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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第十章 エステリア王国騒動編(仮)
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第三十二話 ニコル君ご家族と家族になろう作戦②

案内された超豪華な部屋に驚いていると、突然現れたユミナに更に驚いた。

王城にいるものと思っていたので、完全に油断していた。


「ユミナ、どうして?」


「あら、ニコル君。ここは私の実家(・・)よ。いてもおかしくないでしょ」


「まあ、そうだけど」


「今日はね、新しいパスタ料理を教えてもらえるって聞いて、凄く楽しみにしてたの!」


「ああ、だからその恰好なんだ」


ユミナは長い髪をポニーテールにまとめ、メイド服を着用していた。

とても王族がする格好ではない。



「そういう訳で、サーシアちゃん、ミーリアさん、料理のご指導よろしくお願いしますね!」


「はーい、まかせてー!」


「こっ、こちらこそよろしくお願いします。ユミナ様っ!」


「ミーリアさん、そんなにかしこまらなくて良いですよ。以前の様に仲良くしてくださいね。それと敬称は『様』ではなく『さん』でお願いします!」


「はっ、はい、ユミナ様。じゃなくて、ユミナ、さん!」


グルジット邸に来てから、ミーリアは明らかに緊張していた。

過去にエシャット村や海の保養所でグルジット家の人達と接する機会はあったが、今はアウェイの王都豪邸、『借りてきた猫』状態である。


一方サーシアは、いつも通り平常運転だ。

緊張など全くしない。



「ねー、ママー。このおっぱいの大きな人、ママのお友達だよねー? 海の保養所で一緒だったもん。『ワクワク!』」


「なっ、おっぱ!!」


エミリアの無邪気な発言に、焦って復唱してしまいそうになる。


「ニーコールーちゃーーーん!!」


「ははははっ、ごめんなさい」


だが視線は《たわわな胸》をしっかりロックオンしており、それをミーリアに悟られてしまった。



「エミリア。 胸の大きさを指摘する発言は、ユミナさんに失礼よ!」


「なんでー?」


「何でって、それは・・・」


ミーリアは説明の言葉に詰まる。


「ミーリアさん。子供の言う事ですもの、気にしないでください」


「いいえ。ユミナさんはお優しいから許していただけましたが、他の貴族の方に同じ事を言えば、お叱りを受けるに違いありません。しっかり言い聞かせないと!」


「まあまあ、良いじゃないですか」


ユミナはミーリアを宥めると、エミリアの前でしゃがみ目線を合わせた。



「エミリアちゃん、私はユミナ。エミリアちゃんのお母さんとお父さんのお友達よ。久し振りに会うのに覚えていてくれて、とても嬉しいわ。よろしくね」


「うん!『わー、大きいおっぱい!』」


この時エミリアは、ユミナの胸に釘付けになっていた。


「私ねエミリアちゃんが赤ちゃんの時も、エシャット村に行った事があるの。その時エミリアちゃんったら、私の胸を無邪気に触ったのよ!」


「えっ!『触ったの? もしかしてエミリアの《大きいおっぱい好き》のルーツはこの人? たっ、確かめたい!』」


エミリアの心は、ユミナの胸を触りたい衝動に駆られた。


しかしこの衝動は、今が初めてではなかった。

昨年海の保養所でユミナの水着姿を見た時から、既に持ち合わせていた。

幸い、その時はエミリアの《人見知り》が発動し実行に及ぶ事はなかった。



「エミリアちゃん、どうしたの?」


ユミナはエミリアの異変に気付き、両肩に手を添え心配した。

二人の距離は一層近くなる。



「お」


「お?」


「ハァハァッ!」


「エミリアちゃん、『お』がどうしたの?」


「おっぱ」


「おっぱ?」


「ハァハァッ!」


「言いたい事があるなら何でも言って。遠慮しなくていいのよ!」


『ボイーーーン!!』


この時ユミナの動きに合わせ、たわわな胸が弾んだ。


『プチッ!』


その光景は、幼いエミリアの理性を飛ばした。



「おっぱーーーいっ!!」


『ピトッ!』


エミリアはそう叫びながら、ユミナの胸に両手を伸ばした。


「あら!」


ユミナは突然胸を触られたが、動じる事はない。


『モミモミッ!』


「やわらかーーーい!『これだー。エミリアがずっと追い求めてたのは、これだったんだーーー!』」


エミリアは恍惚の表情を浮かべ、感想を漏らした。

そして赤ちゃんの頃味わった微かな感触を思い出した。



「「エミリア!!」」


その行動を目撃し、僕とミーリアは慌ててエミリアをユミナから引き離そうと駆け寄った。


「待って! 待ってください。エミリアちゃん、こんなに嬉しそうにしています!」


「えへへへーーー!」


顔を覗き込むと、満面の笑みのエミリア。


「はぁ、まったくー。治まったと思ってたのに」


「そうね。村の人にはしなくなったものね」


「でもユミナの言葉に甘えて、このままにする訳にもいかない。よいしょっと!」


僕は後ろから、エミリアを抱き上げた。



「やー、もっとーーーっ!」


「ダーメ!」


「さーわーるーのーーーっ!」


「だからダメだって!」


「いーやーーーっ!」


エミリアの駄々は、治まりそうもなかった。



「聞き分けが悪いと《錬金術》教えてあげないよ!」


エミリアの今の一番の興味は、僕から教わる錬金術だった。

その才能もかなりのものである。


「それもやーーーっ!」


「じゃあ、我慢しよう」


「ううううーっ!」


『チラッ!』


エミリアは唸りながらユミナの胸を見た。

そしてこう思った。


やっと出会えた(・・・・・・・)おっぱい(・・・・)。もっと堪能したいっ!』


その結果、次の行動をおこした。



「ねー、パパー。エミリアのお願い聞いてー!」


今までとは打って変わり、上目遣いで甘えてきた。


「くっ、可愛い!」


僕の弱みに付け込んできたと分かっていても、わが娘ながら可愛い。


「あと少しでいいのー!」


「そう言われてもなー」


「ねー、ねー、いいでしょー!」


「困ったなー」


村の親しい女性なら兎も角、王族のユミナにこれ以上失礼な事はさせられない。



「エミリア。パパがグルジット伯爵家の《お抱え行商人》をしていたのは、教えたから知ってるよな?」


「うん」


「ユミナはグルジット伯爵家から、《王家》に嫁がれたんだ」


「王家って、国王様と家族ってこと?」


「そう。だから、失礼な事を言ったりしてはいけないんだ」


「おっぱい触るのダメ?」


「王族にしたら、僕達平民は《死刑》になってもおかしくないよ」


「・・・・・・私、死刑なの?」


脅しの言葉が予想以上に効果を発揮し、エミリアが目をうるうるさせた。


「ちっ、ちが」


「ニコル君!! 『死刑』なんて言って、エミリアちゃんを泣かせたら駄目でしょ!!」


その結果、ユミナを怒らせてしまった。

今年もゆっくりですが、投稿をしていきたいと思います。

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