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第13話 迷宮に入りました。

編集しました。

 翌日の朝、テンリ達は屋敷の前でドリュサスから同行する兵士達の紹介を受ける、そこには男6人に女4人、合わせて10人の兵士達が並んでおりその中から筋肉質な中年の男が前に出た。


「この者が隊長のドリントンです」

「この度シュレフェットダンジョン大迷宮に同行させていただく隊長のドリントン並びに部下9名です」

「この者達は我が兵士達の中でも最も腕がたつもの達です」

「カロン様、セバス様と同行でき光栄です、本日はどうかよろしくお願いします!」

「「「「「「「「「よろしくお願いします!」」」」」」」」」


 兵士達と挨拶を交わしドリュサスと屋敷で別れシュレフェットダンジョン大迷宮に向かう。


 ダンジョン迷宮の入り口に進むみそこでドリュサスが懇意にしている冒険者達と合流した。


「今回同行してもらう夢を掴む者という冒険者パーティーの者達です」


 ドリントンはテンリ、カロン、セバスにそう紹介をする。


「初めまして、私はヒューラです、今日はよろしくお願いします」

「私はヴィレオです、こうしてお話しできるなんて夢のようです!」

「サリュアスです、本日は同行させていただきありがとうございます、勉強させて頂きます」

「エリュンです、このパーティーのリーダーをしています、まだまだ未熟ですが精一杯頑張ります」


 この夢を掴む者という冒険者パーティーはリーダーのエリュンが男性で後の3人は女性だ。


 テンリ、カロン、セバス、ソリュア、兵士達10人、そして冒険者パーティーの夢を掴む者が4人、この総勢18人が今からダンジョン迷宮に向かうメンバーだ。


 本来ここまでの人数は必要ないのだがテンリとソリュアの安全の為にこれだけの人数が集められた。


「父様、楽しくてワクワクします」

「そうか、だがその気持ちは最初だけだけかもしれないぞ、ダンジョン迷宮の中に入れば魔物が襲って来るからな」

「魔物は道中散々見たから大丈夫です」

「見たといっても離れた位置からだろう、それに兵士達が常に周りを警戒していた、だが今からはいつどこで魔物が襲ってくるかわからないし常に周りを警戒しておかなければならない、そのうえ魔物からの殺意を間近に感じる訳だから今までとは根本的に違うぞ」

「なるほど、気を引き締めなきゃいけませんね」

「そんな笑顔で言われてもな」


 カロンはため息をついた。


 ダンジョン迷宮の入り口にあるカウンターで手続きを済ませ階段を降りていく、階段を降りると広い空間に出た、この場にはテンリ達以外に4組み程のパーティーが荷物のチェックをしたり武器の手入れなどをしている。


「ドリントンさんと陣形の話しをしたんですが、まず俺達が先頭で進みます、その後ろに兵士4人、次がカロン様達、最後尾に6人の兵士という陣形の予定です、よろしいでしょうか?」


