悪役令嬢、追い詰められる
「はあああああぁぁぁぁぁ!?」
「「「!?」」」
え!?何!?
ニスト一体どうしたの!?急に叫ぶなんて。
「あ、貴方そんなに脅した挙句にそれとかないでしょう!」
「わぁ。筋金入りだね。」
…? 会話の意味が分からない…。
「ど、どうしたの?フィーラ?」
「ああいや、何でもないよ?うん。」
「いやいや、何かはあるでしょう。ニストは何で叫んだの?」
あのフィーラ、くすくす笑っても分からないわよ。
「ニストも何で目を逸らすのよ。」
「あああのええとその…」
「主一家の前で叫んじゃったのがはずかしいんだって。」
「だから叫んだ理由の方を知りたいのだけれど。」
だからくすくす笑ってたって分からないのだって。
肩を震わせて笑うぐらいなら教えてくれたっていいじゃない。
ニストはいつも私をいじってくるのだから、多少やり返したい気持ちもあるのよ。
「まあまあフィース、落ち着きなさい。」
「ニストはいつか教えてくれるわよ。その時の昔話に取っておきなさい。」
お父様とお母様までニストの肩を持つの?
もう知らない!
婚約破棄されたんだから、私もう我慢しないのよ!
「ああごめんフィナ…フィナ?さっきからそう呼んでたけれど今はルリナ?
ご両親の前だとおかしい?違和感が…ああ!」
「フィーラ!?」
フィーラが唐突にパチンと手を叩くと視界が一瞬光で満ちて、反射で目を閉じます。
こ、これ、もう目を開けても大丈夫かしら?
恐る恐る目を開けて…よかった。何も変わってない。
「急に何するのよ!フィーラ。こけおどし?猫だまし?」
「魔法だよ。」
「え、何も変わっていないじゃない。」
「見たらわかる。」
え、鏡?
あら?あらあら!?変装が解けてるじゃない!いいの!?て、いいのか。
皆私って分かっているのだから、変装の意味なかったわ。
「衣装も変える?令嬢らしく。」
「問題ないわ。このままで。」
「いいえ。問題ですよフィースちゃん。」
「!?」
「そんな服、完全にフィースちゃんに負けているじゃない。
ちゃんとあなたの容姿を活かす格好をしなくっちゃ。」
「お母様、私はもう令嬢じゃなくって…」
「フィースちゃん、家はあなたを廃嫡なんてしていませんよ。
つまりあなたはただ行方不明になった令嬢。帰ってきたからには...いいえ、
帰ってきている間には、きちんとしてもらいます。
ニスト!この子の専属メイドたちを呼んで、この子の着替えを手伝わせて。」
「かしこまりました。奥様。」
「フィースちゃん、私達は退室しますから、ちゃんと着替えなさいね。」
「……」
お母様…強いです。勝てる気がしません。
そして味方がいません。
フィーラは見覚えのない服を取り出して、お母様のメイドに渡している。
ニストはメイドを呼びに行っていません。
お父様は何も言っていませんが、否定しないということは、つまりそういう事でしょう。
「楽しみにしてるよ、フィナ!」
満面の笑みで追い打ちやめてくれません?フィーラ。
ルミリア「わぁ。筋金入りだね。(フィナの聞こえるところでは敬語になるのが)」




