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一方その頃、精霊王は

「念のため調べてみましたが、この世界に第三者が外から干渉した形跡は、一切ございませんでした。」

「私が感知できなかったからそうだとは思っていたけれど…何者ヒロイン」

「地球の神にも確認しましたが、転生者は連れてきていないしシステムも問題なかったと。」


リシーリアから報告を聞いて、むしろ頭が痛くなる。

第三者から介入されたら、大なり小なり影響がでる。この世界を創ったのは私たちで、創造神の力は絶対だ。万が一影響なしで世界に干渉されたとするなら実力差が100倍は無いとできない。現在のわたしたちの神格はそこそこ高く、100倍上の力を持つ者は恐らく皆無。


ということは、世界のシステムに設定された現象ってこと?しかしそのシステム自体にも干渉されてはログが残るし、干渉しなかったらシステムはあくまでこの世界の中のみで稼働する。

そもそもなぜフィナはこっちで生まれ変わった?私が神から受け取った魂のうち、人として生きることを望んだ人はできるだけ願いをかなえてこの世界に生まれ変わらせた。けれどその生まれ変わりのなかにフィナはいない。私とは全くの赤の他人だ。


 心当たりがあるとすれば地球の神。綺麗だったり、失敗した影響を受けてしまったりした魂の便宜を図り、生まれ変わりの希望を取ることがある地球の神は、ファンタジー世界を希望した魂を、時々でいいからこちらで生まれ変わらせたいと頼んできて、地球生まれのわたしは恩返しのつもりでそれを受けた。

 でもフィナから地球の神の事は聞いたことがない。そして地球の神もフィナについて何も言ってこない。流石のわたしも恩返しのためなら何でもするわけではない。私とセルシエの許可を取らなければ転生させたりしないと決めているし、許可取らずにねじ込もうとしても失敗するのがオチ。できたとしてもそれこそログが残る。


「まさか…全くの偶然だっていうの?フィナも、ヒロインも?」


世界のシステムに誤作動が怒り、ほんの一瞬隙間とも言えないもの、いうなれば壁が一瞬薄くなるみたいな現象が起こり、それが同時に地球にも起こる。その薄くなった壁に、少しの抵抗すらなく自然にするッと通り抜ける?しかも二人も?限りなくあり得ない可能性。だが、今二人がいるなら事実として起こってしまったのだろう。


「陛下」

「なに?」

「今そのヒロインなるものが何者か考えても、納得できる答えを出すには莫大な時間がかかるでしょう。陛下の御出生を考えれば親神を疑いたくなるのも分かりますが…」

「大丈夫、そいつの事は考えてない。ただちょっとシステムの防御強化をしようかと思っていただけで」

「これ以上の強化はむしろ魂を拾い損ねてしまうのでは?」

「じゃあ、魂を廻すだけじゃなくって、確かめる術を作るとか…」

「お忘れですか?それは魔王様が担当していらっしゃるでしょう。信頼しろとは言いませんから、自身の負担を減らすために利用してください。」

「もっと駄目でしょうそれ。」


けれど、リシーリアの少し茶化した言葉で、ちょっと肩の荷が下がった気がする。私が全部やる必要は、そんなにない。

いつも面倒見ようとして時々失敗してる、背伸びした弟でももう大人だ。むしろ最近は私が失敗することも多いから私より頼りになるだろう。次会うときには頼んどこう。


「次するのは…なんだっけ?」


国王の精霊に手紙を預けて届けてもらったし、王子と王女の精霊には説得を頼んだし、愛氏と小百合と春奈には護衛を頼んだし、真雪、伊緒、佳苗、舞、凜華には報告したし、ランジュから定期連絡は入ったし…


