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第46話 平常心を保っていました。

 3日続けての投稿です、頑張りました。

「な、なぁ、付いてきて良かったのか?」

「バレなきゃ大丈夫です」

「それってバレたらヤバイんじゃ」

「その時はその時です、それに今日はソーシャルさんがリリナの専属メイドとして仕事を覚えるためにいない日なのでその穴埋めに来てあげたんです、わかったらさっさと行きましょう!」


 俺はただいまフォルク達と共に冒険者ギルドの依頼を受けて薬草採取の依頼をこなしている、もっとも依頼を受けているのはフォルク達であって俺は隠れて付いていっただけなのだが、フォルク達が森の中に入り少ししてから姿を見せたときは皆が驚いていた。


「フォルク、諦めた方がいいんじゃない」

「今から引き返そうとすると依頼が達成出来ないし」

「それにせっかくテンリ君が手伝ってくれるんだよ」

「そうだけど、ここらは魔物も出てくるんだぞ、もしテンリに何かあれば俺達はただじゃすまないんだぞ」


 フォルクに言われリュリュネ、トロネ、フォンの三人は難しい顔をする。


「ならば何かある前にさっさと依頼をこなしちゃいましょう」

「お前なぁ」


 フォルクは肩をガックリ落とし歩き出した。


 そこから歩くこと30分程の場所で薬草採取を始める。


「この辺りで薬草採取を始めるけどテンリは俺からあまり離れないでくれよ」

「わかりました」


 俺とフォルクの話を聞きリュリュネ、トロネ、フォンはこちらを見ている。


「フォルクの話し聞いた?」

「俺から離れるなだって」

「もしかしてフォルク君は女の子よりも男の子が好きなんじゃ」

「テンリ君可愛いからねぇ」

「気持ちはわからないでもないけど」

「テンリ君気をつけてね」

「おい!」


 いつも通りのやり取りを聞き笑いながら頷く。


「まったくお前らは、さっさも言ったけど魔物も出てくるんだ、気をつけて離れすぎずに行動しろよ」


 皆が頷き薬草採取が始まった。


 そこから3時間程が過ぎそこそこの量の薬草が集まった。


「これくらいあればいいんじゃないか?」

「そうね、今日は思ったよりも集まったわね」

「この辺は薬草がいっぱいあったね」

「それじゃ帰ろ」


 四人は袋一杯の薬草に満足し帰るために移動を始める。


「帰るぞテンリ、ん、何してるんだ?」


 俺は手招きをしてから指を目線の方に指を指す。


 フォルク達は近づきその方向を見る。


「ゴブリンか」

「どうやら一匹だけのようね」

「でも普通のゴブリンと比べるとちょっと雰囲気が違うね」

「前に倒したゴブリン達と比べると強そうに感じる」


 どうやら彼等は以前何度かゴブリンを倒していたようだ、案外冒険者をちゃんとしているんだなと少し感心してしまう。


「あれはゴブリンの変異種ですね、普通のゴブリンよりもはるかに強いですよ」


 俺の言葉に皆が押し黙る。


「まだ気づいてないみたいだからすぐに移動しよう、あのゴブリン帰り道の方にいるから少し遠回りになっちゃうけど」


 フォルクの意見にリュリュネ、トロネ、フォンは頷く。


「テンリ、行くぞ」

「あれは多分こちらに気づいていますね」

「けっこう距離は離れているんだぞ」

「何せ変異種ですからね、普通の個体と比較したらダメです、離れたと思ってこちらが気を抜いた瞬間を狙って来ますよ、たぶんあれは狩りの真似事でもしているんでしょう」


 緊張しながらもどうしようかとフォルク達は話し始める。


「私達に気づいてるんなら戦う?」

「そうだよね、こっちから先制攻撃しちゃう」

「人数も私達の方が多いし変異種って言ってもゴブリンだし」

「いや、ダメだ、変異種って確か相当強いって聞いた事がある、それに今はテンリがいるんだ、最優先はテンリを無事に街まで連れて行く事だ」


 フォルクの言葉で俺に視線が集まる。


「ならどうするの?」

「私達よりも強いんなら逃げ切れないかもしれないよ」

「八方塞がり」

「俺が囮になる」

「「「え!」」」

「俺が少し時間を稼ぐ、もちろんすぐに逃げるつもりだけど今は何よりもテンリを街まで無事に連れて行くのが優先だ、護衛依頼の練習とでも思えば良い勉強だ」


