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旅人、調べる

旅人、エデン視点です。


「おうぅ…。大丈夫かこの国…?」


旅人、エデンは空を仰いだ。

旅人(自称)なエデンは様々な国を巡っている。

冒険者登録を行い、護衛の仕事を国巡りに使う、賢いやり方であっちこっち回りまくった彼の経験は国の不穏な気配を嗅ぎ取っていた。


いや、少しずつ気づいてはいたのだ。

第一王子の悪い噂がここまで明確に流れる国おかしくね?と。

だが、あくまでエデンは旅人であり、国民でないので、まあいっか。と、ほおっていたのである。


…が、この前知り合いとバッタリ再会し、しかもなんかこの国に介入しようとしている雰囲気がプンプンとしていた。

これは焦ったエデン。なぜならその少女は彼にとっての唯一だったからだ。

少女は渦中に突っ込んで行こうとしているが、案外強情な彼女を止めるのは難しいと知っているエデンは、いっそサポートすべきかと思い始める(悩み始める、ではない)。


彼女は後で話したいと言っていたので、行きつけの果物屋は後回しにし、家に帰って支度をすることにした。


そして現在、支度後即戻ってきたエデンは屋根の上で寝そべっている。

部下たちに国で最近起こった異変を何でも持って来いと命じ、その報告書を持ってくるまで待っていようとしているのだった。


「全く…。急に帰ってきたと思ったら、国を探れだなんて。」

「そうよぅ!もうちょっとルミリア様を見習ってくださいませぇ。」


で、それを持ってきた部下たちは文句を言いつつも従っている。

この部下たちもエデンを嫌っているわけではない。むしろ慕っている。

だからこそ、気が抜けてこの態度なのだ。


持ってこられた大量の報告書をエデンはものすごいスピードで読み始める。

そのスピードだと通常報告書の小さな文字は読めないだろうが、キッチリ内容を理解している点に、エデンの優秀さがにじみ出ている。


「もうちょっとその頭脳を活かす方法を考えてください。」

「威厳をしっかり出してほしいですぅ。」


報告書を読んでいる間にも部下たちの愚痴は続く。

まあ、その愚痴の原因は数か月に何回かしか帰ってこないエデンへの心配からきているので、自業自得ともいえる。


そして、瞬間愚痴が止まり、「最重要ですぅ。」と書類を渡される。

そこには…


“Look up(上を見て)”


つられて見上げると…

ルミリアと視線がぶつかった。


「うわぁ!」

「え!?」


驚きすぎて反射で起き上がり、額をぶつけそうになってしまう2人。

…まあ、寸前で簡単に避けたのだが。

だが、気恥ずかしさからエデンは顔をそむけてしまう。


「あの~、大丈夫?」

「ああ大丈夫だから問題ない!」


即視線を合わせてそう返したが。

結局エデンはここでコホンと咳払いをして、やりなおすことにした。


「ようルミリア。約束の時間はまだ来てないぜ?」

「やっほ。時間が空いて、その時魔族たちの動きに気づいたから来ちゃった。」


『来ちゃった』の一言で屋根の上まで登って来て、簡単にエデンの張った結界の中に侵入している点、ルミリアはただ単純に強いし技術もある。

しかもエデンの部下たちもそれを当然と思っている。

この様子から、ルミリアが精霊王とばれている(・・・・・・・・・)ことは確定。

だからこそ、ルミリアはエデンに声をかけたのだ。


「あのクソ王子、逃げ出したって。」

「……何?」


ルミリアからもたらされた、仕入れれていない情報に軽く目を見開く。


「だから思ってたより早く終わった。約束の時間早めてもいい?」

「俺は何時でもいいぜ。」

「ありがとう。」


2人は気安く会話する。


内容は国家機密。

場所は大通り周辺の屋根の上。

周りに沢山の魔族。

さらに違和感があるのが、絶世の美少女と平凡な男子がその会話を行っているチグハグ感だ。

けれど、それも2人にとって普通の事であり、何もかもおかしな突発的会議は即終了した。


「じゃあ、また後でな。」

「うん。またね。」







「セルシエ(・・・・)」



彼はエデンです。直ぐネタバレ回が来ますので、そういうことにしといてください<(_ _)>

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