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精霊王、二者択一を迫られる。

精霊王、ルミリア視点です。


―――何やってんの!?第一王女!!


それが、私が思った最初の事だ。


いやいやいや、普通分かるでしょうよ。どう考えても第一王子が悪いって。

しかもそんな全く尊敬できない兄の為に自分の人生棒に振ろうとしているなんて。

第一王女までそんなんとか、あの国本当にまずくない?


「身分が高い者を敬っているなら、国王はどうなの?第一王子より懐いているんじゃないの?」

「陛下とは単純に性格が合わないので~。」


/(^o^)\ナンテコッタイ

あぁ…詰んでるわ…絶対に第二王子を王にしないと…

と、私は思うけど、結論を出すには早いか?


「じゃあ、貴方たちから見て、一番王にふさわしい王族は?」

「「現王 です~/ですな 」」


そうじゃない


「一番次期王にふさわしい王族は?」

「シェグビナじゃろう。」

「王弟殿下でしょう。」


今度は意見が割れた。

しかし王弟か…王女の代わりに第四勢力になってくれそうだな。

今度訪ねて行ってみよう。


「その理由は?」

「シェグビナ、欲はのうても才はあるんじゃ…」

「王弟殿下は人格者ですよ~。でも隣国に婿入りしてしまっています。」


隣国に婿入りしたなら無理じゃん。即位不可能じゃん。

第四勢力作れないじゃん!

メルディル王国の王族籍を抜けているなら、もう即位はできない。万事休す。

‥‥‥いや


「ジーライ」

「はい。」

「第二王子を立太子させるわ。」

「「陛下!?」」


もうこうなったらコレしかない。

意欲なしな第二王子でも、民を思いやれさえすれば大丈夫だ。

とりあえずこの点で第一王子は無理だ。民を思いやることを教え込んだとしても『民の為に○○を行いますので税を10%上げてください。』『民の為か。いいぞ。』という会話が成立してしまう阿呆な子だと私は思っている。

アトコジンテキニヤダ


「けどできれば本人の意思を伴って欲しい。だから段階を踏みましょう。ジーライ、第二王子に打診をお願い。」

「へへえ。わかりやした。」

「ミント、第一王女の第一王子への傾倒具合を報告書にしてくれる?後婚約のことはよく考えさせて。後悔しないか念押しを。」

「かしこまりました。」

「リシー、2人からの連絡は直接私に持ってきて頂戴。ジーライは転移を使えないわよね?サポート役を植物の精霊から選出して。」

「了解いたしました。」


決まったならさっさと行動する。

時は金なりというだろう。ゆっくりしていられない。

特にこの問題の中心は人間だ。人間は目が離せない。気が付いたら大騒動になっているんだから。


「報告書は一週間以内にお願い。それと、私も私の契約者と一緒に会いに行くかもしれないけど、気にしなくっていいからね。」

「へ!? 陛下がいらっしゃるので!?」

「気にしなくていいわ。」


あとしなくちゃいけない事は…国王自身への連絡ね。

でも今はそりゃあ大変そうだし、あのクソ王子の所為で。

流石に私すら同情する状況で、また私が言ったら混乱するだろう。


「では、御前失礼いたします。」

「うん…よろしくね、2人共。」

「「はい。」」


次の予定を立て始めた私に気づいたリシーが立ち上がり、2人を連れ出そうとする。

私は軽くあいさつし、2人を見送った後、


「国王の契約精霊は…」


沢山ある国の、沢山いる国王の契約精霊をすべて覚えていることはできない。

私にとって人間の、生まれつきで決まる位など関係ないから、いちいち調べない。

精霊も戸籍はあるが、(精霊にとっては)直ぐ変わったりいなくなったりする契約者の事は、私が個人に任せているのもあって書かれていない。


これは戸籍の書き方から変更しないとならないだろうか…と考えつつ、連絡手段は手紙にしようと、執務室に移動する。


少しぶりに来た執務室は、(自分で呼び寄せていた)大量の書類が無くなった分、ちょっと…いや、結構広々として見えた。

倉庫の中からここらに置く装飾品を見繕っておこうと思いつつ、机の引き出しからレターセットを取り出し羽ペンにインクを付ける。


ボールペンや鉛筆も簡単に作れるが、羽ペンはそれっぽい感じがするのでお気に入りだ。

それに、見たこともない黒鉛やインクで書かれた手紙を送るより、見慣れた羽ペンの方がいいだろう。


拝啓…と書きかけてから、そんな手紙が精霊王から送られてきたら委縮しないだろうかと思う。自分でも、精霊王のあの国の立ち位置は理解しているつもりだ。国王が私にどんなイメージを持っているかは知らないが、格式ばったのはやめた方がいいだろう。


魔法をかけ、書いた文字のインクを瓶に戻す。

しかし、前世でも手紙は気安い友人にしか書かず、つまりは手紙の作法とか一切知らない。私に影響されたのか自然にそうなったのかは分からないが、人間のマナーは前世の物に似ている。だから最低限なんとかなっていたのだが…フィナに教えてもらおうか?


もうこうなったら、作法もなんも無視して、短めに用件だけ書こうか…

でも、接する機会は増えるだろうから、きちんとマナー道理書いた方がいいのだろうか…

もういいや。思うがままに書こう。


静かな部屋にカリカリとペンと紙がこすれる音が響く。最近聞かなかった音だ。

私もやっぱ仕事しよう。いっそ仕事量の管理はラースに任せるから。

判子押すだけでいいから。


そしてちょっと後、手紙を書き終わった。

事務的な書類にちょっと手紙風味を付けたような、簡単なものだけれど一応完成だ。

私は事務机から離れ、サイドテーブルに置かれたおしゃれなウィンドチャイム型魔道具を叩く。

この涼やかな音はお気に入りだ。


「陛下、お呼びでしょうか。」


直ぐにメイド精霊が来る。

あの魔道具は二つで一組の魔道具で、鳴らすともう片方の魔道具もなるようになっており、それぞれこことメイドの待機室に置いてある。


「メルディル王国国王の契約精霊を呼んでくれる?」

「かしこまりました。少々お待ちください。」


一礼してメイド精霊、クナは去っていく。

よし、名前は覚えてる。


私は自分で言うのもなんだが、私は人の名前が覚えられない。

いつも接する人の名前ぐらい覚えなければならないと、城で働く子の名簿を忘れかける度見返しているが、成果が発揮されたようだ。

ここから、精霊を調べるところから始めるだろうし、仕事でもしよう。





この後、ちょっとなら大丈夫だろうと書類を手元に引き寄せたら、最上位精霊全員が突っ込んでくる大騒動になりました。

(´・ω・`)ショボーン



名前を覚えれないのは前世からです。筋金入り!

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