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第50話 塔のダンジョンに向かいました。

 そんなこんなで聖都に呼ばれて半年程がたった。


 その間にリリナはクロナとアルナに会いさんざん説教を受けて小さな身体が一段と小さくなり謝っていた、話を聞いているとどうやらこの中でリリナが一番年上らしい、しかし年上であるリリナよりクロナやアルナの方がしっかりしているように思う。


「順番を無視しおって、お主あやつに怒られる覚悟は出来ているのであろうな?」

「私は絶対に助けないわよ」


 その言葉を聞きリリナはブルブルガクガクと震え涙目になる。


「・・・私が悪かった、だから助けて」


 涙を流しうわべ使いで手を組みとても儚げに助けを求めるリリナ、この姿を見れば老若男女問わずきっと助けるだろう、しかしクロナもアルナも一言。


「「やだ!」」


 そう切り捨てた、そして四つん這いになり震えるリリナ、その後追い討ちをかけるがごとく更に説教ををされ俺は巻き添えをくわないようにただ空気になっていた。


 それはそれとして3人のやり取りはとても新鮮だった。


 ただ残念な事に未だリアナに再会が出来ていない、クロナがゲートを開き何度か4人で集まっていたりするのだが俺はことごとく時間が合わずにいた。


「まぁそんな事もありますよね」


 俺は一人納得し訓練所を見る、そこには武器を持って訓練に励むフォルク達がいた。


「うん、だいぶ体力がついてきましたね」


 最初の頃は走るだけで五人は地べたを這うような状態だったのだが今では走るのに加え格闘術、剣術、盾術、槍術、弓術等その他にも一通りの武器が扱えるようになっている。


「皆さん一度集まってください」


 俺の声にフォルク達が集まる。


「体力がそこそこつき武器を使った訓練等も一通りやりました、得意な武器の訓練もし始めました、ただ練習をしていただけではいざという時に実力をはっきでいません、なので明日は少し距離がありますが森の中にある塔のダンジョンに出向き実地訓練をします」

「「「「「はい!」」」」」

「言い返事です、明日の朝7時に屋敷前に集合してください、俺とリリナが同伴します、では本日の訓練は以上、食事をとり明日に備えてゆっくりしてください」


 俺の言葉が終わり頭を下げて移動する。


「ほほっ、ここに来たばかりの頃に比べてだいぶよくなりましたな」

「セバスですか、ええ、体力的なものや礼儀作法に加え知識なども豊富になって来ました、先生が優秀だからですね、ありがとうございます」

「ほほっ、お褒めに預かり光栄です、しかし当然の事をしたまでですよ、それに教えがいも鍛えがいもありますからな、むしろ彼等のような原石を見つけてきたテンリ様の眼力が凄いのです」

「たまたまですよ」

「ほほっ、ではそう言う事にしておきますかな、しかし、訓練の為とは言え塔のダンジョンに行く許可をよくカロン様がお許しになりましたね」

「この半年間父様の仕事の手伝いをして地道にコツコツ評価を上げましたからね、お陰でリアナにまだ会えていませんが、それは仕事で仕方なかったと割りきりました」

「ほほっ大人になりましたな」

「まだまだ子供ですよ、さて明日が楽しみです」


 満足そうな俺にセバスは微笑む。


 そして翌日の朝7時ちょうど、とても眠そうなリリナとリリナの支度をしていたソーシャルと共に屋敷の扉を開く、そこには既に装備を整えて整列しているフォルク達がいた。


「「「「おはようございます!」」」」

「おはよう、さて、今日は昨日話したように塔のダンジョンに向かいます、今回は戦闘訓練なので塔のダンジョンまで移動は馬車に乗って行きます、しかし馬車で移動すると言っても途中で魔物に襲われたりするかもしれません、その時はあなた達でどうにかしてくださいね、では行きましょうか」


 俺の言葉に頷き素早く行動を開始ししたフォルク達、俺とリリナが馬車に乗りそれを確認してゆっくりと動き出す、御者はリュリュネがしその隣にフォルクが座る。


 今回使っている馬車は貴族が使うような物ではなく行商人が使うような荷の運びを目的にした馬車だ、作りはあまりよくないが何かを運ぶ為ならば十分だろう。


 今回塔のダンジョンに行くのは訓練が目的であるフォルク、リュリュネ、トロネ、フォン、ソーシャルの5人、そして先生役である俺とリリナの合わせて7人だ、しかしそれとは別に10人ほど離れた位置から着いてきている者達がいる、これはカロンが万が一何かがあるといけないからと塔のダンジョンに行く許可を出す代わりに付けた護衛達だ、ただよほどの事がない限り出てこないように言ってある、もちろんフォルク達は何も知らない。


