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適当で良いよ、多分ね。
笑い者達は酔い潰れ、己れの愚行に捕まった。
見に来た者は、誰もが呆れてものをも言えない。
回り周る知らせの音にも、呆れたものの物声にも、応じるのは難しい。
しかし、笑い者達は満足している。
その代償すら、笑いの種なのだと。
「ファテミオ様、また次の商機に。父上には希望をしっかりとお伝えします」
「頼みましたよ。それと、急なお願いも任せてしまって悪いですね。私の方で対応したかったのですが、難しいでしょうし」
「いえ、私も良い物を見せて貰いましたので。それに、貰うものは頂いてますから」
おとうさまとヴィーチェさんがはなしてる。
ヴィーチェさんはこのあと、うみをわたっておうちにかえるってさっきうまのひとがいってた。
すごくとおいって。
「イルリーナ、箱のこと忘れないでね?それと、もしその気があるなら私と一緒に来ても良いのよ?」
「うん。でも、いまはいいかな」
「あら残念。それじゃあまたね」
ヴィーチェさんがわたしのことをだきしめる。
なんでかわかんないけど、もうされないっておもったらちょっとさびしい。
おとうさまにおじぎして、くるまにのっていっちゃった。
おとうさまはさきにかえったけど、みえなくなるまでわたしはみてた。
みえないくらいずーっととおくにも、おうちがあるってへんなかんじ。
もうみえないからかえろうとおもってふりかえったら、すごくつよいかぜがふいてわたしのずきんがとられた!
すぐにおいかけたけど、ずきんはたかくとんでっちゃう。
がんばってはしったのに、おいつけないよ!
それはわたしのずきん!かえして!
ふわふわしながらとんでっちゃう。
くるくるまわったり、ひらひらしたり、おいつけないわたしのことをわらってる。
きがついたら、もりのいりぐちまできてた。
ずきんはきのむこうにとんでっちゃったから、もりのなか。
でも、もりにいっちゃダメっていわれてるのに!
またつよいかぜが、わたしからとろうとする。
うー、ダメっていわれてるけど、とりにいかないともっとどっかいっちゃうよね?
どうしよう?
ちかくにだれかいないよね?
んん . . . でも、やっぱりわたしのずきんだから。
それはわたしのだから、かえして!
うぅ、かえしてっていったけど、もりのなか、まだあかるいのにくらくてこわいよ。
でも、とりにきたんだから、ずきんをかえしてもらうまで、かえれないよね?
いーちおにいは、かりのときもりにはいるっていってたから、いーちおにいもここにきてる。
いーちおにいがきてるなら、わたしもできるよね。
だって、いーちおにいはかぞくっていってたもん。
かぞくはおなじっていってたもん。
さっきから、なにかにみられてるきがするの。
でも、まわりをみても、なにもいない。
だれかいるの?ってきいても、こたえてくれない。
だから、もりがわたしをみてるのかな?
さっきから、ずっとおなじところをあるいてるきがする。
でも、わかんないから、みちにえをかいてみた。
これで、このえがあったらおなじところをあるいてるってわかるでしょ?
わたしすごい!
もう、なんかいえをかいたかわかんない。
ぜんぶちがうみちだったってこと?
かえるときにえをさがせばいいのかな?
でも、さいしょのほうのえがなにか、もうおぼえてないよ!
ずっとすすんでたら、すこしあかるくなった。
なんでかな?ってあかるいほうにいったら、きがない!
でも、なんできがないのかわからないし、ずきんもない。
わたしのずきんはどこ?
おとうさまがなんでもりにいっちゃダメっていったのか、わかったきがする。
もりのなかはすごくおおきくて、わたしはちいさい。
もっとおおきくなってからっていわれたのは、ちいさくてもりにきえちゃうくらいわたしがちいさから?
おひさまがちょうどまうえにある。
かわがあって、そのちかくのきにわたしのずきんもあった。
すこしやぶれちゃってたけど、かえってきてよかった!
でも、どうやってかえろう?どっちからきたかわかんないし、ずきんをとるときに、きからおっこちてあたまもいたい。
こういうときに、さわがないってかりびとのひとがいってたから、かわのみずをのんですこしやすむ。
あたまはすこしくらくらするけど、ずきずきはしなくなった!
かりびとのひと、すごいね?
でも、かえりかたはきいてないよ。どうしよう?
むらのおばあちゃんに、おてつだいができなかったときにないたら、
「泣いても出来ないでしょ!泣いて出来るようにならないなら泣くのは無駄!やりなさい!」
っておこられたのをおもいだした。
ないてもかえれないから、なくのはやめる。
かわのみずをのんで、かえるみちをさがそうとしたら、またあたまがいたくなった。
ふらふらして、きにぶつかったら、だれかのこえがきこえたの。
きのせいかな?っておもったけど、よーくきいたら、やっぱりこえがする。
だれかいるみたい?
こえがするほうにすすんでたら、もうまっくらになってた。
でも、ないてるこえみたいにきこえるから、たすけなきゃ。
まっくらでも、すこしだけあかるくなってみえるときがあるから、そのときにすすむ。
ほんとうはあかるくしようとしたけど、あかるくしても、まえがみえなかったからおとうさまにむりにつかわないっていわれてるし、やめた!
やっと、こえのちかくまできた。
でも、すこしあかるくなるときもなくなったから、さがせない。
おおきなぬのをひいて、ここでねる。
おなかはすいたけどなにもないし、どれいってひとはまいにちたべたくてもたべれなかったって、ほんでよんだから、きょうたべれないだけのわたしはだいじょうぶ。
でも、おとうさまはしんぱいするよね?
なにかにつつかれて、おきた。いつのまにかあかるくて、でもつつくのはすごくかたいから、いたい!
だから、そっとてをのばしてつかんでみたら、いたっ!とりさんだった。
いーちおにいがみせてくれたかりのえものとはちがうけど、とりはおにくだから、たべられるはず?
ほんとうはいやだけど、おなかすいてもっとつらいのはもっといやだから、とりさんにごめんなさいする。
めをとじて、なにもかんがえないでえいってしたら、てがたいへんなことになった。
たぶん、いまあらってもまたたいへんなことになるから、あとでかわのみずであらう。
おにくはひをとおすから、とりさんはたいへんなことになってるけど、なんとかひをぶつけてみる。
ちょっとつよすぎたのかな?
まっくろになっちゃった。
でも、とりさんってどこをたべるの?
そのばでやっつけてたべたことないから、わかんないや。
すこしかじってみたけど、くちのなかにぼろぼろのぱさぱさ?がさがさ?がいっぱいになって、もどしちゃった。
まっくろなとりさんはたべれないから、じめんにかえしてあげる。
たいへんなことになってるわたしのてをあらってたら、またこえがきこえた。
狂い人が走り回る。血走った目で、頭を掻き回す。
空腹に耐え、正気に耐え、邪な考えに耐える。
周りが止めようとも、それは呪いである。
遂にその者は張り付けられ、止められてしまう。
互いにとって、それがどんなに悪いと分かっていても、この縄を解く事はあってはならないのだ。




