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女の私が女の子を抱かなきゃ帰れないって、どういうこと!? ~エロゲ世界に転生したのでヒロイン十六人を攻略します~  作者: 円井ねここ
第二章 救うのと、利用するのと

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一緒に、寝たい

 押し入れから布団を引っ張り出し、畳んであったシーツを広げる。

 零は部屋の端で、私が枕を並べるのを見ていた。


「布団敷けたよ。そろそろ寝ようか」

「うん」


 電気のリモコンを取ったところで、零に袖を引かれた。


「真白と、一緒に寝たい」

「えっ……でも、別々に寝た方が楽じゃない?」

「真白と一緒がいい」


 零は、私の袖を離さなかった。


「……狭いよ?」

「いい」

「暑いかも」

「いい」

「寝づらかったら、途中で自分の布団に戻るんだよ」

「うん」


 返事だけは素直だった。

 でも、零は自分の枕を持ち上げると、迷わず私の布団の横へ置いた。

 こっちの許可を取った瞬間、行動が早い。

 いや、可愛いけど。


 私はリモコンで部屋の明かりを落とし、常夜灯だけを残した。

 布団に入ると、零もすぐ隣から潜り込んでくる。

 肩が触れ、膝が触れ、零の髪が私の頬にかかった。


「零、もうちょっとそっち」

「いや。ここがいい」


 引く気配がない。

 零は私の腕に手を添え、そこから指を絡めてきた。


「真白」

「ん?」


 返事をした瞬間、零の顔が寄ってきた。

 唇が触れる。

 一度だけで終わると思ったのに、零は離れたあと、もう一度私を見た。


「もう一回、したい」

「え、あ、いや……」


 言い終わる前に、二度目のキスが来る。

 さっきより長い。

 零の手が、繋いだ指をぎゅっと絡め直した。

 私は肩を浮かせかけて、やめた。

 嫌なわけじゃない。

 ただ、流されるのが怖い。

 でも、好きだから流されてしまう。好きだから、流されたくない。

 イルカイルの瓶の目盛りが、頭の端でちらつく。


「ちょっと、零。さっき……したじゃん」

「うん」

「うん、じゃなくて」


 零は私の手を握ったまま、額を私の肩に寄せた。

 甘えているのに、言葉だけは逃げていない。

 やりたいことを、零が自分で言っている。

 それが嬉しくて、困る。


「ねえ、真白」

「なに?」

「私、やりたいことがあるの」

「……今度はなに」


 零は答えず、私の首筋に唇を寄せた。

 柔らかく触れたあと、そこを確かめるように吸われる。

 私は反射的に零の肩を押さえた。


「んっ……ちょ、待って。やりたいことって、これ?」

「うん」

「これ、見えたら困るやつじゃない?」

「困る?」

「困るよ。めちゃくちゃ困る」


 零は首筋から顔を上げ、常夜灯の明かりの中で私を見た。

 そして、ひどく真面目な顔で言った。


「真白は、私の、だよ?」


「……っ!?」


 言い返そうとした言葉が、全部どこかへ行った。

 そんなの、ずるい。

 この間まで、意思表示をできなかった子が。

 今、私を欲しいと言っている。

 私はそれをダメだと切り捨てられない。


 ——――――切り捨てたく、なかった。


 考えなきゃいけないことが、頭の端に引っかかっている。

 でも、今夜だけは、いいかと先延ばしにしてしまう。

 私はゆっくりと、零の背中に腕を回した。

 怖いのは、まだ変わらない。

 それでも——零が欲しいと言うなら、私は応えたかった。

 布団の中に熱がこもっている。

 零が私の体に強く寄り添ってくる。

 湯冷めした肌が密着し、零の体温がじんわりと伝わってきた。彼女が私の首に腕を回し、唇を重ねてくる。

 キスはすぐに深くなり、舌が絡んだ。息が混ざり合う。

 零が私の唇を離さずに、首筋に顔を埋めた。柔らかい唇が肌に触れ、優しく吸われる。熱い吐息が首筋にかかり、ぞわりと背筋が震えた。


「……んっ」


 零が、かすかに声を漏らした。首筋に押し当てられた唇から、じんわりと熱が伝わってくる。


「真白と……何回もしたい」


 零が息を吐きながら呟いた。次の瞬間、彼女の唇が首筋を強く吸う。軽く歯を立てられた感触に、体がびくんと跳ねた。


「んっ……っ」


 零の指が私の背中を這い、腰に回ってくる。私の体を、布団ごと引き寄せた。


「真白……もっとつけていい……?」


 零が耳元で掠れた声で言う。唇が再び首筋に戻り、熱く吸い上げられた。甘い痛みが走り、息が詰まる。


「あっ……」


 零の指が私の肌に触れた。掌で優しく包み込まれる。体が熱を持ち、零の名が喉の奥で溶けた。


「零……」


 私が声を漏らすと、零が私の首筋に唇を押し当てたまま、甘えるように言った。


「……もっと、真白の声聞かせて」


 零の指がさらに下へ滑る。熱い掌が太ももを撫で、内側へゆっくりと進んでいく。息が乱れた。


「んっ……っ、零……」


 零が私の体に重なってくる。

 おずおずと、けれど確かに、零の手が私に触れる。


「あっ……はぁ……」


 触れられるたびに体の力が抜けて、私は零の背中に腕を回し、その体を強く抱き寄せた。

 零が私の首筋を、もう一度深く吸う。


「んっ……真白……」


 零の声が震えていた。しがみついてくる体が、熱い。

 頭の芯が痺れて、何も考えられなくなっていく。

 流された、と思った。でも——零の体温は、ひどく温かかった。

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