「さて、本来なら戻って来るまでが訓練ではありますがせっかくなので皆さん言葉遣いはいつもどうりでいいですし俺達に普通に接してください、あ、ただ警戒はしっかりしていてくださいね」


 俺の発言にフォルク達5人は困った顔をする。


「テンリ様、これは訓練なのでそう言うのはちょっと」


 ソーシャルはそう言いながら俺とリリナを見る。


「なら命令です、せっかくのピクニック、ゴホン、訓練ではありますが正直堅苦し過ぎるのは俺が疲れます」

(((((今はっきりとピクニックって言った)))))

「それに俺も鬼ではないですから」

「「「「「え!」」」」」


 俺の鬼ではないとの言葉に顔を驚愕させる。


「何ですかその顔は?」


 そうして見渡せば皆視線を逸らす。


「・・・テンリ」


 クイクイとリリナが服を引っ張り俺はリリナの方を向く。


「・・・どんまい」


 その言葉に俺はなんとも言えない表情をした。


 何事もなく順調に進み森に入る、森に入ると言っても塔のダンジョンに着くまで整備された道が出来ている、そこそこ距離がありはするのだが冒険者達が多く通るので安全だ、たまに魔物が出ることもあるがすぐに道行く冒険者に狩られる。


 なぜ森の中にある塔のダンジョンまでの道が整備されているかと言えば冒険者達が手に入れる魔物の素材や魔核がギルドで高く取引され冒険者達はそのお金をエレノールの街で使う、さらに冒険者ギルドは手に入れた素材や魔核を加工もしくは依頼者に渡しかなりの金額を儲けている、そしてそこからエレノール領に税を納めているがその金額もかなり多い、そのため塔のダンジョンまでの道を整備し多くの素材や魔核を運びやすくするためにと作られたのだ。


「問題なく着きそうだな」


 フォルクはそう言って笑ったがリュリュネは溜め息をして横目でジト目を向ける。


「それフラグよ」


 話を聞いていたトロネとフォンがそれに頷く。


「もし何かあったらフォルク君のせいだね」

「そうだよね、フラグたてちゃったし」


 ソーシャルはやれやれと肩を竦める。


「あなた達はまったく、ホントに何かあったらどうす、きゃ!」


 馬車が急に止まりソーシャルが可愛らしい声で俺にしがみつく。


「大丈夫?」


 俺にしがみついているのを見たトロネとフォンはキャーキャー言いリリナはジト目で見てくる。


「も、もも申し訳ありません!」


 顔を赤くしたソーシャルは急いで離れ頭を下げる。


「いや、大丈夫だから、それよりも」

「みんな急に止まってごめんなさい、どうやらフォルクがたてたフラグがホントに起きたみたい」


 リュリュネの言葉にフォルクに視線が集まる。


「お、俺のせいなのか!?」

「フォルク君、とりあえず謝って」

「えっと、ごめんなさい?」


 トロネに言われ疑問を感じながらもフォルクは素直に謝った。


「さて冗談はこの辺にして、それで何があったんですか?」


 フォルクは複雑な顔をして俺を見たが今起こっていることを答える。


「道の真ん中でどうやら冒険者同士が揉めてるみたいだ、女2人組のパーティーと男5人組のパーティーだと思う、どうする?」


 フォルクに訪ねられしばし考える。


「冒険者に揉め事は付き物です、ですがまぁ話は聞いてみましょうか、それに正直邪魔なので早くどかしたいですし」


 俺が馬車を降りようとしたらソーシャルが慌てて止める。


「テンリ様が行くんですか!」

「そうだけど?」

「やめてください、何かあったら大変です!フラグたてたのフォルク君何だからフォルク君が行って来て」

「俺かよ!」

「文句があるの!」

「な、ないです」

「じゃあ行きなさい!」

「はい」


 ソーシャルにそう言われしぶしぶフォルクは冒険者達に近付いていく。


「今フォルク君に行かせたのでテンリ様はここに、ってテンリ様は!?」

「・・・テンリならフォルクの隣」


 ソーシャルはいつの間にかいなくなったテンリに驚きリリナの声で急いで冒険者達に向かうフォルクを見る、すると当たり前のように話ながら歩く二人の姿が映る。


 楽しそうに歩く二人を見てソーシャルは一言呟く。


「フォルクは後でしばく」


 リュリュネ、トロネ、フォンはビクッと身体を震わせた。

 読んでくださる皆様ありがとうございます。

 お陰さまで30,000PV超えました、今後もよろしくお願いします。

 

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