#26 後悔と吐き気
種を蒔くと《標識調》が生えた。
レインボーのアイテムボタンを入江が押した。
すると。
◆
原始林の中で五十嵐と小林は、またしても怪我を負ってしまう。
「ったくよォ~~本っっ当に、アンタたちには俺は必要だよな‼」
手には弓があった。
電子のようなノイズ音が響く。
シュ!
弦を引くと矢らしいものが飛び出て《鎧針獣》に百発百中する。
「! すっげェ~~これだよーこれこれ‼」
入江のテンションも上がる。
桃じゃないだけ、とても嬉しい。
武器らしい武器。
ヒュ、ヒュン!
「うりゃ!」
面白いぐらいに命中する。
また、放とうとするも、小林によって止められた。
「も。いい、見な」
「もう。大丈夫さ」
地面には夥しい死体の残骸が転がっていた。
これ、全てーー入江が放った矢で死んだものだ。
「「調子に乗るな。子供が」」
ゆっくりと入江も弓を下した。
そして、口を抑え、地面へとゲロを吐いた。
丸まった背中を、小林と五十嵐が摩った。
「「有難う」」
◆
短かく戻った髪が、また伸びてしまい風でなびく。
「信っじられない! お前の神経を疑うわ‼」
五十嵐が、入江を罵倒した。
「一人はないわー一人とか、酷いわー」
小林が棒読みする。
浦飯を一人残したことに、二人が入江に腹を立てている。
したことに入江も、後悔をしているから反論もしない。
でもだ!
(俺のおかげて死なずに死なずにすんだんだぞ~~~‼)
胸中では吼えるも。
小林に睨まれる。
プイ!
(おっかねェ~~!)
ザッザッザッザ‼
居ない。ここに間違いはないのに。
浦飯が居ない。
三人は、辺りを見渡した。
「と、トヲル?? トヲルーーッッ!?」
入江が絶叫する、と。
「?? あ~~入江ちゃん!?」
木の奥から浦飯が駆け出して来た。
そして。
バッコン‼
「ァ゛っだァ゛~~~ッッ! 何、すんの~~!?」
叩かれた頭を入江は摩るも、
「……ァ……ご、ゴメンーー」
浦飯の目から溢れる涙に、自分がしたことに吐き気がした。
「も。二度としないから……本当に、ゴメンなさいーー」
心の底から、入江は浦飯に謝罪をした。
◆
「で。これがボタンーーか」
「うんーボタンっスね~~」
OBコンビが首を捻った。
「押すよな?」
入江は満面の笑顔で問い掛けた。
押したくて、押したくて、堪らないって顔をしていた。
「主任ーチーフ~~どうしますぅ~~?」
押すか、押さないか。
二択の選択肢。
「どっちにしても、後悔しないようにな。おっさんたち」
入江は客観的に言う。それに苛立ちが。
案外、入江の意見はーー重い。




