精霊王、脅す
精霊王、ルミリア視点です。
朗々と、堂々と、両親に語る。
婚約破棄された後の事、契約精霊の事、前世の事、今の事。
フィナが緊張しているのは、手に取るようにわかるけど、
この話だけは、私が話すわけにはいかないから、
少しはなれて見守る。
「お嬢がいってること、ホントだろうな。」
ニストが話しかけてきた。
フィナが聞いていないところでは、全力でガラ悪いなこいつ。
「ええ。全て本当。」
「アンタが精霊王とかありえないだろ。そんな地味な顔して。」
「顔は関係ないでしょ。あとコレは魔法で変えてるから。」
「はっ!なら証明してみろよ。」
鼻で笑われた。新鮮。みんなもそんな態度をとらないからね。
「気安い」に「鼻で笑う」はカウントされない。
「今この場でやってフィナのじゃさせる気?」
「すまん。すまんから今は待った。」
そしてフィナが最優先。
もうこれ忠誠じゃないでしょ。完全にフィナ大好きだろコイツ。
ランジュは『ふぃないーすしゃんがすっごい好きです!』って、あの子は
仲良しだな的な意味で言ってたけど、恋愛的に好きなんじゃないの?
しかも多分フィナのご両親気づいてるよ。分かりやすすぎる。
「あんな者と婚約させて悪かった。」
「貴方は貴方を愛してくれるものと一緒になりなさい。」
「お父様、お母様…」
地味に伏線はってない?
あと従者さんたち、一斉にニスト見てるじゃん。
両親どころか周りにもバレバレか。
「フィナも気づいているんじゃないの?」
「は?何をだ。」
「貴方がフィナを大好きなこと。」
「はっ!?大好きっておまっ!あるわけねーだろそんなこと!!」
小声で叫ぶって器用ね。
そして滅茶苦茶分かりやすい…。
「別に私はフィナの恋愛を管理する権利なんてないからどうする気もないよ。でも…」
「でも?」
「あの子を傷つけて、あの子が会いたくないとでも言い出したら、
私はあの子の味方。絶対に近づけてあげない。」
「………」
「フィナと一緒にいたいなら、わかるよね?」
「……わぁってる。」
複雑な顔。
直接好きか聞かれたことはなかったのかな?
けど私は容赦しないよ。
契約者で同郷で可愛いフィナだもの。
私の失敗で、あの子の苦しみを見逃しちゃっていたのだから、
これ以上は、傷つけさせないよ…?
「ま、フィナが貴方を好きなのだったら、全力で応援するけどね。」
「………はぁ?」
ニストのフィナ大好きはバレバレ。
しかしフィナの前だけ猫かぶりなので、フィナだけは気づいていないようです(;´・ω・)




