第31話 クルウィルと話をしました。
「ふ~ん、これが魔王様の婚約者ね、見た限り何の力もないただのお子さまじゃない、なんでコクロウが認めたのかしらね?それにしても可愛い顔をしてるはね、魔王様が飽きたら私が貰おうかしら」
ベルディナは獲物を見るような目を向けてくる。
「フォフォ、ベルディナよ、それはちと失礼だぞ、こんななりでもコクロウに認められさらには魔王様の認めた婚約者だ、魔王様とていくら女神様の神託とは言え嫌ならばこの話を蹴っておる、例えこの世界が滅びようとな」
ゲルナが注意をするがさりげに俺を下に観ている言い方だ。
「確かにそうね、ならこの子には何かしろ感じるものがあったのでしょうね、そういう感的なものは魔王様優れているし、私は何も感じないけど」
物凄く上から目線で俺の話をしている、確かにこの二人からすればかなりの格下ではあるのだろうが失礼である。
そこでクロナに言われた神眼を使う事を思いだしステータスを覗く。
名前:ベルディナ=ベルテンシア
年齢:120歳
性別:女
種族:魔人族
称号:六天魔刻序列四位 冒険者Sランク
HP:14000/14000
MP:16500/16500
攻撃:800
防御:800
魔力:970
敏速:1000
幸運:1450
技能:闇魔法 無属性魔法 詠唱破棄 縮地 剣術 双剣術 格闘術 槍術 双槍術 盾術 棒術 魔功術 気功術 魔気混合術 状態異常無効
PS:修行大変だろうけど頑張ってね。
ベルディナは全体的にステータスが高い、技能を見ると近接戦闘がメインの戦い方のようだ、やはり天界から選ばれているのは伊達じゃないな。
名前:ゲルナ=デルゼスト
年齢:386歳
性別:男
種族:魔人族
称号:六天魔刻序列三位 執事 冒険者SSランク
HP:15000/15000
MP:16900/16900
攻撃:1000
防御:1000
魔力:1760
敏速:1060
幸運:1540
技能:火魔法 水魔法 風魔法 土魔法 闇魔法 雷魔法 氷魔法 植物魔法 無属性魔法 詠唱破棄 縮地 剣術 体術 槍術 盾術 棒術 弓術 魔功術 気功術 魔気混合術 状態異常無効
PS:取り敢えずの目標は十二聖天の序列一位だね。
ゲルナのステータスはベルディナを全て上回っている、さらには技能だ、近、中、長距離のどこでも戦えるなんて、これ反則じゃないか、これで六天魔刻の序列三位なのか。
そしてクロナの弟であり次期魔王のクルウィルを見る。
名前:クルウィル=メルテツシナ
年齢:94歳
性別:男
種族:魔人族
称号:六天魔刻序列二位 次期魔王
HP:13500/13500
MP:27000/27000
攻撃:990
防御:890
魔力:1980
敏速:875
幸運:1460
技能:火魔法 水魔法 風魔法 土魔法 闇魔法 雷魔法 氷魔法 植物魔法 無属性魔法 詠唱破棄 縮地 剣術 体術 槍術 盾術 棒術 弓術 魔功術 気功術 魔気混合術 状態異常無効
PS:修行の期間は取り敢えず2~3年くらいだと思うよ。
なるほど、修行の期間はそのくらいなのか。じゃなかった、さすが六天魔刻の序列二位、こちらも近、中、長距離とどこでも戦えるしステータスも高い、だけどゲルナの方が強そうな感じがするな、しかしMPと魔力は今まで見たなかでも一番だ。
それにしても魔人族は長命だと聞いていたが年齢が凄いな、これは下に見られても仕方ないのではないか。
ただそれよりも気になってしまったのがクロナの年齢だ、弟のクルウィルですら94歳、姉であるクロナはいったいいくつなのだろうか?見た目はただの可愛らしい少女なのに。しかもクロナは魔人族の頂点、逆らわないように気をつけないと死ぬかも。
「お前たちは私達に喧嘩でも売りに来たのか?」
俺がさりげに失礼な事を考えていたらクロナが不機嫌そうにクルウィル達を睨んだ。
「フォフォ、魔王様に喧嘩を売るはずがないではありませんか、そんな事をすれば我らなんぞ消し炭にされてしまいますからな」
ゲルナは笑いながらそう話す。
「そうよ、ただ魔王様が魔人族を捨ててまで嫁ぐ相手がどんなのか気になるじゃない」
ベルディナは茶化すような言い方をする。
「お前達姉上をあまり茶化すな、怒らせた姉上をこの場にいる誰も止めることなど出来ないのはわかっているだろうに。それと姉上、私はそこの少年、テンリ殿と二人で話がしたいのだが」
クルウィルは俺に視線を向ける。
「なんだ、この場では言えぬことか?」
「誰かに聞かれたくはない話です」
「クルウィル、お前はテンリに何かするつもりか?」
クルウィルは一瞬肩をビクッと震わせた。
「い、いえ、ただ話がしたいのです、なにせ私の義兄になる方なので二人で話してみたいと思うのは当然かと」
その言葉にピクッと反応し頷いた。
「そ、そうか、そうだな、義兄弟になるのだから当然だな」
うんうんと頷きながらクロナは俺を見る。
「テンリ、クルウィルと話をして貰って良いか?」
「もちろん構いませんよ」
「そうか、良かったなクルウィル、お前の義兄が話を聞いてくれるそうだぞ」
クロナは上機嫌でクルウィルを見た、クロナさん、ひょっとして貴女はチョロインなのですか?
