↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女の私が女の子を抱かなきゃ帰れないって、どういうこと!? ~エロゲ世界に転生したのでヒロイン十六人を攻略します~  作者: 円井ねここ
第六章 二人に、言えない

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

112/137

お外で、真白ちゃんとしたいみゅん

 スマホのライトで足元を照らしながら、私はののみと川辺へ向かう細い道を下りていく。

 濡れた土の上に落ち葉が貼り付いていて、靴底が滑りそうになる。


「ぴこーん! ののみんのアンテナが激しく反応してるみゅん! この川辺、絶対に何かいるみゅん……!」

「真っ暗だから足元気をつけてね。ほら、手、しっかり繋いでて」


 出発した時から繋いでいる右手を、ののみが握り返してくる。

 スマホのライトを頼りに、ののみは真剣な顔で茂みや水面を覗き込んでいた。

 先生から、返事はまだ来ていない。

 いや、今それを考えるのは良くない。

 私はスマホで、ののみの足元を照らした。


「うーん……お化け、なかなか出てこないみゅん」

「そうだね。全然それらしい気配もないね」


 川の水の音だけが、続いている。

 心霊スポットと呼ぶには静かすぎる場所だった。

 ののみが望んでいるお化けは、今夜に限って休業中かな。

 そう言おうとした瞬間、ののみは足を止め、私の方を見上げた。


「…………みゅ?」

「どうしたの?」

「そういえば……真白ちゃんとこうして二人きりになるの、すごく久しぶりな気がするみゅん」

「あー、そうだね。最近ずっとテスト期間だったし」

「……みゅん」


 ののみは返事の代わりに、繋いだ手を自分の胸元へ引き寄せた。

 ジャージ越しに、ののみの体温が伝わってくる。

 目の前で、ののみがそっと目を閉じた。

 顔を私の方に寄せ、待っている。

 この顔を見ると、断る理由がなくなる。

 私はライトを地面へ向けたまま、ののみの唇に触れた。


「ぁ……みゅふふ、真白ちゃんのエナジーみゅん……っ」


 ののみは満足した顔で笑って、さっきより指を強く絡めてくる。


「……もっと、欲しい?」

「みゅんっ……! もっと、いっぱいほしいみゅん……っ」


 もう一度、唇を重ねた。

 今度はすぐに離れない。ののみが背伸びをして私に体を預け、私はその腰に腕を回した。

 外だから、というためらいは、もうどこかへ消えていた。

 もちろん、ただのキスでは終わらない。


「はぁ……っ、ん、あ……っ、真白ちゃんっ」


 ののみの膝が草に触れた。

 私は背中を支えて、腕の中に抱き込む。


「みゅ……っ、お外……すごく、ドキドキするみゅん……っ」

「……ダメ? テントに戻る?」

「ダメじゃないみゅん……っ。真白ちゃんと、したい、みゅん……っ」


 言い切ったあと、ののみは自分の言葉に照れて、私の肩へ顔を押しつけた。

 その一言で、私も止まれなくなっていた。

 私がスマホのライトを消して、ポケットに入れると周りは真っ暗になった。

 川の水の音だけが、聞こえてくる。


 駐車場の方を見ると、小さな灯りが一つだけ見えた。

 終さんの車だ。

 それが分かっていながらも、私は立ったままののみを抱きしめた。

 ののみが背伸びして、私に体を預けてくる。


「みゅ……っ、真白ちゃん……っ」


 キスを重ねながら、私の手がののみのジャージの中へ滑り込む。

 立ったまま、指でののみの中心に触れた。


「んっ……! みゅ……っ」


 ──次の瞬間、ポケットから振動が伝わった。


 ブーブーブー。

 私は片手でスマホを引き出し、画面を見た。

 表示されている名前は、藤代終。

 さっき送ったメッセージを見たに違いない。

 車の中で待ちきれずに、電話をかけてきたのだ。

 画面の光が、ののみの頬を照らした。

 今出れば、言い訳ができる。

 でも、今はののみを抱きしめなければいけない。


「……みゅん? 真白ちゃん、電話……鳴ってるみゅん。出ないみゅん?」


 ののみは息を乱し、頬も赤い。

 私はポケットにスマホを戻し、通知が見えないようにした。


「……出ないよ」


 そう言って、ののみの身体に触れ続ける。

 数十秒後、着信が切れた。

 外であることを気にしているのか、ののみは唇を噛み声を我慢している。

 けれど、我慢しきれずに声が漏れてしまった。


「──っ……! んっ……ふっ……!」


 長い吐息のあと、ののみの体がぴくぴくと震えて、私に倒れ込んできた。

 力が抜けた体を、私はそのまま抱きとめる。


「ひゃ……っ、ま、待って……っ」


 ののみは私の肩に顔を押し付けたまま、切れ切れに息を漏らす。

 川の音に、その声が混ざっていく。


「真白ちゃ……ん、だ、だめ……っ」


 いつもの電波語じゃなくなっていた。

 それだけ余裕がないんだと分かって、私も止まらなくなる。

 立ったまま、二度目の波が、ののみを揺らした。

 膝ががくんとなり、私が抱きしめて支える。


「…………っ、……はぁ……っ」


 しばらくして、ののみの体から力が抜けていく。

 私にもたれかかったまま、ののみは動かなかった。


「……みゅん」


 ののみは私のジャージを掴み、ぎゅっと握り返してきた。

 駐車場の灯りは、まだ消えていない。

 私は、その灯りを見ないようにしながら、ののみを抱きしめた。

 ポケットの中で、スマホがもう一度、小さく震えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。