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4 なぜ・・・
私は、連日の警察やマスコミに攻勢を受けて、ぼろぼろになっていた。
「くくく・・・
彼は僕に、「お家事情」を話してくれたよ。」
柚子原君は、説明する。
「彼の家はもともと、大名だったそうだ。
家臣とのつながりを強くするため、その家の娘を養女にし、次期当主と共に育て婚姻を結んだという。
やがて、廃藩置県などで、大名でなくなってからは、孤児を引き取り、次期後継者の配偶者としてきたらしい。」
「それが何か?」
「彼の兄は、義姉を娶り、次期当主になることを定められていた。
彼は、兄の「監視役」を父に命じられ、兄と義姉が「肉体関係」に至るようになるまで「監視」していた。
やがて、父はそうなったとき、二人を呼び出し、兄を留学させることにした。」
「やっぱり、引き離すためじゃない!」
「そう言ってしまえば、君は彼の死を冒涜することになる。
彼の父は、兄を言わば義姉にふさわしい、なおかつ当主の帝王学のためのいわば「修行の旅」に出したかったのさ。
しかし、斜めの勘違いをした二人は、出奔したという訳だ。」
「じゃあ・・・」
「彼は、あくまで次期当主の補佐という立場を誇示していた。
だからなのさ。
ああいうことになったのは・・・」
私は愕然とした。




