第26話 内密に会談することが決まりました。
短いです。
コンコンとセバスが扉をノックする。
「カロン様、テンリ様をお連れしました」
「入れ」
カロンの声に従い俺とセバスは部屋の中に入る。そこにはカレンとタリア、そしてミルがいた。
「こんにちはミルさん、お久しぶりですね」
「お久しぶりっすねテンリ君」
「えっと、ミルさんが来たと言うことはメルテツシナ魔王国で何か分かった事があるからですか?」
「そうっすよ、どうやらテンリ君の持ってる剣、コクロウでしたっけ、あれはメルテツシナ魔王国の国宝で間違いないそうです」
ミルは断言した。
「そこまで断言できるなんて、どうやって情報を仕入れたんですか?」
「仕入れ先は秘密っす」
ミルは情報元を答えるつもりはないようだ、情報はお金になるしそう簡単に口を割っていいものでもないか。
「それでデイステン王国とメルテツシナ魔王国で近いうちに内密に会談をする事になったんすよ」
すでに会談をする話まで進めているとは、行動が速いな。
「それでコクロウを持っているテンリ君に同席して欲しいのと手にいれた時の経緯を魔人族側に説明してほしいんす」
「わかりました」
「助かるっす」
「日にちや会談場所は決まってるんですか?内密にとなると派手には動けないですよね」
「日にちは今調整中っす、ただ場所は聖都に決まったっす、あそこなら平等っすからね、魔人族側も了承してるっす、勿論教皇様にも話は通してあるっすよ」
聖都か、ついこないだ洗礼の義で行ったばかりだけどまたすぐに行くとは思はなかったな。ただ聖都に行くって事はアルナにまた会えるのか、それは楽しみだな。
「移動はどのようにするんですか?」
「内密に行う予定っすからお互いゲートを使うつもりっす」
「魔人族側にもゲートの使い手がいるんですか?」
「そうっすよ、しかも自分よりも実力ははるかに上っす」
十二聖天のミルより上の実力か、ならメルテツシナ魔王国の中で天界から選ばれた六天魔刻と呼ばれる者達が来るのは確実だな。
「十二聖天のミルさんよりも上の実力、六天魔刻の誰かが来るって事ですよね」
「まぁそうっすね」
「一体どんな人なんですか」
「う~ん、それなんすけどね」
ミルは言うべきか言わないべきか迷っている。
「ゲートを使って会談に来るのは、魔王様本人なんすよ」
「え!?」
魔王が直接来るの!外交官じゃなくて?しかも魔王って六天魔刻のトップじゃん!?そんな人が来るなんて、コクロウって思ってた以上に厄介な代物だな。
「もちろん魔王様以外にも何名か付き添いで来るっすよ、ただ魔王様が直接来るって事はそれだけ重要な事って意味っすからくれぐれも気をつけてくださいっす」
「わ、わかりました」
「それと自分達からはまず陛下が来ます、当然自分もいるっすよ、他には外交官としてドルイット=セルベール侯爵が来ることになっているっす」
「ドルイット=セルベール侯爵ですか?」
セルベール家ってかなりのやり手だけど身内贔屓が凄いって有名な家じゃなかったか、そんな癖のある人物を使って大丈夫なのだろうか?
そんな事を考えているとミルが苦笑いをしながら話を続ける。
「そんな顔をするって事はセルベール家の事をテンリ君も知っているみたいっすね」
「はい、噂程度ですけど、身内贔屓が凄い有名なんですよね」
「そうっすね、しかもセルベール家の当主の息子は以前カレンさんにベタ惚れしていたんすよ、それでカロンさんとカレンさんの結婚が決まった時にそれを潰そうといろいろちょっかいを出してきたんす」
「ちょ、大丈夫なんですか!?」
「今は大丈夫っすよ、当時セルベール家にキレたカレンさんとカレンさんの母親のお二人が物理的にも精神的にも容赦なく叩きましたから、その後はセルベール家がかなりの私財を結婚祝いにと差し出したそうっすよ。外交官の腕が優れていた事もあって陛下がセルベール家を潰さないようにお二人に頭を下げてなんとか生き残ったんす」
カロンを見たら目をそらしカレンはそんな事もあったと懐かしんでいた。
「それっていろいろ問題にならなかったんですか?」
「問題にしようとした貴族は全てカレンさんの母親に酷い目にあわされたそうっす」
「それってどんな事を・・・いえ、やっぱり聞かなくていいです」
ミルはまたも苦笑いを浮かべる。
「そんな事があったのでいまだにセルベール侯爵家の人達はエレノール家がと言うよりもカレンさんとカレンの母親が恐いんすよ、その子息であるテンリ君が関わってる問題でミスがあると次は何をされるか解らないので全力で今回の件に取り組んでくれるみたいっすよ」
祖母の話を皆がしたがらない理由の一つが分かった気がする、それにカレンも怒らせると後で酷い目にあうんだな。
「それと今回は護衛も踏まえてカロンさんとカレンさん、それにセバスさんにも来てもらうっす」
新旧の十二聖天が護衛って事はそれだけ魔人族側を警戒してるって事か、いつものメンバーって感じがするけど。あれそういえばタリアが入ってないな。
「タリア母様は?」
タリアを見ると首を左右におもいっきり降った。
「私は無理だよ、何かあっても足手まといになるだけだし、それにカロン君が居ないときの仕事を頼まれたから」
何かあってもらっては困るんだけどな。それに足手まといって、タリアも十二聖天の一人なのに。
「自分等のメンバーは今言った7人だけっす、交渉と護衛も兼ねた最小限の人数にしているっすよ」
「魔王国側はどれくらいの人数で来るんでしょうか?」
「内密にって話っすからね、ゲートで来ることや護衛と交渉役も合わせて十人以下にはすると思うんすけど、それに関してはまだわからないっすね」
日にちと相手の人数は未定でそれ以外はほぼ確定してるのか。
「とまぁそんなところっす、日にちなどを陛下やカロンさん達と話し合うっすから決まったらカロンさんからテンリ君に話があると思うっすよ」
「わかりました」
一度アトレイアに会いに行こう、困った時の神頼みだ。
「後はこちらで話をするからテンリは退室して大丈夫だ、決まったらまた伝える」
「わかりました、では失礼します」
カロンから退室の許可が出たので挨拶をして部屋をでた。
アトレイアには早めに相談したいな。
「善は急げと言いますし明日さっそく教会に行きますか」
俺は明日の予定を考えながら自分の部屋に向かった。
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