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閑話 リアナ運命の人に出逢いました。

 テンリと出会う前のリアナを書いてみました。

 私の名前はリアナ=ジュマ、ジュマ獣王国の第三王女です。


 私は今回獣王であるお父様のお仕事で人族が多く住むアロン大陸のデイステン王国に向かう事になりました、本当ならお兄様やお姉様が向かうはずだったのですがいろいろとお忙しく今回は私がお母様と共に同行することになりました。


 正直あまり行きたくはないのですが王族としてのお仕事なので仕方がありません、我慢してついて行きます。


「リアナは国外に出るのは初めてですが大丈夫ですか?」


 どうやら顔にでていたようでお母様は心配そうに聞いてくれます、正直人族の国に行くのは恐いし緊張しますが王族としての立場があります、心配させてばかりでは民に示しがつきません、私もいずれはこの国でいろいろなお仕事が出来るようにならなければ行けません、どんな事が起きても対応出来るように今のうちにいろいろ学ばなくてわ。


「大丈夫です」

「そうですか、無理はしないでくださいね」

「はい」


 口では大丈夫と言いましたが本音を言えばやっぱり行きたくはないです。


 それから数日、あっという間に旅立つ日が来てしまいました、凄く緊張します。


 お父様は臣下の方々と話をしていろいろ指示をしています、それが終わればいよいよ出発です。


 私は初めて国を出ましたが馬車の旅は思ったよりも快適です、てっきりもっと窮屈な思いをするのかと思っていました、このまま何事もなく進めば良いのですが。


 国を出て数日が過ぎました、野宿を初めてしましたが案外大丈夫なものですね、それからかなりの頻度で魔物と遭遇しましたが護衛の兵士の方々が危なげなく倒していました、お父様が楽しそうに兵士に混ざって魔物を追いかけ回していたのはビックリです、ただ魔物を討伐した後に護衛対象が魔物に突っ込まないでくれと怒られていました、お父様恥ずかしいです。


 聖都にやっと着きました、馬車から街並みを見ましたがこの聖都にはあらゆる種族が集まっています、ここまで多種多様な種族が多くいるとは驚きです、獣王国ではたまに他種族の方を見るくらいでしたから改めて世界の広さを感じました。明日はいよいよ目的地であるデイステン王国があるアロン大陸に入ります、ですがその前に今から大聖堂によって教皇様にご挨拶をするようです、今の教皇様は人族なので少し緊張します、いったいどんなお方なのでしょうか?


「これはこれは、獣王様お久しぶりにございます」

「教皇様、この度は通行の手続きや宿の手配などありがとうございます」

「ふふっ、貴方がお礼を言い頭を下げるなんて、大人になりましたね、昔はとても」

「教皇様!その話は!」


 教皇様はとても綺麗な方でした、どうやら若かりし頃のお父様を知っているようです、お父様はとても慌てていました、いったい何があったのでしょうか?気になります。


 ですが教皇様は見た目が二十代前半、見方によれば十代後半と言われてもわからないような見た目です、お父様より年下に見えますが教皇の地位についてからそこそこの年月が経っていると聞きます、いったいおいくつなのでしょうか?


 教皇様はお忙しいようで挨拶もそこそこに直ぐに退出して行きました、どうやらこれでおしまいのようです、私達は本日泊まる予定のホテルに向かいます、取り敢えず今日は聖都で一泊して明日にはまた馬車の旅です、そして人族の住む地に降り立つわけです、少し緊張しますが王族としての務めをこなしてみせます。


 聖都を出てアロン大陸に入りました、アシュフォード大陸と比べ魔物と遭遇する頻度が減りましたが代わりに盗賊と遭遇する事が出てきました、私達が獣人族だからなのかもともとがいや卑しい人物達だからなのかとても下品な笑いを浮かべています、きっと後者なのでしょう。襲って来る盗賊達は護衛の兵士達にあっさり返り討ちにあい全滅していました。そんな事が起こりながらデイステン王国の王都に到着しました。王都では私達の国との友好を示すための歓迎のパレードが行われてお祭り騒ぎでした。


