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17を理る者  作者: lilhytte
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※不備を見つけた際は誤字報告受付まで。


適当で良いよ、多分ね。



 沸き立つ境界に魅入れば、手痛い返しを貰う事だろう。

いくら掻き混ぜても溶け切らない思いで、こちら側を見ているからだ。

或いは、見ているのはこちら側だったか。






 からからっておとがする。

まどからそとをみたら、くるまがたくさん。

よんでたほんをもどして、おとうさまにつたえにいく。



 いつもおとうさまはへやにこもってるから、とびらをすこしノックする。



「おとうさま、しょうたいがきてます。のぼってくるのがみえました」



 すこしまったけど、へんじもない。

しかたないから、あけてみる。



「おとうさま?はいりますよ」



 なかをのぞくと、だれもいなかった。

おとうさまはどこに?

なかにはいってぐるっとひとまわり。

やっぱりいない。



 おくばしょもないくらいいっぱいにおかれたいろんなものが、わたしをひっぱろうとする。

みて、さわってみたい。

でも、いまはダメ。



 つぎにおとうさまがいるのは、うらにわのはたけ。

でも、いまのじかんはいないはず。

そのつぎにいそうなばしょは . . .



 もしかして、もうしょうたいのところにいる?

おとうさまがそこにいなくても、しょうたいをだれかむかえにいかないとだし、わたしがいかないとだれもいないかもしれないし、さきにいこう。




 

 そとにでて、おかをおりていく。

しょうたいはすこしいったところにテントをたてて、たいざいするじゅんびをしてる。



 おとうさまは . . . いた。

まっさきにとんできてたみたい。

いくつかのはこから、なにかのたねをひたすらみくらべてる。



 くるまはほとんどからっぽ。

かえりみちによりみちしてくれてるから、まえにきたときとおなじ。



「おとうさま、あいさつはしたのですか?」

「うん?あぁ、イルリーナ。さっきヴィーチェと話していますよ」



 おとうさまはすぐにたねのみくらべにもどった。

わたしがこなくてもよかったじゃん。

すこしからまわりしてがっかりしたけど、わたしがいなくてもだいじょうぶだったから、へやにかえる。



 このくにじゃつかわれないどうぐとか、かたちのふしぎなテントとか。

みたいものはあるけど、うりものじゃないしダメだよね。

あとでおねがいだけしてみようかな?



「イルリーナちゃん!」

「ひゃっ」



 びっくりした!

きゅうに、うしろからだきしめないでよ!



「ヴィーチェさん、かくれておそってくるの、こわいからやめて?」

「誰が怖いですって?まだ私を見つけられないイルリーナちゃんが悪いのよ?そうでしょ?」



 だんだんうでがしまってくるしい . . .

あっ、くびにはいってる!それ、はいってるからとめて!



「まって、わたしがわるくていいから!そういうつもりじゃないの!

ゆるして!しぬー!」

「も〜。死ぬだなんて、大袈裟なんだから」



 すっとはなしてくれたから、そのままかいほうされた。

むねいっぱいにくうきをすって、からっぽになるまではく。



 ちょっとつめたくて、すっきり。

これが、いきてるってこと?



「少し、いや . . . まぁ良いわ。イルリーナ、ファテミオ様から聞いたのだけど、何やら箱を持ってるそうね?」

「 . . . はこ?」



 わたしがもってるはこ。はこ。うーん、はこ?

はこ . . .

もしかして、おじいのかな?



「おじいのはこのこと?」

「おじいの箱かは私には分からないわ。もし良ければ、その箱を見せてくれないかしら?

私なら何か分かるだろうって、ファテミオ様から頼まれたのよ」



 おとうさまが?

でも、おじいのはこはおとうさまにいってないきがする。

でも、おじいのはこがなにかわかるならいいかな。



「わかった。いまから?」

「そうね、持ってきてくれてもいいし、私が行っても良いわ。イルリーナの好きにして?」

「じゃあ、きてほしい」



 へやにかえるところだったし、わたしのへやでみてほしい。

おじいとのやくそくだから、なくしたくない。






 ヴィーチェさんがすごくうれしそうに、すみずみまでみてる。

さっきからめがこわいし、なめまわすみたいにつかんではなさないから、ちょっとせなかがぞわぞわする。



 もしかして、さっきのはぐってこんなかんじだったの?

ぜったいちがうとおもうって、あたまのなかからけしておもわなかったことにする。



「イルリーナ、よくこんな物手に入れたわね?箱だけで小さい町なら家が建つわよ?」

「 . . . え?」



 おじい、そんなものをポーチにいれてあるいてたの?しかも、わたしにほいってわたして?



「説明しても分からないと思うから、簡単に言うわね?

この箱は、ファテミオ様の予想通り、3代前の教皇の時代に認可されてるの。この時点で、イルリーナからすると、祖父母より上の世代ってこと。しかも凄いのは、最後に流通した個体群がその時代であって、工房から予想するに5代前の時点で既に有ったし、形は違うかもしれないけど、連作になってる可能性が高いの。この飾り付けは、主にゴシック系なのだけど、明らかに逸脱した独自の価値観が入っているし、見て、この花の位置と向き、向かい合うようにこっちにも有るけど、時間が違うの。これは昔のこの辺りの流行りで、並べた時に一枚の絵になるように描く事で、描かれた中身が批判的でも認可を通れるようにした作品の特徴で、当時有名だった画家の間ではよく使われる技法なのに、他の工芸品で見られるようになるのはーーー」



 あぁぅ?う、うん。たぶん、わたしはあけちゃいけないはこをあけてしまったとおもう。

おじいのはこがすごいのはわかったけど、それいがいはなにもはいってこないよ . . .




「でも残念なのは、箱がこれしかないって事ね。

どうせなら全て並べて見たかったわ〜。まぁ、おじい?さんから貰ったって話だから、そのおじいさんも譲り受けた可能性が高いかしら?少なくとも、望んで手に入る類の物ではないわね。大切にしなさい。絶対よ」

「わかった。ぜったいわかった」

「じゃあ、私は戻るわね。また明日」



 ヴィーチェさんがかえるまえにまただきしめてくる。

なんでそんなにはぐするの?

でも、こんどはすぐにおわったし、そのまま、またねってかえっていったし、わかんないよ。



 ヴィーチェさんのおかげで、なんかすごいのはわかったけど、おじいのはこはまだあかない。

ヴィーチェさんはあけかたわかったっていってたけど、わたしがあけるべきっていってたから、まだダメってことなのかな?



 おじい、なんでわたしにくれたんだろう?

すこしまわしながらみてみたけど、けっきょくわかんない。

そろそろじかんだから、はこはもとのたなにもどしておいた。



 おとうさまはかえってきてるよね?

うらにわのはたけにいそうなきがして、しんぱい。

はやくいかなきゃ。






 回されて突かれる。炙られて引き千切られる。

周りを囲んだやつらは、大きな暗がりをケラケラと笑って揺らすのだ。

そいつらは暗がりが逃げ帰る頃まで笑い続ける。

先は長いことだろう。


 




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