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喫茶で小話集  作者: 愛組
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21/31

小話6 ウチには、分かる2

本日、1話目です。

「邪魔するで……ん? 客がえらい少ないな」


 少女は意気揚々と喫茶店に入ると、客の少なさに驚く。噂によれば、ここは質の高いコーヒーや紅茶、ケーキ類が味わえると言う。話を聞きつけた人々が、こぞってこの店を探し、何度も足を運びたくなるらしい。


 しかし少女の視界に映る人影は、マスターを除き二、三人程度。席はガラガラだ。聞いた話と違う。この段階で、少女は疑いを深め、誰も座っていないカウンター席に座る。


「初めましてやな、マスター。早速なんやが、注文ええか?」

「いらっしゃいませ。どうぞ、ご注文受けたまわります」

「ほな、"世界のちゃうケーキ"なんてあらへん?」


 少女は、単刀直入に切り込む。対してマスターは笑顔のまま返す。

「では、本日のおすすめケーキセットはいかがでしょう?」

「はいっ?」

 なんの躊躇いもなく、「ある」と答えたような返しに拍子抜けする少女。数少ない客達も、驚いた様子を見せない。

「ほ、ほんまにあるんか?」

「ええ。ございます」

 何がしかの反応を見せてくれるかと思ったが、逆に少女の方が不意を突かれてしまう。「苦し紛れのウソ、かもしれへん」と自分を言い聞かせて、わざと大仰に腕を組む。その姿は、虚勢を張ってる様にしか見えないが。

「な、なら見せてもらおうやないの。その"本日のおすすめケーキセット"とやらを」

「はい、少々お待ちください」

「……」

 挑発気味に言っても、あっさりスルーされ、気に食わない少女。不気味な顔でマスターの背を見送りながら、叫ぶ。



「少しは、反応見せろやっ!!」

2話目は、今日の20時に更新します。

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