 パレードが終わり王城で客室に案内されました、種族差別があり嫌悪感等があるかと思っていましたがそのような事は特になく少ししてデイステン王国の王様と会う事になりました、私達はメイドさんに案内され廊下を進みとある部屋の前で止まりました。


 扉の前に立っていた兵士の方がこちらを確認し扉をノックし私達が来た事を中に伝えます。


「獣王陛下がお越しになりました」


 扉が開きメイドさんが部屋の中から出てきました。


「お待ちしておりました、どうぞ中にお入りください」


 お父様達が中に入って行きます、私も遅れないように着いて行かなければ。


「待っておったぞアガレスよ」


 中に入ると威厳たっぷりな人族の王様が待っていました、しかしお父様を呼び捨てするなんて何様のつもりなのでしょうか、・・・あ、王様でした。


 そんなことよりこの王様から放たれる威圧感が凄くて緊張してしまいます。


「ふん、相変わらずだなロレンス」


 お父様からも威圧感が溢れています、私はこの緊張が高まる感じにどうしようかと焦ってしまいます、回りを見るとどうやら私だけじゃなくメイドさんや護衛の騎士の方達も顔を青くさせています、一触即発です。


「ふっふっふっ」

「クックックッ」

「わっはっはっはっ」

「グハッハッハッ」


 急にお父様と人族の王様が笑いだしました、それと同じくしてどんどんと緊張が高まっていきます、この状況を私達は一体どうしたらいいのでしょうか。


 二人は笑いながらお互いの腕を振りかぶり全力で、握手をしました。


「はへ!?」


 てっきり殴り合いが始まってしまうのかと思ったら勢いよく握手ですか!?お陰で変な声が出てしまったじゃないですか、恥ずかしいです。


「アガレス兄さんは相変わらずだな」

「ガッハッハッ、そうは言うがロレンスこそ変わらんではないか」

「そんな事はない、王位を継ぎ政務に明け暮れる毎日だ、歳もとりかなり老いたよ」

「それを言うなら俺もだぞ」

「確かに歳はとったがアガレス兄さんはあまり見た目は変わってない、羨ましい」


 一気に緊張の糸が途切れ二人は仲良く話し出してしまいました、一体何が起きているのでしょう、回りは置いてきぼりです。


「そうだ、ロレンスに紹介しないとな、妻のエリンと娘のリアナだ」


 お父様に紹介されお母様が一歩前に出ます。


「ロレンス様お久しぶりにございます、エリン=ジュマです」

「もしや、あの時のお嬢さんか、立派になったな」


 どうやらお母様は以前人族の王様にお会いしたことがあるみたいです。


「デイステン国王陛下初めまして、リアナ=ジュマです」


 私も一歩前に出て自己紹介をします。


「おお、なんと!小さいのに立派な挨拶ができるのか、私はデイステン王国の王、ロレンス=デイステンだ。それにしても回りの教育がしっかりしているのだな」


 なんでしょうか、ただの挨拶なのにこんなにも驚かれるなんて、バカにされてる気がします。


「なんせ私が初めてアガレス兄さんに会った時の第一声は貴様のような貧弱な人族は仕方がないから俺の庇護かにいれてやる感謝しろだったからな」


 ・・・原因はお父様なのですね、恥ずかしいです、穴があるなら入りたいです。


 その後はパーティーや会議等が数日行われあっという間日にちが過ぎていきました。


 そして全ての業務が予定よりも早く片付きやることがなくなった日の事。


「さて、問題なく全て片付いたな」

「予め決めておいた事の確認のようなものだからな」

「では行くか」

「ああ」


 朝の食事の時に二人は笑いながらそう言いました。いったいどこに行くのでしょうか?


