悪役令嬢、貴族流会話を行う
セゼル・ニドル・レ―ヴィアン
第一王子エルドルド殿下に精霊至上主義を植え付けたものであり、同時に私との婚約を一番嫌がっていた人物だ。
孫のいる年齢になっても嫡男に爵位を譲らず、今も伯爵家当主を続けている。
殿下を貴族至上主義にしなかったという点だけ聞けばいい人に聞こえるが、そのせいでマナーや礼儀は王族、考え方は平民かつ無知な殿下が出来てしまった。
考え方平民と聞けば、民の気持ちを知った王になるのでは?と思うかもしれないが、そんな都合のいい事は無く。
『みな平等であるべきだ』といいつつ特権を使い。
『庶民の生活を貴族は知るべきだ』といいつつ大量の従者を従わせ。
『有能な者を採用するべきだ』といいつつ平民の優秀な人材の報告表を無視し。
聞こえのいい言葉を並べた有言無実行な今の殿下になってしまったとさ。
(しかもつられてこの状態の貴族子女が増えて親世代が頭を抱えている)
「御機嫌よう。レ―ヴィアン伯爵。」
「ふむ。そちらこそご機嫌がよろしいようで。急に登城なさっていかがいたしたので?」
訳:婚約破棄されてなお城に来るとは厚かましいですね。
「最近は国にいなかったのですが、一度両親に会うため帰郷いたしまして。それに、遅くなりましたが陛下がたに謝罪にと。王家との政略婚約でしたから」
訳:陛下がたを無視しろと言うのですか?流石政略を殿下に教えなかった御人ですわね。
「なるほど。確かにそれは必要ですね。まあ、そのような報告をしなくてもいい事が最善ですが。」
訳:婚約していたあなたが殿下のお心を掴めなかったのが悪いのでしょう。
「ええ本当に。そういえば、伯爵は何故城にいらっしゃるのです?伯爵は城勤めではなかったではありませんか。シーズンはもう終わりましたし。何か陛下に異常の報告でも?」
訳:そちらが城に来たということは、ミスでもなさったので?いつもの御用時だった殿下は
謹慎しておりますでしょう。
「殿下とお話に来たのですよ。陛下も手厳しい。若いころは元気のいいほうがいいでしょうに。」
訳:殿下も謹慎中はお寂しいでしょうから、話し相手となっていたのです。殿下も、謹慎を嫌がっていたようです。あなたからも陛下に言ってください。
「殿下といえば、殿下がいなくなったと騒ぎになっているようで。伯爵も心配でしょう。」
訳:あなたが殿下を逃がしたのでは?こうして私と話す余裕もあるみたいですしね。
「おお。そうでした。私は陛下に殿下捜索のお手伝いに行こうと思っていたところなのですよ。フィナイース嬢はお帰りで?」
訳:まさか。むしろ探しに来たのですよ。あなたみたいに無責任ではありません。元だとしても婚約者が消えたのですから、お手伝いをするのが筋でしょう。
「陛下がたが気を使ってくださいまして、そのお言葉に甘えまして。
これからいつ王都に来るかは分かりませんが、その時はお手伝いしたく思っています。」
訳:今日は帰りますが、不定期で様子を見に来ます。伯爵も捜索なさるのならご一緒するでしょう。本当に殿下を匿っていないか、確かめさせていただきます。
「では、失礼いたしました。」
「ええ。こちらこそ。」
「………」
「お嬢様、大丈夫ですか?」
「……ええ。平気。いつも思うけれど、不意打ちって卑怯よね。」
「全くです。会話に割り込んだほうがよかったでしょうか。」
「分かっているでしょう。あそこで口を挟んだら、嫌み倍増するわよ。」
「…伯爵の性格的に、そうでしょうね。」
疲れた…。
久々の貴族の会話は疲れます…。
前世の記憶を持ってからは特に!!
もうこうなったら…
「さっさと帰るわよ!ニスト!」
「かしこまりました!」
意訳を考えるのに苦しまされました…(;´∀`)




