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17を理る者  作者: lilhytte
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6

※不備を見つけた際は誤字報告受付まで。


適当で良いよ、多分ね。



 手負の者、憂い者、狂い者。それに意味は無い。

一列に並ばされた売り物に、買い手が思うのは簡単なことだけ。

だとしても、並び立ち、価値を謳歌し続けなくては、意味を得ることもないのだ。






 おとおさまのこえをかぜがおしえてくれる。

なんていってるかわかんないけど、まだぎしきをやってるってわかる。



いつものおおきなきが、てをふってる。

ずきんをつけなきゃ!



 おとおさまは、むらのなかはひとまえじゃなければいいっていってたから、きょうはやってもいいひ。

みんなぎしきでいないから、すこしだけ。



ふつうは、ちがうものと . . . ちいさい?

からおなじなら、ないになる。

 きのうよんだけど、わかんないところ。



ふつうってかいてあるから、こうなるよってこと。

 でも、ちがうものってなってるから、おなじのじゃだめ。

ちがうとちいさくなる。

だから、ちがうのがおなじなら、なくなる。



 さいしょにてをだして、ひらく。

あたまのなかで、ひだりてにつめたいみずがのってるとおもう。

みぎては、ちがうのだから、くるくるまわるちいさいかぜにする。



 ちがうのはおなじだから、つめたいみずとくるくるまわるかぜはぜったいおなじっておもう。

ひだりてのみずはつめたくて、つかめない。

みぎてのかぜはくるくるまわってにげようとする。



 みえるくらいおもったら、だす。



んん、くるくるまわってにげようとするかぜがにげちゃった。

うごくの、にげちゃだめ。



もういっかい。

ひだりてはつめたいみず。

みぎてはうごかない。おなじところでくるくるするかぜ。



 くるくるしてどこにもいかない。

これで、あわせると、ちいさくなってなくなる。



まんなかであわせても、ちいさくならない。

なんで?

うえからあわせても、よこからあわせてもだめ。



 きのうとおなじ。やっぱりできない。

ちがうのは、だすのじゃなくてわたし?

でも、おとおさまはちがうのだけでできたし。



わかんないからつぎ!



 おもうのは、ちがう。おもうのは、おもったものになる。ほんとうはおもったものと、ほんとうのものはちがうからほんとう . . . むずかしいよ!



んん . . . やっぱりおしまい!

つめたいみずがきらきらしてる。

もっといっぱいにしたらきらきらもいっぱいになるかな?






 ん、いっぱいのきらきらをふわふわさせたからつかれた。

まだぎしきしてるから、まだひとりなのに。



「嬢ちゃん、そこにいるんだろう?こっちにおいで」

「んん?おじい?」



おおきなきがばさばさしてるから、おじいのこえきこえない。



「ここだよ嬢ちゃん、こっちだ」

「んん . . . いた!」



ちょっとあっちのまどからおじいのてがみえる!

おおきなぬのをばさばさしてからいくね。



「おじい!」

「きたか、嬢ちゃん。扉は開いてるから中に来てくれ」

「とびら?」



おじいがまどからゆびであっちってするから、みにいく。

いえのまわりをぐるってまわったら、はんぶんあいてるところをみつけた。



 はんぶんでも、わたしはとおれた!

おじいはべっどのうえでねてる。

げんきないのかな?



「嬢ちゃん、おじいの横においで」

「ここ?」

「そこで良いぞ。どうだい、おじいとの約束は覚えてるか?」



おじいとのやくそくは、おじいのおはかとはこ。

でも、はこはあかないから、おじいのおはかがさき。



「おはかとはこでしょ?おぼえてるよ!」

「よしよし、嬢ちゃん。それなら良かった。そうだ、さっき嬢ちゃんがやってた輝く沢山の何かを見てな」

「かがやくたくさんの?」



きらきらをふわふわしたやつのことかな?

あれ?でも、おとおさまにひとまえではだめっていわれたから、おじいがみてたらひとまえ?



「それで、思い出したから、またおじいの話を聞いてくれるか?」

「おじいのはなしむずかしいよ?」

「どうしても嬢ちゃんに聞いて欲しいんだ。おじいの頼みを聞いてくれるか?」



 おじいがおおきいてで、あたまをぐしゃぐしゃにしてくる。

でも、おじいのて、げんきない。



「んん . . . おじいのはなしきく」

「よしよし、嬢ちゃん。でも先に、あの輝く沢山の何かをまたやってくれないか?」



きらきらをふわふわさせるの、おとおさまにひとまえはだめっていわれたのに。

 おじいはみたいって、やっていいのかな?