 よくわからないまま気付けば私達は庭園に来ていました、とても綺麗です。ここが目的地なのでしょうか?そう思っているとお父様が私を見ていることに気づきました。


「あの、お父様、どうかしましたか?」

「なに、今から俺達の弟分に会いに行くのだがな、ついでにリアナが憧れていると言っていたカレンにも会えるぞ」

「え!それは!?」

「では行くぞ」


 私が何かを聞く前に目の前で大きめの扉程の空間が歪みその中に全く違う景色が広がっていました。


 その中に皆が歩いて行きます、私も流れに添って着いていきました。


 沢山の人族がいる中で一番最初に私の目に映ったのは人族の男の子でした、なんでしょうか目が離せないしとても胸が熱くなります。


 そんな事を思っていると私の自己紹介の番になっていました。


「り、リアナ=ジュマでしゅ」


 か、噛みました、あまりの緊張で噛んでしまいました、は、恥ずかしすぎます。


 男の子は、ほ、微笑んでいます、なんて眩しい微笑みなのでしょう。


 場所を移動し部屋に案内されます、そこで改めて自己紹介をされました。


 男の子の名前はテンリ様、私が憧れているカレン様のご子息、それにここには他の十二聖天の方達まで、凄すぎです。


「テンリよ、うちのリアナと歳が一緒なんだ、まぁ仲良くしてやってくれ」

「はい」


 お父様ナイスです。


「リアナ様よろしくお願いします」

「は、はい、こちらこしょよろしくお願いいたしましゅ」


 な、ま、また噛んでしまいました、熱いです、顔も身体もとっても熱いです、どうしましょう恥ずかし過ぎて顔が上げれません。


 そして気付けば私はテンリ様の隣で歩いています、しかも二人っきりです、何ですかこの状況は!嫌なわけではないんです、むしろ嬉しいです、嬉し過ぎて死にそうです、このドキドキはこれはひょっとして、恋なのでしょうか?恋愛物の本を読みドキドキする事がありますがそんなものなど比べようがないほどドキドキします。


 ハッ、どうしましょう、気付けば無言で歩いています、な、何か話さなくては。


「あ、あのテンリ様は普段どのようにお過ごしなのですか?」

「そうですね、大半は部屋で読書です」

「読書ですか、私もよく本を読むんです」


 よ、良かった、共通の話題が見つかりました。


「私は今赤き戦乙女を読んでいるんです」

「赤き戦乙女ですか?」

「お知りになりませんか?有名なお話なのですが」

「書庫には物語の本があまり置いていないので」

「そうなのですか、では主役がどんな人物かも」

「わからないですね」


 な、なんて事でしょう、このお話を知らないなんて!


「どのような人物が主役なのですか?」

「この物語の主役はカレン様なのです」


 テンリ様は一瞬固まりました。


「あの、その人物は?」

「もちろんテンリ様のお母様です」


 本当に知らなかったのですね。


「他にもカロン様やタリア様の本や演劇等も多くあるのですよ私達が産まれる前はセバス様が有名だったそうです」

「そ、そうなのですか」

「はい、天から与えられる称号を持つ方達のお話はどんな大陸でも有名なのですがそのなかでカレン様のお話が一番有名だと思うのです」


 しかし物語の本を読まないとなると一体どのような本をお読みになるのでしょうか?


「テンリ様はどのような本をお読みになるんですか?」

「そうですね、薬学の本や魔法書ですね、今読んでいるのは冒険者ギルド専用の魔物ずかんです」

「難しい本を読んでいるのですね」


 な、なんて事でしょう、本と言うせっかく共通の話題が見付かったのに読んでいる物が全く違うなんて、ですが私は負けません。


 そうしてあっという間時間が過ぎてしまいました、楽しい時間とはなんて早く過ぎるのでしょう、もうテンリ様とお別れだなんて、そう思っていたら神託の義を聖都で一緒に受けることになりました、きっと女神様が私の願いを叶えてくださったのでしょう、この機会を逃さずにテンリ様を絶対に、ふふふっ。

 20,000PVを超えました。

 前から読んでくだっている方ありがとうございます。

 初めて読んでくださる方今後も読んで頂けると嬉しいです。

 次回はテンリ視点に戻ります、今後もよろしくお願いします。

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