「急ぎのものは片づけたでしょう。少し休憩なさってください。」

「そう?」


リシーリアにお茶を淹れてもらいながら、なんとなく部屋を見渡す。

でも、書類も何もないとこの部屋に違和感しかない。部屋が広いのには慣れたけれど、この部屋だけは狭かったはずんなのに…あ


「そうだ、子供たちからのプレゼントから何か見繕いたいと思ってたんだ。この部屋、殺風景になっちゃったから。」

「休憩してください。私たちがやっておきますので!」


お茶を一気に飲み干して立ち上がろうとすれば即座にお代わりを入れられた。

美味しいから飲むけれど…


「子供たちが選んでくれたプレゼントだよ。飾るのもしっかり自分でやるのが筋じゃない?」

「問題ありません、一度でも設置、使用されたものはすべて記録に残っていますので、使っていないものもしっかり使えます。」


いつの間にそんなの作ってたの?という疑問が喉元まで来たが、飲み込む。

私もさすがに前の仕事にフィナがやって来たとき、働き過ぎを自覚した。


「ならお願いするね。」

「お任せください。」


子供たちの仕事を増やしちゃうのは罪悪感が募るけれど、リシーの満足げな表情を見ると、時々頼った方がいいのかなと思えてくる。全く、出来た子供たち。

もうちょっと甘えたりさぼったりしてもいいのに、親離れが早すぎる。

しかも反抗もちゃんとしてくれるので安心できてしまう。ほんといい子たち。


 私の弟妹なんて親の事を一切疑わなくって、皆が好奇心で言いつけを破るたびにひやひやした。早々に皆言いつけを守るようになっちゃったのもひやひやした。自分もいつなるか不安になるし。

大概親に言えばどうにでもなるので、全然親離れしない皆を見たらひやひやどころか本当に焦り始めた。私は20のころから記憶がおぼろげになっていって、25以降は覚えていない。まあ、子供時代しか覚えていない子や70までくっきり覚えている子もいたので普通なんだけれど。

 親曰く神に昇華した際に魂が変化するが、その際に消えた部分に記憶が入っていたんだろうとのこと。しかしこれを皆が聞きに行ったとき、皆に攻撃するそぶりをしたら魔法でも何でも使って逃げると決心して警戒していたから、内容は覚えていても、全容は忘れた。


まあとにかく、うちの子たちは本当にいい子…自立意思は大切。

さて、頼っちゃったからにはその分他の仕事を減らしてあげた方がいいよね。クローゼットの中身を整理しようか?嵩張らないよう工夫してあるといってもドレスがいっぱいあるんだから、片付けは大変だよね。全部プレゼントだから捨てたくないし。


「そういえば、来月の精霊契約ではすでに契約経験がある者たちのみにする方針なのですが、いかがでしょうか。」

「そうだね、それがいい。…ん?」

「いかがなさいましたか?」


んん~、あの馬鹿王子来るの?ヒロインも取り巻き達も?

けど、人も警備しているしは入れないよね?あの国王も改めて契約させようとは思わないだろうし…

精霊たちも契約しようとはしないだろうし…

フィナだって許さないだろうから入っても契約出来ないし…でも


『精霊は我らを拒まない!通せ!』

『で、殿下といえど王命は…』

『ならば押し通る!大義は我にあり!』


みたいな展開が目に見えるようだ。

結界を張りなおす?特定の人物が入れないように改造するのはどうやるんだっけ…ああ思い出した。ならちょっといじって


「陛下?どうか致しましたか?」

「ううん、何でもない」


ただあの馬鹿どもは入場禁止ぐらいじゃめげずに強行突破してきそうだなと思って


「同感です。」

「あれ、口に出てた?」

「はい。」


あれれ、また失敗だ。

まあ、いっか。この子たちももう大人なんだから、完璧な大人が付いている必要はないし。

もういっそのこと、はっちゃけてみようか?

なら、何をどうやってはっちゃけようか…普通考えてやることじゃないけど。


「では、最低でも2回以上契約して、人についてよく知っている者たちを招集させていただきます。」


!!

そうだ、それだ!いい事思いついた。


「ねえリシーちょっとお願いがあるんだけれど。」

「(…!陛下が珍しく我儘を!)はい、何でも致しますよ。」


言質取ったり。

私はいたずらっ子のような表情で、溌剌と笑った。


しかしその笑みに、浮かれているリシーリアは気づかない!

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