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第3話 実験施設

 目を覚ますと、知らない天井があった。


 いや、天井と呼べるほど立派なものではない。


 薄暗い石造りの部屋。


 鼻をつく異臭。


 錆びた鉄格子。


 そして、どこからともなく聞こえてくる子供たちの泣き声。


「ここは……どこ?」


 一歳のアレンには何も分からない。


 泣きながら母を探しても、返事はない。


 やがて鉄の扉が開き、黒いローブをまとった男が入ってきた。


「今日からここがお前の家だ。」


 冷たい声だった。


 男は泣く子供たちを一瞥すると、小さく笑う。


「生き残れたら、な。」


 その言葉の意味を、アレンはまだ知らない。


 食事は腐りかけたパンと濁った水。


 眠る場所は冷たい石の床。


 毎日のように子供が一人、また一人と姿を消していく。


 そして数日後。


 白衣を着た男たちが現れた。


「次は、この子だ。」


 指を差されたのは――アレンだった。

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