第47話 怒られました。
連続更新は今日でストップになります、今回はちょっと短めです。
「とりあえず身体強化の魔法を掛けときますね」
そういって俺は無詠唱でフォルク達に身体強化魔法をかけた。
「助かる!」
フォルクはそう言って襲ってきたゴブリンの変異種の攻撃を盾で何とか防ぐ。
フォルクは剣と盾を使った装備だ。
ゴブリンの変異種は攻撃が防がれたにもかかわらずそのまま肉薄して攻撃を繰り返す、フォルクは身体強化魔法のお陰で辛うじて防いでいるがもともとの地力が違うため徐々に押され始める。
「フォルク!」
そこにリュリュネが加わり攻撃を仕掛ける。
リュリュネの装備は双剣だ、威力は低いが手数が多く動きが素早い。
上手く連携を組攻撃を繰り出す、しかしゴブリンの変異種は攻撃を受けるものの致命的な攻撃を受けている訳でもなく二人を相手にしても余裕そうだ。
「二人共離れて!」
トロネの声に反応しフォルクとリュリュネは離れる。
トロネの武器は弓だ、フォルクとリュリュネが離れる動作に移ってすぐにトロネは弓でゴブリンの変異種目掛けて矢を射る。
その矢の威力とスピードだが普通に矢を射ったのとは違い風を纏って威力もスピードも出ている。
「いっけー!」
どうやらフォンが詠唱をしてトロネの矢に風の魔法を纏わせて放ったようだ。
フォンは魔法使いとして短めの杖を使っている、魔法の補助をしてくれはするが威力が特別強くなるわけではない、そんな中矢に魔法を纏わせる事で普通に魔法を放つよりも強い一撃を繰り出したのだ。
ゴブリンの変異種は驚き避けようとしたが肩に当たる、魔法で矢の威力を上げていたため貫通力があり矢はそのまま肩を貫いた。
「グギャ!」
ゴブリンの変異種はまともにダメージが入った事で怯むかと思ったがその顔は怒りをあわらにしていた、どうやら技能にある威圧と狂化を発動したようだ、威圧によりフォルク達は身体を硬直させてしまいとっさに動けない、しかも狂化を発動させたため痛みや恐怖のような感情がない、更には攻撃力が跳ね上がっている、近くにある木を素手で殴り倒してしまった。
「グギャー!グギャー!」
ゴブリンの変異種は叫んだあとニヤリと気味の悪い顔を見せそのままフォルクに突っ込んで行く。
「グギャ!」
「うわぁ!」
何とか盾でその攻撃を防ごうとしたが盾ごと吹き飛ばされ木にぶつかり気絶してしまった。
「「「フォルク」君!」」
リュリュネ、トロネ、フォンは吹き飛ばされたフォルクに気をとられゴブリンの変異種を視界から外してしまう、それを見逃さずさらに醜悪な笑いをしたゴブリンの変異種は次の獲物にリュリュネを選んだようで襲い掛かる。
「グギャ!」
「しまっ、きゃ!」
リュリュネは短い悲鳴をあげ目を閉じてしまう、しかし襲い掛かってきたゴブリンの変異種だがその衝撃は一向にこなかった。
「あ、あれ?」
リュリュネは目を開くがそこにゴブリンの変異種の姿はなく辺りを見るとトロネとフォンが驚いたように固まっていた、そしてリュリュネと目が合い二人は同時に同じ方に指を向けた。
その指先に視線を向ければ俺と目が合い俺はにっこりと笑っておく、そして視線を下に向けるとそこには首を斬られたゴブリンの変異種が転がっていた。
「嘘、私達四人でも倒せなかったのに!」
リュリュネは驚いた顔をして固まってしまった。
俺は手をパンッと叩き三人はビクッと反応する。
「まだやることは残っていますよ、フォルク君の手当てにゴブリンの討伐部位と魔石の回収それをしながら周りに気を配ってください」
「「「はい!」」」
三人は俺の言葉に急いで行動を開始する。
フォルクは凄い勢いで吹き飛ばされたが軽傷ですみすぐに意識を取り戻しそのまま街に向かう。
「街が見えてきましたね、では帰ります、後日教会に行きますから反省会をしましょう」
「ちょっとテンリ!」
俺はゲートを開きその場を後にした。
「なぁ、テンリって凄いな」
「「「うん」」」
四人は軽い放心状態になったがすぐに我に返り冒険者ギルドを目指した。
冒険者ギルドで薬草採取の依頼が完了したと報告しそれとは別に魔物の討伐部位と魔石の売却をしていると受付にいる女性のギルド職員が驚いた顔をして説明を求めてきた。
「ちょっとあなた達、これってゴブリンの変異種じゃないの?」
「えっと、はい」
「あなた達この間登録したばかりの子達よね、凄いじゃない、ちょっと待って、あ、フェリナさんちょっといいですか」
そうしてサブギルドマスターであるフェリナが近づいてくる。
「どうかしましたか?」
「この子達ついこの間冒険者に登録した子達なんですけどなんと今日ゴブリンの変異種を倒したんですよ!」
フェリナは少し感心しながらフォルク達を見るが当のフォルク達は話が大きくなってきたことに戸惑いどうすればいいかと悩み始めそれに気づいたフェリナは彼等を別室に案内する、それに素直に四人はついていった。
部屋に入り椅子に座るように言われ四人は座る。
「それでは少しお話を聞かせてもらえますか?」
四人はどうしようかと考えたが素直に話そうとフォルクに言われそれに頷く。
「えっと、実は」
フォルク達は街を出てからの事を詳しく話した。
「なるほど、わかりました」
四人は貴族であるテンリを危険な目に合わせてしまった罰を恐れて顔が少し青くなる。
「この事はカロン様に報告しなければいけませんね」
「あ、あの罰はどんな事が」
代表してリュリュネが聞くがフェリナは首をかしげる。
「罰ですか?ありませんけど」
「「「「え!?」」」」
四人は驚いた顔をする。
「そもそもテンリ様が悪いわけであなた達は巻き込まれた訳です、罰があるならテンリ様が受けるべきですね」
そう言ってフェリナは笑顔を向けた。
「薬草採取の依頼は達成したので報酬が支払われます、魔物の討伐と魔石の換金もできます、ただランクの昇格はダメですね、あなた達が討伐したならあり得たかもしれませんけど、よろしいですか?」
フェリナはそう言ってフォルク達に確認をとる。
四人は急いで首を縦に降る。
「では準備しますね」
そしてフェリナは報酬を用意してフォルク達に渡す、それを受け取り帰りながら四人は心の中でテンリに謝罪した。
((((ごめん))))
その後この話はすぐにカロンに届けられてテンリは物凄く怒られた。
「裏切り者め~」
「テンリちゃんと聞いているのか!」
「はい!」
罰はなかったものの数時間に渡る説教が続いたのだった。
読んでくださる皆様ありがとうございます。
まだまだ続けていく予定です、よろしくお願いします。




