしようとしたら弓を使っていた男が短剣に持ち変えて斬りかかって来たのでそれをギリギリでかわしすれ違い様に鳩尾に一発入れ男はそのまま倒れこむ。


 そして大盾の男に剣で斬りかかり片腕を切り落とした。


「ぐわぁぁ」


 大きな叫びを上げて腕を切り落とされた男は大盾を支えきれなくなり落とした。


 槍を持った男が素早くその場を離れると炎弾が飛んできた、どうやら仲間が近くにいようと関係ないようだ。


 俺はその炎弾をコクロウで切り飛ばす。


「な、なに!」


 魔法を放った男は驚いた顔をしその間に素早く魔法を放った男に近づいて剣で斬る。


 槍を持った男は槍を構えながらも唖然としている。


「まさか俺達がこんなガキに」


 そう言った瞬間に上に上がる階段に向かって走り出した。


「なに逃げようとしているんですか」


 俺は縮地を使い槍を持つ男の真後ろに移動し頭を掴みそのまま床に叩きつけた。


「俺達を襲ってきたんですよ、そんなお前らを逃がすわけないだろう」


 俺はそう言って笑顔を向けると槍を持った男はビクッと身体を震わせた。

 今日も投稿出来ました。

 いつも読んでくださる皆様ありがとうございます。

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