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愛を拒んだ人  作者: SHIN
3/7

3 榊原家では

榊原家・・・

それは、日本有数の財閥の主家である。

現在、榊原財閥の総帥をしている。

「お前が帰って来ても、家に居場所なぞないわ!

榊原家に、事実上の相続人はおらん!」

当主・榊原幸則は、顔を出した長男・光希に、怒鳴り付けた。

「元来、ワシは早恵とお前を許嫁にする気だった。

ちょうどいいので、お前に次期当主の修行の締めとして、海外留学をし、帰国の暁に、結婚を命じようとしたのじゃ!早合点してからに!」

「それが章と、どういう関係が!」

「あやつは、愚直なまでにお前たちを慕っておったわ!

あやつの夢は、「次期当主補佐」じゃ!

それしか考えておらんかったのよ!

もっとも、あやつが自殺しようが生きていようが、同じだが…」

光希の表情が、変わった。

「だったら、あの時点で章に・・・!」

しかし、幸則は、首を左右にふる。

「あの年で、相続権をまるごと、放棄しおったわ!

この家を潰したのは、お前らよ!」

光希には、ここにきた理由があった。

「子供がいるんだ・・・!

手術費がいる!」

光希は、食い下がった。

幸則は、小切手帳を取り出す。

「好きな金額を書け!」

光希は、必要ギリギリの金額を書き込んだ。

「フン!」

幸則は、小切手帳をひったくり、上から更に書き込む。

「えっ!?」

光希は驚く。

自分の書き込んだ金額の十倍・・・

「釣りはいらん!

残りは貯金なり、事業の立ち上げに使うなりしろ。

だが、それだけだ!」

光希は、頭を深々と下げた。

「どうせ、ワシの死んだ後、会社の権限は現社長を会長に昇格し、譲渡。

資産は売却の上、慈善団体に寄付という手はずになっている。

これが、認めてやろうとした親を裏切った報いよ!」



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