41.朝寝坊
作戦開始四日目の木曜。
姉ちゃんに起こされるまで、全く目が覚めなかった。
目覚ましはどうした……
時計を見て跳ね起きる。ギリギリだ。
姉ちゃんは「腕環とお弁当、鞄に入れといたよ。じゃ、戸締りよろしく」と、先に出た。
俺も制服に着替え、すっかり冷めた珈琲で食パンを流し込み、家を飛び出した。
予鈴一分前に着席。
授業中、起きているだけで精一杯だった。いや、ちょっと寝てしまった。頭がガクッとなって、足がビクッとなった。ダメ過ぎる。
意識して背筋を伸ばし、黒板に注目する。
先生の声が右から左に抜け、頭に入らない。
昼休み、弁当を五分で飲み下して、後は寝て過ごした。
体育のない日でよかった。
そう言えば、ここ何日か筋トレしてない。そんな気力も体力も、残っていなかった。
寝てるのか、起きてるのか、よくわからないまま、ふらふら家に帰る。
横になると、そのまま明日の朝まで寝てしまいそうなので、気合いを入れて家事をする。
体を動かしていると、少し目が覚めてきた。
その勢いのまま、衣裳部屋でバッグ類を撮る。残りは化粧品とアクセサリー。これは明日以降にしよう。
デーレヴォに会いたい。でも、それ以上に眠い。
結局、睡魔に負けて、布団に潜り込んでしまった。
暗い部屋で目が覚めた。ぼんやり明るい。寝返りを打つ。
光源はノーパソの画面だった。
22時56分。
プリンタが次々と紙を吐き出している。
姉ちゃんの姿はない。
俺の机にラップの掛かった皿が載っていた。
海老フライとオムライスとサラダ。スプーンとフォークも皿の中にある。
ディスプレイに給紙のエラーメッセージが表示された。
プリンタにA4用紙を補充する。
皿の下にメモが挟んであるのに気付いた。
晩ごはん
姉ちゃんの字だ。
そっか、寝てて遅くなったから、オカンたちに食い荒らされないように、部屋に持って来てくれたんだ。
やっと思考が働きだした。
晩飯を口に運んでいると、階下からドライヤーの音が聞こえてきた。
姉ちゃん、風呂か。




