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女の私が女の子を抱かなきゃ帰れないって、どういうこと!? ~エロゲ世界に転生したのでヒロイン十六人を攻略します~  作者: 円井ねここ
第五章 届かない相手

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ソファで、乱して

 土曜日の午後、指定された住所の前で、私はスマホの地図をもう一度確認した。

 画面のピンは間違いなくここを示している。

 門の向こうには庭が広がっていた。

 芝生、噴水、剪定された木々、玄関まで続く石畳。

 オートロックの門を抜け、案内された亜里沙(ありさ)の部屋に入ると、私は鞄を持ったまま入口で止まった。

 部屋の中央にはいかにも高級なテーブルと、座るのをためらう椅子が置かれている。

 私たちが腰を下ろすと、メイドみたいな服を着たお手伝いさんが紅茶と焼き菓子を運んできた。


「その……友達同士の遊びというものが、わたくしにはよく分からなかったので」


 亜里沙が真面目な顔をして取り出したのは、新品のトランプだった。


「ババ抜きで勝負ですわ。負けた方が、勝った方の言うことを一つだけ聞く。これでどうかしら?」


 友達同士の遊びを調べてきた結果が、罰ゲーム付きの真剣勝負らしい。


「うん、いいよ。面白そう」


 私は笑って頷き、二人のゲームが始まった。


 一回戦。

 私の手札から亜里沙が引いたのは、見事にジョーカーだった。


「……負け、ですわ」


 亜里沙は手札をテーブルに伏せたまま、ジョーカーを見ていた。

 負けた方が、勝った方の言うことを一つだけ聞く。

 私は紅茶のカップを置いた。

 変なお願いではない。友達同士なら通る。


「じゃあ、亜里沙のこと、抱きしめてもいい?」

「だ、抱きしめる……!? わ、わかりましたわ」


 椅子の脚が床を鳴らす。

 それでも亜里沙は姿勢を正し、両手を広げた。

 私は正面から抱きしめた。

 亜里沙は、抵抗することなく私の背中に腕を回してきた。


 二回戦。

 またしても私がジョーカーを引かせ、勝利を手にした。


「また負けましたわ……。次は、何ですの?」


 亜里沙は残ったカードをそろえ、今度は私の顔を見ないまま紅茶を一口飲んだ。

 さっき抱きしめた時の感触が、まだ腕に残っている。

 何を頼むかは、もう決まっていた。


「じゃあ、キスしてもいい?」

「……っ! え、ええ。約束ですから」


 約束ですから。

 そう言われると、私がずるいことをしているのがはっきり分かる。

 亜里沙は椅子に座ったまま、私の方へ体を向けた。

 私はテーブル越しでは届かないので、隣の椅子へ移動する。

 亜里沙は目を閉じた。

 私は、それを確かめてから唇を重ねた。


 そして、三回戦。

 今度は私の手元にジョーカーが残り、亜里沙が勝利を収めた。


「わ、わたくしの勝ちですわ!」

「あーあ、負けちゃった。それで? 亜里沙は何を命令するの?」


 私が尋ねると、亜里沙はトランプの束をテーブルに置いたり、また持ち上げたりして、そわそわし始める。


「その……」

「ん?」

「キス、してもらえますか……?」

「それ、ゲーム必要ないじゃん」


 亜里沙はトランプの束をテーブルへ置き、私の方へ体を向ける。

 私は亜里沙の頬に手を添えた。

 まずは、さっきと同じ触れるだけのキス。

 離れると、亜里沙は目を開けずに待っていた。

 その唇に、再びキスをした。

 亜里沙の手が、私の膝の上で居場所を探す。

 閉じた唇を舌先でなぞると、亜里沙が息を止めた。

 隙間ができたところへ、ゆっくり舌を差し入れる。

 亜里沙の舌に触れ、逃げる舌先を追うように絡めた。


「んむっ……はぁっ」


 亜里沙の口から甘い水音がこぼれ、彼女の身体から力が抜けていく。

 私は舌を絡めたまま、亜里沙の身体を机の近くにあったソファーの上へと押し倒した。

 そして、ブラウスの裾から手を滑り込ませ、彼女の白い素肌を直接撫で上げる。


「ひゃんっ!?」


 亜里沙が可愛らしい悲鳴を上げ、私の肩をきゅっと掴んだ。


「ま、真白……?」

「大丈夫。友達同士なら、これくらい普通だよ?」

「ふ、普通……んっ、ああっ」


 亜里沙のブラウスの隙間に指を滑り込ませ、熱く柔らかい肌に直接触れた瞬間、彼女の背中がびくりと大きく跳ねた。


「真白……そんなとこ……触っちゃ……!」


 甘く掠れた声が、耳のすぐそばで響いた。

 紅茶の香りと、彼女の髪から漂う上品なシャンプーの匂いが混じり合い、鼻腔をくすぐった。


 亜里沙は、何も知らなかった。

 自分の身体がどんなふうに変わっていくのかも、私の指がどこへ向かっているのかも。

 「変ですわ」「いけませんのに」と繰り返しながら、それでも逃げずに、私の手に身を委ねていく。

 知らない熱に戸惑う声は、やがて言葉の形を失って、甘い吐息だけになった。

 どれくらい、そうしていただろう。

 私はただ、亜里沙が自分でも知らなかった場所まで、ゆっくりと連れていった。


「だ、だめですの……っ」


 その声が震え、上ずった瞬間——

 亜里沙の奥で、こらえていたものがほどけた。

 止める術を知らないまま、彼女はその波に運ばれていく。一度では終わらず、引いてはまた満ちて、何度も。

 亜里沙が私の腕の中に必死にしがみつき、膝から爪先まで小刻みに揺れた。

 火照った背中から、速い鼓動が私の胸へ伝わってくる。


「はあ……っ……あぁ……真白……」


 背中越しに、亜里沙の震えが少しずつ間遠になる。

 腕の中で、亜里沙の体がゆっくりと力を失っていった。

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