2/7
2 彼が愛を嫌う訳
桜崎祐実・・・
それが私の名だ。
次の日・・・
彼の葬儀の帰り・・・
私に、一人の男子生徒が近づいてきた。
「渚君・・・」
「あいつ・・・
心を唯一許していた君にも「裏切られた」んだな・・・」
「え?」
「君にも言ってなかったが、あいつは、駆け落ちした兄と義姉がいたらしい。」
男子・・・
柚子原渚・・・
彼は、あの人・榊原章の「最後の」親友だ。
「兄と義姉は、家族に隠れて男女の関係になっていたらしい。」
「・・・・・・」
「それが発覚したとき、父は三年の海外留学を言い渡した。」
「それって、二人を引き離すため?」
「誤解だ。
父は、兄に「それが終わって帰ってくれば、関係を認め両者を跡取りにする。」と言い渡した。
しかし、言い終わるまで待てず、彼らは駆け落ちしてしまった。
章は、兄の補佐をするのが夢だった。
それを「なし」にされてしまったため、「恋愛拒否症」になってしまったのさ。
まあオレは、最初から知っていたからな・・・
恋愛関連で話をしない奴らを、奴が「友人」として男女関わりなく接してきたことをな・・・」
「じゃあ・・・
章君の友達が、時を追うごとに減っていったのは・・・」
「そうだ。
知らぬこととはいえ、あいつの心に塩を摺りこんでいたからだ。
君のことは、奴が楽しそうに話していた。
「こいつとは、うまくやっていける。」ってな・・・」