 俺はフォルクの意見に感心しながら頷く、はっきり言って俺と彼等とでは命の重みが違ってしまう、平民のしかも孤児であるフォルク達の命よりも貴族の子供である俺一人の命の方が重い、ただこの状況で自分を囮に俺を逃がすとはっきり言えるフォルクは凄いと思う、冒険者になったとは言え成り立ての初心者だ、しかもまだ子供である、それなのに優先順位をきちんと決め実行しようとする、あの泣きながら年下の俺に助けを求めてきたフォルクがいつの間にか成長している、俺はそれが嬉しくて笑ってしまった。


「お、おい、どうしたテンリ、大丈夫か?」

「いえ、フォルク君も成長しているんだなと思って」

「バカにしているだろ」


 ジト目で見てくるフォルクに謝って言葉を続ける。


「怖くはないですか?」

「そりゃ、怖いけど」

「勝てますか?」

「勝てるかわからない、でもすぐに逃げるつもりだ」

「逃げ切れますか?」

「それは」

「はっきり言いましょう、今のフォルク君達では囮を使ったとしても全滅しますよ」

「「「「な!」」」」

「相手はそれだけ強いですからね」

「ならどうするんだよ」

「それは、っとどうやら向こうは痺れを切らしたみたいです、向かって来ましたよ」

「「「「っ!」」」」


 条件反射なんだろう素早く陣形を作り戦闘体制をとる、それを見て俺はまた驚いた。


「凄いですね、これはいつも練習してるんですか?」


 俺の言葉にフォルクが頷く。


「ソーシャルちゃんに仕込まれたんだ」

「冒険者は危険だからどんな時でもすぐに対応できるようにって」

「物凄く厳しかった」


 リュリュネ、トロネ、フォンがそう教えてくれた。


 ソーシャルはなかなか良い働きをしてくれている、それにきちんと従ったこの四人もなかなか面白いものだ、この行動が条件反射レベルにまできているなら相当練習したに違いない。


「なぁ、武器を構えてみたもののどうするんだ」

「そこはフォルクがちゃんと指示してよ」

「そうそう、うちのサブリーダーなんだから」

「よろしくね」


 危機的状況でもいつも通りの軽口だ、少し身体が震えているが平常心が保っていられるのは見込みがある。


「来るぞ!テンリを守りながら隙を見つけてそこから逃げるぞ!」


 そしてゴブリンの変異種が襲い掛かってくる。


 俺はこの場にいる全員のステータスを見る。


名前:フォルク

年齢:10

性別:男

種族:人族

称号:孤児 冒険者Fランク

HP:130/130

MP:20/20

攻撃:20

防御:23

魔力:5

敏速:16

幸運:5

技能:なし

PS:も、もう、無理。


名前:リュリュネ

年齢:10

性別:女

種族:人族

称号:孤児 冒険者Fランク

HP:95/95

MP:22/22

攻撃:15

防御:10

魔力:7

敏速:22

幸運:14

技能:なし

PS:寝る、私は寝るぞ!


名前:トロネ

年齢:10

性別:女

種族:人族

称号:孤児 冒険者Fランク

HP:80/80

MP:21/21

攻撃:10

防御:8

魔力:13

敏速:10

幸運:24

技能:なし

PS:zzZ


名前:フォン

年齢:10

性別:女

種族:人族

称号:孤児 冒険者Fランク

HP:77/77

MP:50/50

攻撃:8

防御:8

魔力:20

敏速:6

幸運:18

技能:風魔法(初級)

PS:痛い!ってなにこの書類の量!


名前:ゴブリン(変異種)

ランク:D

HP:360/360

MP:5/5

攻撃:100

防御:80

魔力:2

敏速:60

幸運:20

技能:威圧 狂化

PS:ちょっとノルン私を休ませてよ、ちょっと聞いてるの!うがー!


 アトレイアはなにやってるんだか、まぁいいや。


 さてフォルク達からすれば遥か格上、俺が補助で身体強化してあげて一体彼等がどこまで出来るのか楽しみだ。

 まだまだ暑いです、水分補給と塩分補給はこまめにして何とか日々をしのいでいます。

 読んでくださる皆様いつもありがとうございます。

 初めて読んでくださった方気に入ってくれたら嬉しいです。

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