 エリュンの言葉に皆が同意する。


「あの、お願いがあるのですが」


 エリュンは真剣な目でカロンとセバスを見る。


「お願い?」

「いったいなんでしょうか?」

「戦い方の指導をしてもらいたいのです」

「ふむ、では僭越ながら私が見させていただきましょう」

「ほ、ホントですか!ありがとうございます!」


 エリュン達は余程嬉しいようで見るからにテンションが上がった。


「でしたら我々にもご指導頂けないでしょうか?」 

「よろしいですよ」


 ドリントンもここぞとばかりにセバスに頼みそれをあっさり了承してもらい兵士達の士気も上がる。


「「「「「「「「「「「「「「よろしくお願いします!」」」」」」」」」」」」」」


 14人もの人が一斉に大きな声を出したため周りにいた冒険者達は何事なのかと驚いた顔をしていた。


「ではそろそろ探索に向かいましょうか」


 セバスの言葉に皆が頷き広間の中央にある階段を降りていく。


 階段を降りきると少し薄暗くはあるものの壁に埋まっている石が光っていて思っていたよりも明るい。


 道を進んでいくといくつか分岐しており地図で確認しながら進む、すると夢を掴む者のパーティーが足を止めヒューラが小声で何かを話しエリュンが後ろを振り返る。


「この先に広めの空間があるのですが数対の魔物の気配を感知しました、どのようにしますか?」


 セバスはエリュンの言葉に少し考える。


「では2匹残して残りを殲滅してください、2匹の魔物は子供達に戦わせましょう」

「わかりました」


 セバスの言葉を聞きエリュン達夢を掴む者達は頷く。


 そのまま歩き広めの空間にでた、魔物達は大勢で出てきた俺達に気付き臨戦体勢をとろうとしたががそれよりも早く夢を掴む者のパーティーが動く、先制攻撃でサリュアスが弓を放ち1匹の頭を射抜く、驚いている魔物にエリュンが素早く近づき首を跳ねそれに気づいた2匹の魔物がエリュンに攻撃しようとしたがヴィレオの魔法でゴブリンが真っ二つに切り裂かれる、勝てないと判断し逃げ出そうとした2匹の魔物がヒューラの魔法で拘束される。


 魔物達は体勢がととなわないまま倒されアッという間に2匹の魔物を残して殲滅、とても洗礼された動きだ、これが若くしてBランクに届く実力があると言われている冒険者達の実力なのか、残りの2匹の魔物はどうにかして抜け出そうともがいているが魔法で拘束されてまったく抜け出せない。


「お見事です、一連の動きに無駄がありません」

「「「「ありがとうございます!」」」」


 セバスに褒められ夢を掴む者のメンバーは嬉しそうだ。


「さて、あれはなんの魔物かわかりますか?」

「はい、ゴブリンです!」


 セバスの質問にソリュアは食い付き気味に答える。


「正解です、では今からゴブリンと戦ってもらいますが、ソリュア様は何度か兵士の方や冒険者達とこちらに来られているそうですね」

「はい、家では毎日剣の訓練をしていますし迷宮で何度か魔物と戦いました!」

「それは素晴らしい、ではさっそく戦って見ますか?」

「はい、お願いします」

「危ないときはすぐに助けに行きます、相手は魔物の中でも弱いゴブリンですがある程度の知恵はあります油断はしないように」

「はい」


 ソリュアが剣と盾を構えたのを確認し1匹のゴブリンの拘束が解かれる、ゴブリンは周囲を警戒しているがソリュアが1人向かって来るのを見てニヤリと笑う、もともと持っていたのであろう地面に落ちていた棍棒を拾いゴブリンはソリュアに襲い掛かる。


「グギャー!」

「ふっ!えい!」


 めちゃくちゃに棍棒を振り回すゴブリンにソリュアは盾を使い上手くいなし隙あらば剣で切る、剣で切られたゴブリンは自分が不利とわかり後ろを振り返り逃げようとする。


「逃がしません!」


 無防備になったゴブリンの背中をソリュアは剣で切り倒れたゴブリンの首に剣を突き立てる、ソリュアは周りを一度見て剣を鞘にしまいナイフを取り出し素早くゴブリンの腹を切る、そしてその中に手を入れ何かを取り出し戻ってくる。


「ソリュア様、とても素晴らしいです」


 セバスはパチパチと手を叩く。


「ゴブリンとの戦いは盾を上手く使い隙を見て攻撃、しかも確実に相手の体力を削り焦って逃げようとした相手を素早く攻撃し最後に確実に止めを刺す、そこから周りの安全を確認し素早く魔石を取り出す、基本的なことではありますが実戦でこれをできるのはとても素晴らしい事です」

「セバス様、ありがとうございます!これも日頃訓練をしてくれている兵士の方達やいろいろ教えてくれている冒険者の方達のお陰です!」


 ソリュアはなんて良い子なんだろう、兵士達は涙を流し夢を掴む者のメンバーも実に嬉しそうだ。


「なるほど、ここまで来るときの兵士の動きや先程の夢を掴む者達の戦闘、皆とても優秀で言うことがありませんね」


 セバスに褒められ皆がやりきった顔をしている。


「さて、それではテンリ様、今からゴブリンと戦ってもらうのですが、今ソリュア様の戦いを見ていただいた通り守りと攻めを上手く使い相手を倒します、とは言え戦闘訓練など一切受けていないのでけっして無理はしないように」

「はい」


 確かに戦闘訓練は受けていない、ただしそれはこの世界に転生してからであり前世では戦闘訓練をきちんと受けている、素手での戦闘はもちろん短剣から長剣、槍や弓それ以外にも銃器等その他にもいろいろ教わっている、得意不得意はあるけど。