俺達のそのやり取りをニヤニヤしながらゲルナとベルディナは見ていた。
「よろしければお部屋をご用意いたします」
アルナがそう話す。
「聖女様大丈夫です、しょう、テンリ殿、あちらのバルコニーの方でよろしいか?」
「わかりました」
俺達は軽く頭を下げバルコニーまで移動した。
「今さらだが改めて名乗ろう、私はメルテツシナ魔王国第一皇子、クルウィル=メルテツシナだ、この度は我が姉が迷惑をかけた」
クルウィルは深々と頭を下げた。
「クルウィル様頭を上げてください」
俺は驚きながら頭を上げるように話しクルウィルはゆっくりと頭を上げた。
「えっと、お話しと言うのは?」
「たいしたことではない、ただ姉上と婚約することになったテンリ殿と話してみたかったのだ」
「そうですか」
「ああ、しかしテンリ殿は本当に幼いのだな」
「まだ五歳になったばかりですから」
「そうか。テンリ殿は五歳で外見も幼い、だが中身が伴っていないように感じる」
なかなか鋭いな。
「失礼な言い方だが私的にはとてもちぐはぐな印象を受ける」
俺はどう答えていいかわからず苦笑いをする。
「気分を害したのならすまない」
「いえ、大丈夫ですよ」
「そうか」
「はい」
そこで会話が止まり無言になってしまった、何かしろの話題を考えているとクルウィルが話し始めた。
「姉上との婚約が決まった相手にこんなことを言わない方がいいのだろうが、正直な話し私は姉上が何を考えているのか全くわからんのだ」
いきなりだな。
「わからないとは?」
「姉上は魔人族の魔王だ、今まで婚約者候補は多くいたがその全てを断っていた、あまりにしつこい相手達には自ら乗り込み血祭りに上げていた」
うん、言わないで欲しかった話だ。
「そんな姉上が女神様からの神託で素直に婚約を認め魔王の立場を捨ててまで自ら嫁ぐのだ、しかもなぜか神託を受ける前に自らテンリ殿に接触して国宝であるコクロウを手渡している」
確かに、神託がある前にクロナが俺に接触するのはおかしな事だな。とはいえ本当の事を教えても信じてくれるかわからないしそもそも本当の事を話していいのかもわからない。
「それにテンリ殿も神託とは言えいきなり姉上と婚約したのにも関わらず余り驚いている様子はないように見えた」
「いえ、かなり驚きましたよ、ただ現実逃避していただけです」
確かに驚きはしたが予め結婚相手が複数人いることはアルナが匂わせていたし先程クロナにもまだいるであろう言い方をされているのでその事について受け入れる覚悟は出来ていた、ただこんなに早いとは予想していなかったが。
「そうか」
クルウィルは頷き苦笑いを浮かべた。
きっとこの人はアトレイアやクロナの被害者なのだろう、相談も連絡も報告もなく訳のわからないまま全てが決まり挙げ句最後は丸投げされるのだから。ただ俺としてはとても親近感が沸いた。
「姉上はあんななりだがテンリ殿よりも百以上離れている、それにかなり我が儘だ、正直心配でならない」
クロナと百以上年齢が離れているのは、うん、考えないようにしよう。
「えっと、クルウィル様、確かにいろいろと腑に落ちない事や心配事も多いと思います、正直俺自身もあまりの出来事に戸惑っています、ですがこの婚約はアトレイア様の御導きによるものです、きっと意味があることだと思います」
自分で言っておいてなんだが意味があることだとは思えないな。
「そ、そうか、なるほど、確かに神託でわざわざアトレイア様が告げる程だ、私では想像もつかない意味がある事なのだろう」
しかしクルウィルは頷いて納得した。
俺はそのままそれっぽいことを続けて話す。
「それにこれがきっかけでデイステン王国とメルテツシナ魔王国が友好同盟を結びました、初めはいろいろな問題もあるでしょうが人族や魔人族が手を取り合うことができればより良い世界が広がることでしょう」
「そうだな、今までは他国との干渉を余りしてこなかったが今後はいい関係が出来るだろう」
「はい」
とりあえずこんなところかな。
「それにしてもテンリ殿は見た目とは違い大人びているな」
「そうでしょうか?」
「そうだ、姉上を受け入れる心の深さはまさに大海原のようだ」
「いや、そこまでは」
「謙遜する必要はない、何せ婚約者候補達を血祭りに上げてからは一切婚約者候補は居なくなったからな、正直弟として姉上の事はかなり心配していたのだ、なのでテンリ殿には感謝している。ただ年齢や肝の据わり方には驚かされたがな」
そう言って笑うクルウィルはふと真面目な顔をする。
「改めてテンリ殿、姉上をよろしく頼む」
そう話し深々と頭を下げた。
「はい」
クルウィルと話を終えて中に戻った。
読んでくれる方が日々増えていくのがとても嬉しいです、今後も読んで頂ければありがたいです。




