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喫茶で小話集  作者: 愛組
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18/31

小話5 暇つぶし3

 金髪の青年の視線の先には、女性と男のカップルが席に座っていた。どうやら女性の方は、青年の知り合いらしい。

 話を盗み聞きしていた所、青年は女性と今日会う約束をした。だが、少し前にキャンセルされたという。それで暇になった彼は、この店に立ち寄った。と思ったら、問題の女性が知らない男と一緒にいる。


 たまらず、怒鳴ったという経緯だ。


「仕方ないの! 私には、ちょっと断りづらくて」

「仕方ない、って? 俺との約束を破ってまで、そこの奴に会いたがったのか?」

「だからっ」


 言い合いは、解決しないままヒートアップしていく。さすがの周囲の客たちも、会話を忘れて沈黙を貫く。


 いよいよ空気が悪くなり始めた、その時。



「……呆れて、何も言えんな。お前さんたち」



 突然、着流しの男が言葉を挟んだ。他人からの横槍に、気分を害したらしい。金髪の青年が睨みつける様に、男を見た。


「……おい、じいさん。今、取り込み中なんだ。無関係なやつは、引っ込んでろよ」

「まあ、確かに。色恋沙汰に、他人がとやかく言うものではないな」


 着流しの男はそう返して、彼らのいるボックス席に歩みを進めていく。そして金髪の青年の前にまでやって来ると、彼と真正面から相対した。


「わかってんなら、あっち行ってろ」

「そうもいかん。お前さん、先程言っていただろう?」

「はあ? 何を?」

「"無関係なやつは、引っ込んでろ"と」

「ああ」


 金髪の青年の返しに、着流しの男は思わずニヤリと笑む。


 そんな着流しの男と金髪の青年の姿を、困った顔で見比べる男女二人。


 そして、着流しの男は告げる。




「では聞こう。"可愛い孫娘の祖父"は、無関係な奴かな?」




「…………はっ!?」



 理解に及んだらしい。

 金髪の青年は、怒りを忘れて、間抜け顔をさらすのだった。

次回は、月曜日の19時更新です。

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