第37話 修行が始まりました。
気がつけば部屋のベットで寝かされていた。
「ここはどこだ?」
「ん、起きたか、おはよう」
「えっと、おはようございます、あなたは?」
そこには白い髪を束ねたイケメン青年がいた。
「わしか、わしはクロード=フォースター」
クロード=フォースター、どこかで聞いたことがある名前だ、どこだったかな?
「えっとテンリ=エレノールです」
「ああ、ちゃんと知っておるぞ」
「そうなんですか?」
「そりゃ自分の孫だからな」
「孫?」
「そうじゃ」
「孫!」
俺はそこでぼんやりしていた頭が覚醒した。
「まったく、カリナは何も話しておらんのか」
「えっと」
「カリナはわしの妻でカレンは娘、テンリ、お主はわしの孫じゃ」
「あの」
「まぁゆっくり受け入れていけばよい」
俺のお爺様ことクロードは優しく笑う。
「お主のことはアトレイア様から聞いておる、前世の事やその前の事、何から何までの」
「それって」
「安心せい、どんな理由があろうと今は大事なわしの孫じゃ、カリナもカレンもちゃんと理解しておる」
カリナはいろいろ知っていそうな感じだったがまさかカレンも知っていたなんて!
「さて、今日からお主を鍛える訳なんだが、身体の調子はどうじゃ?」
「大丈夫です」
「そうか、では修行をする、前に飯にでもするかの」
俺は寝てる間に着替えさせられたであろう寝間着を脱ぎこれまた寝てる間に洗って乾かしてくれた服を着る。
すると何処からともなく肩に何かが飛び付く。
「ダム!」
肩に飛び乗ったのは放り投げられたダンジョンで唯一仲間になり俺の精神を支えてくれたダークスライムのダムだった。
「無事だったのか」
ダムは当然だとプルプル震える。
「おお、そのスライムな、危うくカリナが消滅させるところだったらしいぞ、テンリを守ろうと必死だったのに気付いて思い止まったらしい」
それは良かった、せっかく仲間になったのにあのままお別れなんて悲しいからな。
部屋を出てクロードの後ろについて歩く、寝かされていた部屋はどうやら二階だったらしく階段を下りていくととても良い香りが漂ってくる。
「お!起きたか、おはよう」
カリナはテーブルに食事を載せながら俺に挨拶をする。
「お、おはようございます」
いきなり攻撃を仕掛けてしまった事を思いだし少し気まずい、放り投げられ放置され詳しい話がないまま戦闘を繰り返してテンションがおかしくなっていたのだ、あれ?俺は悪くないな、すべてカリナが悪いじゃん。
俺の考えなど知るよしもなくカリナは俺に抱き付いてくる。
「さて、メシだメシ!」
カリナはとてもテンションが高いな。
「おいカリナ!ちゃんと運ばぬか!」
奥から怒鳴り声が聞こえたかと思うとピンク色の可愛らしいエプロンを身につけ皿を持ったヴォルデリアが姿を現した、似合わない、一体なぜ竜王である彼が可愛らしいエプロンで料理を運んでいるのだろうか?
「ん?小僧、起きたのか、なら手を洗って座れ、我の手料理をご馳走してやるから光栄に思え、クハハハッ、おいこらカレン摘まみ食いは許さんぞ!」
主婦、いや、主夫である、竜王の威厳が全く見られない。
俺はクロードを見た、ニコニコと笑っている、きっとこれはよくある光景なのだろうと無理矢理納得した。
俺は手を洗って椅子に座る、食事は朝から凄いボリュームだった、ステーキに焼き魚、煮物にスープにサラダ、それにパンと米だ、大皿にドンと乗っているのをヴォルデリアが丁寧に取り分けて配っていく。
「うむ、では食べようか」
クロードは皆に行き渡ったのを見てそう言う。
「「「「いただきます」」」」
そして食事が始まった、俺はとりあえずパンを一口食べる、するととてもふわふわで美味しい、取り分けられた料理を少しずつ口に運ぶ。
「おい、我の料理はどうだ?」
ヴォルデリアは俺に質問する。
「めちゃくちゃ美味しいです、こんなに美味しい料理は初めてたべました!」
俺はテンション高めで返事を返すとヴォルデリアは物凄い笑顔で頷く。
「よくわかっておる、どんどん食べるがいい」
そう言いながらどんどん取り分けて俺に渡してくる、そして俺はそれを全て平らげたのだった。
そして食後にお茶を飲み話をする、そこでお爺様であるクロードの名前に心当たりがあったのを思い出す。
「思い出しました、英雄クロード、かつてヴォルデリア様を倒したと言われ伝説やお伽噺、絵本にまでなった物語の主役の名前です!」
それを聞きヴォルデリアは少しムッとしていたが特に否定はしていなかった。
「あの頃の彼はヤンチャでね、よく国を回って遊んでいたんだよ、まぁ遊ぶ規模が国家滅亡なんて少々やり過ぎだよね」
国家の滅亡が少々で片付けられたら駄目なのではと思ったがとりあえず聞き流すことにした。
「カリナですら国を滅ぼす一歩手前で我慢していたのにね」
それもどうかと思うがそれも聞き流すことにした。
「まぁ彼とはいろいろあったけど今は仲良くしているんだよ」
クロードはとても簡単にまとめた。
「さて、ではそろそろ本題であるテンリの修行を始めようか、その前に今のステータスを見せてくれないか」
そう言えば自分のステータスの確認を洗礼の義以来していなかったな、今ここにいる人達には改竄したものを見せる必要がないのでありのままを見せることにした。
「わかりました、ステータスオープン」
そして今の俺のステータスがこちらだ。
名前:テンリ=エレノール
年齢:5歳
性別:男
種族:まだ人族?
称号:貴族の次男 転生者 神の使徒
HP:9400/9400
MP:13000/13000
攻撃:450
防御:390
魔力:500
敏捷:440
幸運:1170
技能:言語理解 アイテムボックス 神眼 全魔法修得可 全技術修得可 状態異常無効 技能開発
PS:まだ弱いからもっと頑張って修行しないとだね。
ステータスを授かって一年経っていないのにこの数値は異常な気がする、特に幸運が高いな、それに技能開発か、オリジナルで何かしらの技能が作れるようになったんだな。
それでもアトレイアからすれば弱いのか、まぁ神様と比べたらはるか格下ではあるのは仕方ない事だろうな。
種族に関してはノーコメントで。
「ふむ、ステータスはAランク以上のSランク未満くらいかの、まぁ三年程あればそこそこの実力は付くじゃろ」
クロードはそう言ってお茶を啜った。
「基礎はクロードがどうにかしてくれるだろうから私はひたすら戦闘経験を増やしてあげる」
カリナはそう言いながら俺に笑顔を向ける。
いったい今度は何処に放置されるのやら。
「ではまず身体から作っていくかな」
クロードが指を鳴らす、気づけば俺は何もない空間に立っていた。
「こ、ここわ?」
「ここはわしが作った亜空間じゃ」
後ろを振り向けばクロードが剣を抜いて立っていた。
「ではテンリ、今からお前の修行の始まりじゃ、なに、心配することはない、生きてさえいればどんな状態でも治してやるからの」
そう言ってクロードは剣を構え笑っていた。
生きてさえいればって、俺はこれからどうなってしまうのだろうか?不安を覚えながらもアイテムボックスからコクロウを取り出し構える。
「では始めるかの」
そして修行が始まった。
雨でじめじめします。
クーラーつけて気付いたら寝ていて風邪引きにならないように気をつけましょう。
読んでくださりありがとうございます、まだまだ続きますのでよろしくお願いします。




