インゲン豆とライ豆とルパン豆とマカ
さて、色々考えているものの、最近は食糧事情の改善アイデアに詰まってます。
「うーん、食糧事情改善に使う作物のメインはトウモロコシ、そしてペラグラを防ぐためにピーナッツを栽培するとして……ピーナッツの食べ過ぎは脂質過剰になりうるから、それを補助する植物性タンパク源がほしいですね」
日本であれば大豆というバランスの良い豆があるのですが……そういえばアメリカ大陸原産のマメで世界中に利用が広まったものがありました。
その一つがインゲン豆ですね。
今までのヨーロッパではソラ豆とエンドウ豆の利用が多く、特にソラ豆はよく食べられているのですがヨーロッパの人間は遺伝的にソラ豆での食中毒を起こしやすいという問題もあります。
エンドウ豆は毒性は低いですが、この頃のものは身が小さくてたんぱく質の供給源としては少々不足です。
現代であればグリーンピースや絹さやのようなサヤエンドウなどは様々な料理に使われていますが、青臭いにおいが苦手という人も多いでしょう。
ちなみに豆苗は一種のもやしでエンドウ豆の若芽ですね。
ソラ豆とエンドウ豆はどちらかといえば冷涼な気候を好みますからヨーロッパでの栽培にあっていたのでしょう。
ヒヨコ豆やレンズ豆はインドから中近東ではよく食べられていますが、ヨーロッパではソラ豆とエンドウ豆ほどには食べられていないのは栽培条件として気候的に合わないからでしょうか。
これらの豆類は小麦や大麦同様に本来の原産地はレバント、東部地中海沿岸地方のシリア、レバノン、イスラエル、ヨルダンあたりですからね。
それを補える豆としてアメリカ大陸原産のインゲン豆やライ豆は世界中で栽培が広がったんでしたっけ。
特にインゲン豆は育てやすく食べやすい作物として栽培され、ソラマメ中毒にならない健康に良い豆として受け入れられていたはずです。
21世紀においてはマメ類では最も生産量が多い品種で、エンドウ豆のように完熟した豆を利用する以外にも若い鞘ごと食べることもよく行われます。
そしてタンパク質や食物繊維が豊富でピーナッチや大豆に比べると脂肪分は少ないですね。
ライ豆は香りが弱めのソラマメに似た豆でヨーロッパや南米などを中心に世界中で食べられている豆です。
日本においては輸入が厳しく制限されていることもあってドマイナーですけどね。
アメリカ大陸原産で有用視されている豆にはルパン豆の一種であるタルウィがありますね。
ルパン豆自体は、地中海で、2000年前もの昔からスナックや料理の材料として食されて来た歴史の長い食材ではあるのですが、これまた日本ではマイナーだったりします。
ルパン豆は地球上のあらゆる植物の中でカロリーあたりのタンパク質がもっとも高く、カロリーあたりの食物繊維もトップクラス。
低脂肪、低炭水化物、低GIでもあります。
ただタルウィには苦味があり、これはタルウィに含まれるアルカロイドが原因です。
このアルカロイドを除去するために、数日間水に浸す必要があるのが欠点です。
いずれにせよインゲン豆やライ豆、ルパン豆などを高タンパク、低炭水化物、低脂肪の食品として落花生と一種に育てるのは良さそうな気がします。
南米原産で現地では主食として重要な存在にはキヌアとアマランサスもあるのですが、これはキビやソバからトウモロコシに置き換えるほどのメリットはない気がします
またアメリカ原産で21世紀ごろ突然に脚光浴びたのがマカですね。
マカにはホルモンバランスを整えて更年期障害やストレスからくる若年性更年期障害を改善したり、性欲や生殖能力を高める効果があると研究結果が出ていたはずです。
しかしマカは害虫が非常につきやすい上に土壌の栄養素を満遍なく吸い取るため、一度マカを栽培した土地は数年間不毛になるといわれ、マカを栽培した土地はその後5~10年間は農作物の栽培が難しくなるため、無理して栽培する必要はないですね。
今回はアメリカ原産の豆でした。
おまけにキヌアとアマランサス、マカもいっしょに紹介しておきます。