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喫茶で小話集  作者: 愛組
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26/31

小話7 一般人も楽じゃない。3

すみません!水曜日分が抜けました汗

月曜に二話分、更新します。

「あ、あの」

「!」


 注文し終えたのを見計らって、眼鏡の女性がおずおずと声をかける。話しかけられるとは思っていなかったらしい。肩をピクリと反応させ、チラッと女性を窺う。

「……僕に、何か用?」

「ご、ごめんなさいっ……いだっ!?」

「はい?」


 問いかけると同時、カウンターテーブルへ額をぶつけるほど頭を下げる女性。それを目の当たりにした青年は、咄嗟のことで反応出来ず、首を傾げた。


「いや、その、つい先程貴方を驚かせてしまいましたので」

「……」


 女性の話に得心がいった青年は、静かに首を横に振る。

「気にしなくていい。僕が逃げたのも、悪いから」

「いえ! そうは言っても、元々の原因は私ですから。謝らせて下さい」

「いやいや、僕が」

「いやいや、私が」

「いやいや……」


 終わりのない謝罪の言い合いに、二人は互いを見合って思わず、小さく吹き出す。


「ふふっ、コレではきりがありませんよ」

「……そうかもしれない」


 ひとしきり笑みをこぼした後、青年の前に注文した品が置かれた。手にとって飲もうとした所で、女性の声が割って入る。


「……あの、何故そんなに人目を避けるのですか?」

「っ!?」


 女性にとっては何気ない疑問だったが、言われた青年はそのまま動きを止めてしまう。


「ち、ちょっと待ってください。私、またやらかしました?」

「……ふう」


 頭を抱え、動揺を表す女性を見て、青年はそっと短息。自分よりも歳下であろう男の子にため息をつかれ、眼鏡の女性は羞恥で顔を赤くした。


「わあぁ!? なんだか呆れられてません? すみませんっ、自分、歳下泣かせなんです」


 意味の分からない謝罪を口にする、女性。青年は何を言うでもなく、苦笑をこぼす。


「え? 笑われた?」

「変わった人だね。なんで僕が、"人目を避けてる"って思うの?」

「へ!? えっと……なんと言いますか。勘、ですかね?」

「勘、って……はあ」

「あからさまなため息っ!?」


 微妙にすれ違う、二人の間にある温度差。周囲の客は、青年に同情の眼差しを送る。


「こんな人に会えるとは、思わなかった」


 そう呟くと、顔を伏せたまま眼鏡を外す青年。





「……ねえ。悪いけど、僕の話を聞いてくれる?」

次回は、月曜19時更新予定です。

よろしくお願いします。

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