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#42 メジロと入江

刺激的で過激的なこの世界。


 ◆


 薔薇のアーチを通っていたときに入江が倒れてしまい、通りかかった獣人メジロに助けてもらった。


「馬鹿だべさ。あでな場所にいるなんて!」

 そうメジロが入江を介抱しながら、声を荒げた。

「あの【ッピョラット】は人体には猛毒なんだべさ!」

 入江の衣服に手をかけた。

「! この女の裸、見たいんだべか?? おらは」

 ギロリ! とメジロも二人を睨みつけるが。


「「うん。まー女じゃないし」」


「‼ ででで、出て行くべさ~~~~~~~~~ッッ‼」


 メジロは兄・伍朗が取ってきていた果物を、五十嵐と小林へと投げ飛ばす。

 そんなメジロに、二人も慌てて外へと出た。


 ◆


「まぁ~~ったく! オスってのは、なして、ああ助平なんだべさ! 女じゃないって、どう見ても女だべさ! この胸に! 身体のラインに、股間に棒も玉もないべさ‼」

 入江の額に汗が滲み続ける。そして、玉になって滑り落ちる。

「ぁ…ンン゛!」

 苦しそうに入江が声を上げた。

「さて、と…困ったお客だべさ」


 メジロは吊るしていた草を散り、揉んだ。

 するとツルツルだった草が、綿状へと変わった。

「うし」

 その綿で入江の身体を拭く。

「ぃ」

「んだべさ」

 その草は【ジュモファ】といい、メジロたちの洞窟よりも遠くにある場所に生えていて、水が飲め、水を吸うといった植物で、メジロが持っていたのは水を吸う箇所の草だ。香りが甘酸っぱい。

「江頭、さん…」

「!?」


 メジロの身体が後ろへと飛び上がった。


「なななななッッ! なな、なして、あの男のなななな、名前をいいいい言ってるんだべさ‼」


 ガタガタ!


「ぅうう。メジロー~~兄ちゃんわさー~~そういう得体のしれないもんに関わるべきではねぇと思うべさ…」

 下に降りて来た伍朗に、

「こいつ、この女さ…ええええ江頭、様、っしししっしし、知ってるべさ…ッ!」


 伍朗の尻尾が、二倍近く膨れ上がる。

 顔は真っ青だ。


「めめめ、メジロ…おおおお、おれーーあ。おしっこ漏れちゃったべぇ~~‼」

「汚いべさ! 水浴びして来い!」

「しっかし、そそそそ、その江頭さんとやらが江頭様とはちちちち、違うかもしれねぇべ??」

 メジロと伍朗が向かい合う。


「「治して、聞くしかねぇべな‼」」


 ◆


 バチンー…


「?? あっとー俺ァ…どこだァ? ここァ???」

 入江が起き上がると、


「「禿ッッ‼」


 五十嵐と小林が駆け寄って来た。

「…何?? 何で喧嘩売ってくんの?? アンタら」

 不機嫌な顔をする入江の頭を。


 バッコーーーーン‼


「お前が一番馬鹿なんだべさ!」

「?? あ゛ン゛?!」

 いきなり頭部を叩かれ、罵るメジロに入江は睨みつけた。

「っけ! そうかよ、馬鹿でわりかったな」

 入江は机から立ち上がると背伸びをした。


「さ。行くか」


 何ごともなかったかのように行こうともした。

 五十嵐と小林が苦笑する。


「待て待て、待てー~~いッッ‼」


 それをメジロが進路の邪魔をする。


「何? 邪魔だ」

 身長はメジロの方が頭一個分、高い。

 それを、顎を上げ入江がメジロを睨みつけている。

「うちは命の恩人だべさ!」

「知るかってんだよ。邪魔だっつ~~の」

 身体を両手で、弾き飛ばす。


 ヨロヨロ~~…


「恩知らず!」


 ピタ。


「知るかよ」



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