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喫茶で小話集  作者: 愛組
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小話4 ワタクシへの挑戦状3

すみません、少し遅くなりました汗

 お嬢様の挑発的な物言いに、マスターは無言の笑みを浮かべて頷く。その様が癇に障ったのか、お嬢様の眉尻がピクリと上がる。


「……ならば、早速いただきましょうか?」

「分かりました。座ってお待ちください」


 マスターがカウンター席をすすめると、お嬢様は案外素直に座った。そんな彼女の斜め後ろに控えていた、スーツの女性もマスターに促され席に着く。



 注文から数分後。

 彼女たちの前に、純白のティーカップが二つ並ぶ。中は濃いめの琥珀色に満たされ、薄切りのレモンが浮かんでいた。


「噂の紅茶は、レモンティーでしたの」

「見た目は、一般的な物とそう変わりませんね?」


 多少ガッカリした様子の、お嬢様。その横で、スーツの女性が注意深く中身を確認している。それからカップを持って、香りをチェックし目を見開く。


「!? こ、これは」

「ちょっと、その反応はなんですの!?」

「……」


 無言のままカップを口に近づけ、ひと口。スーツの女性は、味わうように目を閉じて、フッと息を吐き出す。何度か瞬きを繰り返した。


「問題はありません。召し上がっていただけば、すぐにお分かりになりましょう」

「……そこまで、言い切りますの?」


 お嬢様は、スーツの女性の言葉に息を呑む。彼女の反応からして、毒物や不味さはないのだろう。ならば、その評価はプラスである可能性が高い。サッと視線を紅茶のカップに注ぐ。


 つい先程の印象は、素朴で真新しさもない。ただ平凡で、他の紅茶と変わり映えのないレモンティー。だが今は、全く別物の様に感じてしまう。


「……」


 お嬢様は、意を決してカップを手に取り、口元へ近づけていく。そして。




「!!」


次回は、金曜の19時更新です。

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