 一つ問題があるとすれば今この身体がどこまで何が出来るかわからないことである、普段の生活やステータスを見聞きした限りでは問題はないと思う、ソリュアとゴブリンの戦闘をみた限りこのゴブリンでどこまで動けるか試してみるにはちょうど良いだろう。


 テンリは前に出て剣を構える。


「あ、あの、テンリ君は戦闘訓練を受けたことないのですか!?そのまま実戦は危険なのではないですか?」


 おろおろととても心配そうにテンリを見るソリュア。


「テンリ様だけでは大丈夫ではないでしょうな」

「え!」

「ですがせっかくの機会ですし始めに魔物の恐さを体験しておいた方が今後訓練をするときに必死に取り込んでくれることでしょう、ではヒューラさんゴブリンの拘束を解いてください」

「あ、あの、本当に拘束を解いて大丈夫ですか?」

「大丈夫ですよ、何かある前に私が動きますので」

「わ、わかりました」


 ヒューラはゴブリンの拘束を解く。


「ギャ!ギャ!」


 拘束を解かれたゴブリンは棍棒を両手に拾う、しかしすぐに襲い掛かっては来ず距離を取っている、先程ソリュアにやられたゴブリンを見ていたので警戒しているのだろう。


 ゴブリンは周りを警戒しているだけで一向に掛かって来ない、さすがにこのままではらちがあかないので自分からゴブリンに向かって行く、するとゴブリンは棍棒を振り回し突撃してきた、何度か剣を振り盾で棍棒を受け流す、焦ったゴブリンは力任せに棍棒を振り抜く、俺は盾を前に出すがゴブリンの凪ぎ払った棍棒で盾が吹き飛ぶ、更に追い討ちをかけるようにもう片方の棍棒で剣を吹き飛ばされた。


「テンリ君!」


 テンリが無防備になった事でソリュアは叫ぶ。


 その様子を見てゴブリンはニヤリと笑う。


「グギャギャ、ギャ!?」


 ゴブリンは笑いながら両手に持つ棍棒をテンリめがけ振り下ろすがそれを横にずれてよける、テンリがよけたことにより棍棒が思い切り地面に叩きつけられゴブリンは体勢を崩し前のめりになる、すかさずゴブリンの足を払いそのまま転ばせる、転んだ拍子にゴブリンが棍棒を手放したのでそれを手の届かない範囲に蹴り飛ばしておく。


 ゴブリンは急いで起き上がり今度は素手でがむしゃらに向かってきた、殴る蹴る等の攻撃をしてきたがそれをかわしたりいなしたり、たまに軽く反撃したりと数分の間それを繰り返す。


「よし、もう十分だね」


 十分身体動を動かし自分がどこまで動けるか把握ができた、想像以上に身体が動く。


 俺はアイテムボックスから聖都で手に入れた一本の剣を取り出しそれを鞘から抜く、その際身体から何かが抜ける感覚がしたが特に問題はないようだ、刀身が黒くそれでいてとても綺麗な剣、クロだ。


 俺はゴブリンに駆け寄りすれ違い様に首をはねた。 


「よし、これで終わりですね」


 ソリュアがしていたようにゴブリンの腹を切り魔石を取り出す。


「こんな感じで良かったですか?って、どうかしました?」


 周りが驚いた顔で俺を見ていた。


「いえ、初めての実戦でしたし正直あれほどの動きができ勝てるとは思いませんでした」


 セバスの言葉になるほどと頷く、確かに戦闘訓練など一切していない者では無理な話だ。


「いつの間にあのような」

「えーと、先程ソリュア君の動きを見ていましたし、後本で得た知識を実戦してみたら、出来ました」


 さすがに前世の知識や技術ですとは言えない、苦し紛れの言い訳をする。


「そうですか、しかし初めてであれほど動けるとは、初めて命のやり取りをする時自身の能力が高くても緊張で普段の動きができない事のが多いものですが、いえあの方達の血を引いておられるのだから常識で考えるのが間違いでしたな」


 セバスは一人頷き納得した。


「なぁセバス」

「カロン様、何も言う必要はございません、何せ私の師やカレン様の血筋です」

「私の息子でもあるんだが」

「そのお陰でまだ非常識になっておりません」

「まだ、か」

「まだです」

 ついに迷宮に入りました。


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