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2-2教育係の王子様系警備員

前のトラックが退出手続きして、僕は入構手続き。


警備室には教育係の警備員、保原やすはらさん【仮名】がいた。

背は間違いなく新人君(宮下君)より全然高い。上から見下ろすその目にゾクリとする(イケメンに冷たい目でみられる)。

手続きは淡々と済ませ、トラックで中へ行き納品。

先週の宮下君との勝負があり、その教育係の彼はどんな力なんだろうと思っていた。


そんななか、平日は頻繁にトラックが行き交うここも今日はひっそり。

先週で味をしめてしまったワタシは、今日も試しに聞いてみようと決意した。


私「(退出手続きも済ませ)えっと、何かちょっと時間あるので腕相撲してみません?」

保原「ん? オレですか?」

私「えぇ、何か腕見たら強そうなのでやってみようかなと(半分ウソ(笑))」

保原「え? 仕事中だけど……まあ良いですけど」


と、僕がアクリル板の中に腕を入れたらビックリしていた。

保原「あぁ、そこから。……オレで良いんですか?」

私「全然大丈夫、よし、試しにやってみようか」


右手を組んで、保原さんの細めの指と組んでみる。

保原「大丈夫ですか?準備は」

私「はい、じゃあ…レディー……Go!!」


瞬間、こちらが有利に傾いた。

そのまま、保原さんから力を喰らったけど膠着状態。

保原さんは上半身こちらに近づいて顔はアクリル板挟んで目の前。

力瘤が予想外に丸いボールが入ってる位盛り上がってて必死に力を入れてるのが判るが、前腕は細めのまま。

上半身は横幅も厚みも無いのでスタイルの良い感じだけでそこから圧力をかけて来れない感じ。


すると、膠着状態を変えるためか、重心を引き、下半身に力を入れて耐え始めた。

ただ、腕は伸びてるので、保原さんの勝ちに繋がらないみたいだ。

下半身のガッチリさで耐えてる体勢になったが、やはりなまっちょろい色白の細めの前腕自体が少し弱点っぽい。


オジサン、頑張ります。


私「んー!」

グッと力を入れると、ワタシが保原さんの腕を倒し始めた。

保原さん、必死に中腰になって下半身から力をかけているが、スゴい力瘤の塊も徐々に倒されていき、諦めてくれた。


保原「うわ、負けました、強すぎです」

ちょっとしんみりしてるので、気を遣いながら、

私「ちなみに左もしてみますか? 利き腕じゃないから僕も弱いですよ」

保原「やる前から結果が分かりそうですが、やりますか」


意外に乗ってくれて、もう一度対戦することに。

保原さん、左腕をバシバシ叩いて朱くなってますけど、気合いいれてます。


左腕を受付に入れて、保原さんと組み合う。

保原「ほら、(右人差し指で差しながら)腕の太さ違うから」

ワタシの前腕を差しながら笑って言う保原さん。

私「(一回手を離して)保原さんのここの筋肉怖いです」

と、力瘤を僕は指でつついてみた。

保原「少しは鍛えてるんですけど、全然意味ないじゃないですか(笑)、腕の太さ全然違う……」


いや、力瘤はそっちがスゴいンだけど、保原さんには前腕に肉が付きにくいのかな?と人それぞれの課題も見ながら、また、手を組んだ。


私「よし、行こう。レディー……Go!!」


保原さんがフライング気味にけしかけてきたが、力を込めて防ぎそのまま入れ返すと、保原さんの腕は一気に倒れて瞬殺出来た。

予想外だった。


保原「いや、強いです。全然敵わないです」


ちょっと王子様を倒せてポッと高揚感もある中、


私「いや、予想外に勝ててしまった。何かごめんね」

そこで、思い出したのが、宮下君との会話。

私「そう言えば宮下さんともやってみた事あるけど、彼強いよ。宮下さんは保原さんが趣味筋トレみたいだから絶対強いですって言ってたよ」

保原「え? あいつ、強いんですか?」

私「僕は右は負けて、左は引分けだった。……あれだ、腕相撲勝負挑まれたら逃げとこう(笑) 警備員の先輩としての立場的に(笑)」

保原「まじですか!?(本当に驚いてた)あいつ細いから弱いと思ってました」

私「僕から見ると、保原さんより上半身力あるよ。力入れた時腕の太さ保原さんより全然太くなってたよ。血管バッキバキで怖かったわ」

保原「まじですか。やばいなぁ、でも先に分かってて少しは良かったです、ありがとうございます」


いや、宮下君の邪魔しちゃったかな? 先輩後輩下克上もありっちゃありだし。

私「でも、宮下君はめっちゃ体重掛けてきてすごかったから、意外とやり方次第で保原さんが勝つかも知れないし」

保原「いや、まあ少し鍛えておきます」

私「そう言えば、保原さん身長体重どのくらいですか?」

保原「私ですか?185cm72kgです」

私「やっぱりその下半身スゴいから体重ありますね」

保原「あ、サッカーとかフットサルでこんななってしまいました(笑)その代わりなのか上に筋肉付かなくておかしいでしょ(笑)」

私「いや、確かに上は細いと言うか普通…いや細いね(笑)」

保原「いや、正直すぎますって、何故かこの力瘤だけでかいんですけどね、○○さんショックです(笑)」


あ、王子様に名前呼ばれた。入構手続きで名前書いてるから分かってるね。


私「ちなみに、ワタシは170cm63kgだから。まさか勝てると思ってなくて嬉しかったですよ、あ、時間が!!じゃあまた」


保原「マジっすか、めちゃ軽の人に負けた。。。お疲れッス」


ちょっとショックっぽかったが、時間が押しててフォロー出来ず。


でも、保原さんには相撲なら絶対負けるわ(笑)

いつか、想像だけでもしてみたいと思った。

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