#27 どうするつもり?!
地面から突き出たボタン。その正体は不明。
窮地を救うものか、さらなるーー難解ものに当たるのか。
押すの、押さないのか。
さぁ、どうします?
◆
「ど、どうしますぅ~~?」
浦飯が、五十嵐と小林を交互に見た。
その二人も、何やら話し合っている。
「も~~面倒だなァーー押しゃァ~~いいんだよ~~!」
突発に押そうとする。
「「‼」」
慌てて入江の両脇に手を差し込み、それを阻止した。
ゴッッチン!
空いた手で、拳をつくり入江に怒りの鉄拳を食らわせた。
さもありなん。
「ッつ! あにすんだよォ~~‼」
ジタバタ!
「「こっちの台詞だ」」
プランーー…
「「何のつもりだ! 入江」」
二人は脇下から手を抜き、遠くに入江の身体を放り投げた。
「うっぎゃ!」
ドスン! 地面に入江が知り落ちを突く。
「あにしやがんだよ! おっさんども‼」
長い髪を掻き上げる。髪が乱れて、視界を塞いでいる。
その仕草が、また、女らしい。男を、微塵も感じさせない。
「押してどうするの」
小林が冷ややかに言う。
「種を蒔けばいいだけじゃない」
五十嵐も腕を組む。
「これがゲームの世界なら、ここは大事な舞台だぜ」
カッ!
小林が入江の胸ぐらを掴む。
「これはゲームなんかじゃない! 分かってんのか!?」
声を荒げる。あの無表情を絵に描いたような男が、だ。
「死ぬんだよ! 現に、怪我も戻っても繰り上げられただろうが‼」
入江も唇を突き出す。
「……」
怒る小林を睨みつけている。
挑発的にだ。
「まだ、何か言い足りないのか! お前の足りない頭は‼」
拳を握っている手が小刻みに震えている。
このままーー殴りそうな勢いだ。
「ゃ、止めて下さい! 止めてくださいッッ! 主任~~ッッ」
浦飯が静止する。涙声で。
パシ。小林の拳を五十嵐が止めた。
「ま。こいつの馬鹿はいつものことっスよ」
「馬鹿もここまでいったら有害でしかない。教育し直さないと」
ギリ! 鋭い目が入江を射貫く。入江は、そんな小林にも動じない。
睨み返している。
「こいつは、ここを愉しんでいる。危険だ」
「ん~~で? 出口。お前の意見を聞こうじゃないか」
胸ぐらを掴まれたままの状況下。
「俺は残る」
断固たる決意。揺るぎのない意志。何が、彼をここまでさせるのか。
「出口。何を考えてんの? 教えてくれないと」
「納得いくものじゃなかったら、容赦はしないと思え」
胸ぐらに力が籠められる。
そして、ぱッ! と離された。
「きっと、こっから逃げてもーーまた、同じことの繰り返しだよ」
何度でも呼ばれる。それにはーー理由があるはずだ。
「それを、解明しないと、また、誰かが、スタッフが一緒に送り込まれるだろうよ」
ごもっともな意見。この馬鹿が、そこまで考えていたのか。
小林も驚く。
「……普段から、それくらい頭使って接客してくれたらいいのに」
毒気つくことも忘れない。この男は。
「いや。ちょっと、思うことがあったんだよ! うっせェ野郎だなァ~~」
女の姿で、とぐろを巻く。汚い言葉で、顔も歪む。
「女の子がーそんな顔しないのー」
むにゅ。
浦飯が、入江の両頬を手で押しつぶした。
「ふらめふさん??」
「押さないで、進もうよ!」
浦飯が以外な発言をした。
三人が目を見開いて、浦飯を見た。
そして、もう一度。
「押さなくたっていいのよ!」
浦飯にも、何か、確信があるようだった。




