表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
碩学の無能力者  作者: 髙津 央
10章.碩学の無能力者

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

71/95

71.不可視

 魔法戦士は、もう一方の手を腕環に添えて、小声で何か呟いた。


 「魔力で使用する場合は、呼ばない限り出てこないようですね」

 魔法戦士に言われて、初めて気付いた。


 俺が体力モードで使った時は、着けただけで出て来たんだった。それに、もう何日も、デーレヴォに会っていない。


 「腕環本体に見えない盾の術を掛けました。合言葉を言えば、一度だけ攻撃を防ぐ見えない盾が展開します。大きさは、腕環を中心とした……この机の天板程度で、形は円形です」


 ベッドの脇に置かれた丸テーブルは、開いた折り畳み傘より一回り小さい。


 「合言葉は、この腕環の動力を、体力から魔力に切り替える言葉と、同じにしました」


 俺が魔法戦士の説明に頷くと、先生は、ぐずぐず言って甘える黒猫を撫でながら、釘を刺した。

 「今夜は病み上がりだから、腕環を使わずに寝て、明日以降も使い過ぎないように」


 巴の父ちゃんが、車で公園の東口まで送ってくれた。

 車内では、他愛ない世間話をしてくれて、かなり緊張がほぐれた。


 他所の家には既に灯が点り、どこからかカレーの匂いも漂ってきた。風呂場で反響する子供の楽しそうな声が、通りに漏れ聞こえてくる。

 犬の散歩、ジョギング、塾や学校や買い物、仕事から帰る人たちとすれ違う。


 みんな、それぞれ帰る家がある。


 ウチみたいに、家族が敵で家庭が戦場って、他にもあるのかな?

 あるから、探偵とか弁護士とか裁判所とか制度があるんだよな。


 我が家には、まだ灯が点っていなかった。

 自室に戻り、腕環を鞄の底に隠す。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
用語は、大体ここで説明しています。

野茨の環シリーズ 設定資料(図やイラスト、地図も掲載)
地図などは「野茨の環シリーズ 設定資料『用語解説17.日之本帝国』
【関連が強い話】
野茨の血族」 巴君のその後。
虚ろな器」 高校生になった友田君が登場。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