第24話 カウンターアタック
ミリアの魔法Lvが他の3人よりずっと高いことが分かり、タケミはこれまで着目していなかった魔法の有用性を知る事になった。
地属性魔法は土属性と違い、重力魔法にも通じる属性で、大地そのものの力を行使する。
それで地上にある罠を全て排除する事に成功したのだ。
「これで落とし穴や樹上トラップは気にしなくていい。探知魔法はアタシも使えるから、斥候としてその役目は引き受けよう。攻撃力を考えれば、タケミとトーマーシュが前衛に集中してくれ」
そう言ってミリアはタケミと同じエコーロケーションのような魔法を使った。
彼女の場合、土魔法に由来する探知魔法で、大地に設置している魔族を広範囲に渡って把握する事が出来る。
「土魔法、ドティカチ・ズロスィウィ」
タケミのエコーロケーションの倍ほどにもなる範囲の魔族を感知出来る
約200mだ。
「・・・・・・居たよ。ここから西に180mくらい。一体だ。東にもいるけどそっちは3体。西へ行こう。」
ミリアが指を指した方角へ一行は移動する。
念のため40mほど離れたところで今度はタケミがエコーロケーションで他に魔族が居ないか確認する。
「大丈夫そうだ。よし、気づかれたらトーマーシュが攻撃して電撃を、僕が仕留める!」
20mくらいの距離まで息を潜めて近づいて、そこから一気に急襲を仕掛けた。
「ビィィィィィィ!!」
トーマーシュの電撃で片膝をついたオークは、低いうめき声をあげる。
すかさずタケミは思いっきり頭部を蹴り飛ばし、横倒しにさせる。
倒れたオークの顔面に追撃を加え一気に仕留めた。
「成功だ。ミリア!すぐに索敵を。オークの仲間が近くに来ていないか?」
ミリアは既にまた土魔法で索敵を行っていた。
「大丈夫だ、範囲内にはオークは居ないよ」
トーマーシュがオークの心臓部から核を引っ張り出す。
ピイロリンッ♪
音が鳴り、Lvアップが表示される。
「よし、Lv9になった」
「わたしも、Lv8になりました」
こんな調子で、Lvを上げ、タケミはSPを力と速さに割り振り攻撃力を上げていった。
ー4時間後ー
15体目のオークを倒したところで、索敵にオークが引っかからなくなってきた。
単独どころか、2~3体居てももう余裕になっていた。
「今Lvはいくつだい?」
ミリアが尋ねる
「僕は18になったよ」
「私も18になりました」
「俺っちも一つ上がって36だぜ」
「そうか。アタシも61になったよ」
それぞれLvが上がった。特にタケミとアリーシャは10Lvほどもアップし、10倍能力のタケミは驚異的な成長を遂げていた。
総合力ではトーマーシュと同じくらいだったのが、10Lvアップにより、相当ステータスが上がった。4時間前と比べれば、ほぼ倍の強さだ。
オークの攻撃もダメージを受けず、また全力じゃなくても一撃で倒せるほどだ。
「アンタ強くなりすぎだよ。ソレ反則じゃないか?」
ミリアは恨めしそうに笑う
このタケミの童帝の能力は、全能力が10倍になるというものだが、Lvアップすることでステータスが成長するということは、1Lvアップすることで、10倍成長するという事だ。SPを素ステに割り振った場合、それも全て10倍になる。
タケミはこのたった数時間で劇的に強くなっていた。
「よし。随分遅い時間だし、野営地に戻ろう。」
目標のほぼ半分を達成したところで、野営地に戻った。
念のため、ミリアの土魔法で厳重に罠を貼り、オークの襲撃に細心の注意を払った。
しかし、もう昼間のように10体のオークに囲まれたとしても、今のタケミならば返り討ちに出来るだろう。
タケミ自身も、この武神の加護による急成長が、どれほどとんでもない事なのかを自覚していなかった。




