二人組
裏神様の仕事を手伝い始めてから一ヵ月が経過した六月の半ば。樹は双子を連れ、病院へと向かった。と言うのも、露木が二泊三日の検査入院をすることになったので、そのお見舞いにきたという訳だ。本人は「もう大丈夫なんだけどなぁ」と言っていたが。
病院に到着し、中に入ろうとした時、どこからか視線を感じた樹はその視線を感じた方へと目をやると、そこには学ラン姿にサラシを巻いて、下駄を履いた今どき珍しいバンカラ姿の男とその横に眼鏡をかけた執事姿の男が立っていた。樹は変な男達だなと思いながらも病院に足を踏み入れた。
病院の中に入り、看護師に露木が入院している病室を聞いて、露木の病室へと向かった。すると、その道中那由果が何かを思い出したかのように口を開いた。
「そう言えばさ、手ぶらでよかったの?
お兄ちゃんの時は果物持ってきてもらったんでしょ? 今更、果物は買いに行けないけど売店で何か買った方がいいんじゃない?」
すっかり忘れていた。と言った表情を樹は浮かべた。その表情を見た那由果はため息をついた。
「はぁ、やっぱりね。途中で気付かなかった私たちも悪いけど、お兄ちゃんも相当やばいよ。
じゃあ、とりあえず売店に戻ろう。あっ、ゆかちゃんは先に行っててよ」
「分かりました。ある程度時間は稼ぎますが、早く戻ってきてくださいよ」
てっきり那由多も一緒に行くと思っていたが、別々に行動することになった。
売店に入ると、おもむろに那由果が話しかけてきた。裏神様として。
「おい、お前。さっき病院に入る時に二人組が目に入らんかったか?
「見ましたけど。
ていうか、急に現れてどうしたんですか?」
「お前がさっき見た二人組は神様とその使いでな。
言うならば妾達と同じという訳じゃ」
「そうだったんですね。
それが俺らに何か関係があるんですか?」
「それは分からない。
関係があるかもしれないし、関係がないかもしれん。
まぁ、頭の片隅に入れておけ、要件はそれだけじゃ。妾は寝る」
裏神様はそう言って那由果の中から出ていった。裏神様が抜けた那由果は樹の顔を見ると不思議そうな顔をした。
「何? 那由果の顔をじっと見つめて。
何か付いてる?」
「い、いや、別に何もついてないよ。
露木が待っているから早く買い物を済ませようか」
二人は売店で適当な品物を買って露木がいる病室へと向かった。