「この部屋にあれを出せないのかな?それならやらなくて良いぞ。おじいのお願いで嬢ちゃんに無理させる訳にはいかないからな」

「むりじゃないけど . . . 」



りょうてにいっぱいから、おへやいっぱいに。

いっぱいきらきらするみずがみえるように。

ゆっくりまわって、ふわふわするように。



「できた。おじい、これでいい?」

「おぉ、嬢ちゃん。これだこれ!あの日の夜の星を思い出すんだ。ありがとう」



おとおさまとのやくそくまもれなくてごめんなさい。でも、おじいうれしそうだし、できるのにできないっていうのはだめだから、いいよね?



「よしよし、嬢ちゃん。次はおじいの番だな。

そうだな、嬢ちゃんは死んだらどこに行くか知ってるか?」

「しんだらいく . . . おはか?」



 おじいのおはかも、おじいがしんだらここっていってた。

まえにおとおさまがおはかをつくってたときも、しんだひとのだっていってたし。



「半分正解だな。人は確かにお墓に行く。でもな、そのお墓はどこにある?」

「うーん?きょうかい?」



でも、きょうかいじゃないところにおはかもあるってでしさんがいってたし、おはかのおなじところ . . .



「じめん?」

「そうそう、嬢ちゃん。その通り。死んだらみんな地面に行くんだ」



おじいがおおきいてをわたしのあたまにのせた。

でも、おじいのめはずっときらきらのふわふわをみてる。



「例えば、嬢ちゃん。落ち葉は地面に落ちるだろ?あれは葉っぱが死んだから地面に行くんだ。雨も降ったら地面に行く。分かるかな?」



はっぱがしんだからおちるのは、ほんにもかいてあった。

おとおさまも、くさがしんだからたおれちゃったっていってたし。



「でも、わたしはじめんのうえにいるけど、しんでないよ?おじいも。とりとか、くもとか、とんでっちゃうよ?」



あとは、ほしとか。おちないものいっぱい。

とんでくのは、みんなしなないってこと?



「そうだね、実は人が死ぬと行く場所がもう一つあるんだ。体は地面に行くけど、魂は空に行くんだよ」

「そらに?」



じゃあ、わたしがジャンプしたら、しんでもどってしんでるの?

んん?しんでしんでしぬの?



「星になるんだよ、嬢ちゃん。だから、これだけ覚えて欲しいんだ。死ぬと地面に行く。でも、魂は星になる」

「うーん、むずかしいよ。だって、ジャンプしたらとんでるからしんで、じめんにいくからしんで、いっぱい死んじゃうし?」



おとおさまはしんだらかみさまのところにいくっていってたし、もうわかんない!



「ほうほう、面白い事を考えたな。でも、ジャンプは死んでないんだよ嬢ちゃん。

ジャンプはね、星になるのを地面が止めてるんだ」

「とめる?」



 しんだらいくのに、しぬのをとめるの?

なんで?



「地面はね、死んだら行く所だけど、死んで欲しい訳じゃないんだ。だから、地面は死なないようにって頑張るから、上を歩いても死なないんだよ」



おぉ!おじいすごい!

わたしがわかんないところ、ぜんぶわかった!

あれ?でも、なんでおちるの?



「でもおじい、しんでほしくないなら、なんでおちばとか、しんじゃったものがおちるの?」

「 . . . なんで落ちるんだろうね。地面は死んで欲しくないと思ってるけど、誰も死ぬ事から逃げられないからじゃないかな?」



じゃあ、みんなしんじゃうから、じめんからにげられないってこと?

でも、しんじゃうまではじめんが、星になってしんじゃうのをとめてくれる?



「それと、嬢ちゃん。おじいはね、そろそろ地面に行くんだよ。だから、おじいの代わりに地面に言ってくれないか?星みたいに、飛ばせてくれってね」



おじいがじめんにいくの?

じめんにいくのは、しんだときだから、おじいはしぬの?



「おじいしぬの?」

「嬢ちゃん。人はいつか死ぬんだよ。おじいはその番が来ただけさ。でも、おじいは悲しくないんだよ。嬢ちゃんが約束を守ってくれるって知ってるからね」



おじいとのやくそく。

おはかとはこ。あと、じめんにとびたいっていう?



おじいのおおきいて、くすぐったい。

おじいはずっと、きらきらをみてるから、わたしもみる。

きらきらはおちない。ほしみたい。



「イルリーナ?何処に居るのですか!帰りますよ!」

「ん、おとおさま。いかなきゃおじい、またね!」

「嬢ちゃん . . . そうだな。またね、嬢ちゃん」






 そこに立つは、長く照らされた者。

その両腕を広げ、全てを迎え入れる者。

長い年月を見守り続け、その身に記している。

その志は、何度折られようとも変わらない。






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