第一王子、勘違いする
第一王子、エルドルド視点です。
なんだ?城が騒がしくなっているな?
何があったのか、父上も謹慎しろと部屋から私を出せないようにしてしまった。
あの落ちこぼれが私の婚約者にふさわしくない事は最初から明らかだったというのに。
現に爺も老師も正しいことをしたと言っていたではないか。
コンコン
「失礼いたします。殿下。」
「ん?なんだ?」
「陛下からのご命令です。既に謹慎中ですが念には念を入れよと。
本日は絶対に部屋から出てはならないとの事です。」
「何故だ!そもそも私はこの謹慎すら納得していない!」
「ご命令は絶対ですので。くれぐれも出ようとしないように。
では、失礼いたしました。」
なんて不敬なメイドなんだ!
父上もおかしい!精霊の嫌われ者程度の為に心を砕くなど、王に足りえることではない!
…は!
まさか父上はあの女に操られているのか!?
しかし人を操るなどという高度な技は人間には使えない。
精霊契約できていないあいつならなおさら…いやまてよ?
精霊が無理なら、敵対している魔族なら?
そうか!!あいつは魔族と契約し、国家転覆を企んでいたのか!
コンコン
「殿下、失礼いたします。ゼセルです。」
「!爺か。丁度いい。入ってくれ!」
「はい。失礼いたします。」
ああ、なんて丁度いいタイミングなんだ!
爺は私に昔からよくしてくれた味方だ。
王すら操るあいつを倒すには戦力がなくてはならない。高位貴族の爺も、皆に違わず強力な精霊と契約している。あいつの策謀で精霊のいない私だけでは不安が残った。
しかし城の人間は信用できない。メイドや従者は父上の命令に逆らえん。つまり、あいつの命令を聞いてしまう。
「大変なことに気づいた。父上はフィナイースに操られているんだ!」
「……ほう?一体どういうことですかな?爺に教えてくださいませ。」
「よく考えろ。私の謹慎はおかしい。正しいことをしただけなのに。そう思い考えたのだ。この謹慎は腹いせではないかと。」
「腹いせですかな?誰がそのようなことを?」
「無論フィナイースだ。あ奴は父上を操り、未来の王妃になる算段をつけていた。だが私が婚約破棄を突き付けた!あ奴の企みは崩れ落ちた。」
国を取り戻すには爺の協力が不可欠だ。
「一度企みを壊されたことで、あ奴は私を警戒するようになった。同時に、苛立ちを感じたのだ。その為、私を隔離しようとしたのだ。ここに閉じ込めることでな!」
再び精霊と契約するまで、私を守るものが必要だ。爺はそれになってくれる。
「あ奴から国を守るには、操られた父上を救わなければ。その為に味方が必要だ。
今の私には精霊がいない。対しあ奴にはおそらく魔族がいる。」
国を正しい方向に導くため。
「力を貸せ爺!父上を救い、あ奴の支配から国を救うのだ!」
ただの馬鹿ですね。
王子はフィナより唯一優れている精霊を持っているということがアイデンティティーといっても過言じゃなかったせいで、視野がめちゃくちゃ狭くなっています。




