表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/88

#51 絵里ちゃんの引っ越し

 対峙せよ。


 ◆


「あの阿呆の目を覚まさてやろうじゃんか」

 入江が舌なめずりをする。

『貴方たちが闘う理由なんて、どこにもないじゃあないではありませんか』

 ボロボロになりながら起き上がろうとする彼に、

「いいから、そこで高みの見物でもしてろってんだよ!」

『し、しかし…』

「んでよォ。俺が勝ったら、手前の正体を教えろってんだ‼」


 ブワアァーー~~~~~~~~~~~ッッ!


 入江が上がっていく。

「マンガ見てェだな! こんなこたァ出来るなんざよォ~~!」

「うん。本当に、ね」

「小林~~手前~~ッッ!」


 入江が牙を剥く。

「覚悟しやがれってんだ‼」


 バシュ! シュボ、シュボー…‼


「本当に、感情で動く子だね」

 絵里が苦笑する。

「そんなんじゃ、この先りっちゃんと居られないよ? 早死にしちゃうんじゃないかなぁ~~」

「?? りっちゃん?? りっちゃーー!? ぁ゛」


 入江の攻撃が止まった。

 何かに気付いた。


 それは。


「手前は、誰だーー…??」

「あはは~~ようやく、私に気づいたの? 全く、馬鹿だねぇ~~」

「小林、なのか??」

「うん。まぁね~~」


 胸がざわつく。

 何だ、この感覚は。


「さ。帰ろう」

 にこやかに、絵里が手を伸ばす。

「嫌だね」

「…何で、かな??」

「手前が胡散臭せェからだよ‼」


 顔の正面から、矢を放った。

 それは直撃をした、はずだったのに。


「まぁったく! 聞き分けない鹿だね‼」


 な、ん、だァ~~??


 入江は頭が混乱する。


「おい! こいつは貰っていく! また、目の前に現れたら、そのときは容赦なくーーお前を抹殺する!」


 ガバ!


「ぅ゛お゛!? おい、っちょい゛‼」


 絵里が入江に抱きつき、肩に担いだ。

「うっさい。この馬鹿、が」

 ジタバタする入江の首を叩き、意識を失わせた。


 ◆


 パチ!


「うおーー…っと。あ゛??」


 また、見慣れた天井がある。


「おい。ったく、世話をーー…」

 小林の顔を見た瞬間、入江は殴り飛ばしていた。

 聞くよりも先に、拳が飛んでしまった。


「!? 出口! 落ち着けって!?」

 慌てて五十嵐が入江の身体に巻きつく。

「だって、だってーーあの阿呆、はッッ‼」

「そいつは小林さんじゃない、小林さんなんだってっつ~~の!」


「っはァ??」


 入江が不可解な顔をする。

 そして、起き上がる小林を見た。


「『…阿呆は、どっちなんだろうなぁ~~』」

 小林の口から絵里の声が吐かれる。

「『再教育をしようか?』」


「手前に教育された覚えなんざねェんだよ!」

 五十嵐に抑えられたまま、威勢よく入江も吐く。

「『ったく。恩を仇で返す、こんな阿呆のどこがいいんだが!』」


 ちゅ。


 絵里が口づけをする。


 すると、小林の身体がよろけ尻から床に落ちてしまう。


「え、絵里ちゃ、ん??」

 小林が目を丸くさせた。


 そう。


 小林の中の絵里ちゃんが消えた。


 いや、宿主を変えたのだ。

 入江出口に。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