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※不備を見つけた際は誤字報告受付まで。
適当で良いよ、多分ね。
沸き立つ境界に魅入れば、手痛い返しを貰う事だろう。
いくら掻き混ぜても溶け切らない思いで、こちら側を見ているからだ。
或いは、見ているのはこちら側だったか。
からからっておとがする。
まどからそとをみたら、くるまがたくさん。
よんでたほんをもどして、おとうさまにつたえにいく。
いつもおとうさまはへやにこもってるから、とびらをすこしノックする。
「おとうさま、しょうたいがきてます。のぼってくるのがみえました」
すこしまったけど、へんじもない。
しかたないから、あけてみる。
「おとうさま?はいりますよ」
なかをのぞくと、だれもいなかった。
おとうさまはどこに?
なかにはいってぐるっとひとまわり。
やっぱりいない。
おくばしょもないくらいいっぱいにおかれたいろんなものが、わたしをひっぱろうとする。
みて、さわってみたい。
でも、いまはダメ。
つぎにおとうさまがいるのは、うらにわのはたけ。
でも、いまのじかんはいないはず。
そのつぎにいそうなばしょは . . .
もしかして、もうしょうたいのところにいる?
おとうさまがそこにいなくても、しょうたいをだれかむかえにいかないとだし、わたしがいかないとだれもいないかもしれないし、さきにいこう。
そとにでて、おかをおりていく。
しょうたいはすこしいったところにテントをたてて、たいざいするじゅんびをしてる。
おとうさまは . . . いた。
まっさきにとんできてたみたい。
いくつかのはこから、なにかのたねをひたすらみくらべてる。
くるまはほとんどからっぽ。
かえりみちによりみちしてくれてるから、まえにきたときとおなじ。
「おとうさま、あいさつはしたのですか?」
「うん?あぁ、イルリーナ。さっきヴィーチェと話していますよ」
おとうさまはすぐにたねのみくらべにもどった。
わたしがこなくてもよかったじゃん。
すこしからまわりしてがっかりしたけど、わたしがいなくてもだいじょうぶだったから、へやにかえる。
このくにじゃつかわれないどうぐとか、かたちのふしぎなテントとか。
みたいものはあるけど、うりものじゃないしダメだよね。
あとでおねがいだけしてみようかな?
「イルリーナちゃん!」
「ひゃっ」
びっくりした!
きゅうに、うしろからだきしめないでよ!
「ヴィーチェさん、かくれておそってくるの、こわいからやめて?」
「誰が怖いですって?まだ私を見つけられないイルリーナちゃんが悪いのよ?そうでしょ?」
だんだんうでがしまってくるしい . . .
あっ、くびにはいってる!それ、はいってるからとめて!
「まって、わたしがわるくていいから!そういうつもりじゃないの!
ゆるして!しぬー!」
「も〜。死ぬだなんて、大袈裟なんだから」
すっとはなしてくれたから、そのままかいほうされた。
むねいっぱいにくうきをすって、からっぽになるまではく。
ちょっとつめたくて、すっきり。
これが、いきてるってこと?
「少し、いや . . . まぁ良いわ。イルリーナ、ファテミオ様から聞いたのだけど、何やら箱を持ってるそうね?」
「 . . . はこ?」
わたしがもってるはこ。はこ。うーん、はこ?
はこ . . .
もしかして、おじいのかな?
「おじいのはこのこと?」
「おじいの箱かは私には分からないわ。もし良ければ、その箱を見せてくれないかしら?
私なら何か分かるだろうって、ファテミオ様から頼まれたのよ」
おとうさまが?
でも、おじいのはこはおとうさまにいってないきがする。
でも、おじいのはこがなにかわかるならいいかな。
「わかった。いまから?」
「そうね、持ってきてくれてもいいし、私が行っても良いわ。イルリーナの好きにして?」
「じゃあ、きてほしい」
へやにかえるところだったし、わたしのへやでみてほしい。
おじいとのやくそくだから、なくしたくない。
ヴィーチェさんがすごくうれしそうに、すみずみまでみてる。
さっきからめがこわいし、なめまわすみたいにつかんではなさないから、ちょっとせなかがぞわぞわする。
もしかして、さっきのはぐってこんなかんじだったの?
ぜったいちがうとおもうって、あたまのなかからけしておもわなかったことにする。
「イルリーナ、よくこんな物手に入れたわね?箱だけで小さい町なら家が建つわよ?」
「 . . . え?」
おじい、そんなものをポーチにいれてあるいてたの?しかも、わたしにほいってわたして?
「説明しても分からないと思うから、簡単に言うわね?
この箱は、ファテミオ様の予想通り、3代前の教皇の時代に認可されてるの。この時点で、イルリーナからすると、祖父母より上の世代ってこと。しかも凄いのは、最後に流通した個体群がその時代であって、工房から予想するに5代前の時点で既に有ったし、形は違うかもしれないけど、連作になってる可能性が高いの。この飾り付けは、主にゴシック系なのだけど、明らかに逸脱した独自の価値観が入っているし、見て、この花の位置と向き、向かい合うようにこっちにも有るけど、時間が違うの。これは昔のこの辺りの流行りで、並べた時に一枚の絵になるように描く事で、描かれた中身が批判的でも認可を通れるようにした作品の特徴で、当時有名だった画家の間ではよく使われる技法なのに、他の工芸品で見られるようになるのはーーー」
あぁぅ?う、うん。たぶん、わたしはあけちゃいけないはこをあけてしまったとおもう。
おじいのはこがすごいのはわかったけど、それいがいはなにもはいってこないよ . . .
「でも残念なのは、箱がこれしかないって事ね。
どうせなら全て並べて見たかったわ〜。まぁ、おじい?さんから貰ったって話だから、そのおじいさんも譲り受けた可能性が高いかしら?少なくとも、望んで手に入る類の物ではないわね。大切にしなさい。絶対よ」
「わかった。ぜったいわかった」
「じゃあ、私は戻るわね。また明日」
ヴィーチェさんがかえるまえにまただきしめてくる。
なんでそんなにはぐするの?
でも、こんどはすぐにおわったし、そのまま、またねってかえっていったし、わかんないよ。
ヴィーチェさんのおかげで、なんかすごいのはわかったけど、おじいのはこはまだあかない。
ヴィーチェさんはあけかたわかったっていってたけど、わたしがあけるべきっていってたから、まだダメってことなのかな?
おじい、なんでわたしにくれたんだろう?
すこしまわしながらみてみたけど、けっきょくわかんない。
そろそろじかんだから、はこはもとのたなにもどしておいた。
おとうさまはかえってきてるよね?
うらにわのはたけにいそうなきがして、しんぱい。
はやくいかなきゃ。
回されて突かれる。炙られて引き千切られる。
周りを囲んだやつらは、大きな暗がりをケラケラと笑って揺らすのだ。
そいつらは暗がりが逃げ帰る頃まで笑い続ける。
先は長いことだろう。




