悪役令嬢、語る
変わらないわね。ちょっとほっとする。
使用人入口から家に入った私達は、ニストの淹れた紅茶を飲んでいます。
・・・・・私の部屋で。
ちなみにもうすぐ両親が来ます。
ほら、ちょっとずつ足音が近づいてきて…
バン!
「フィース/フィースちゃん!」
「お父様!お母様!」
両親が抱きしめてきます。
反射的に抱きしめ返したら、なんだかすごく安心します。
「あらあらフィースちゃんったら。」
「泣いているじゃないか。どうした、大丈夫か?」
「お父様とお母様も泣いているじゃあありませんか。」
涙腺が緩くなっているのですかね?何故か涙が止まりません。
すると、さっきまでどこかに消えていたフィーラがニストと小声で話しています。
「感動の再会だね。こっちも泣きそうになってくる。」
「おや、フィーラ様。どちらに行っておられたのですか?」
「再会の邪魔をする気はなかったからね。
というか変装してたのにためらいなく抱き着いたね。素晴らしい親子愛!」
「でしょう?旦那様と奥様は子供にためらいなく愛情を注ぐおかたですから。」
「なんでそんな親からアイツ(フィラン)が生まれたのかしら?」
「それは自分にも解りかねます。」
小声過ぎて聞こえませんね。
一体何を話しているのでしょう?フィーラが消えていたことかしら。
そう考えていたら、フィーラとニストがこちらに来ます。
さっきより小さな声なのでか、近づいているのに聞こえません。
「お嬢様。泣き止んでください。さもないといつまでたっても話ができませんよ。」
「ほら、ご両親も。ハンカチどうぞ。」
ニストが目元を拭ってくれます。
ああ、弱気なところを見られてしまうなんて、主として有るまじき失態だわ。
と、心の令嬢の部分が言っているのですが、
どうしても泣き止めません。
ニスト、今どんな顔をしているのかしら。呆れられていないといいけれど…。
滲んで見えない視界が恨めしいような嬉しいような。
するとフィーラが近づいてきて、軽く私からニストを遠ざけると、
一言二言会話した後、私に触れます。
…あら?なんだか気持ちが楽に…。
「大丈夫?フィナ。」
「…ええ。ありがとう。けど、一体何をしたの?」
「リラックスする魔法をかけたんだ。さあ、ちゃんとご両親とお話しなきゃ。」
「うん。」
一人掛けのソファに座り、姿勢を正して、正面の広いソファに座った両親と向き合う。
落ち着くよう一回深呼吸をし、しかし緊張のとれぬなか、
ゆっくりと、話始める。
「まずは、急にいなくなってしまったこと、誠に謝罪します。
そして、婚約破棄され家に被害を与えた娘がこうして話すのは
厚かましいかもしれませんが、私の話を聞いてくださいませ。」
フィナイースの家族内の愛称はフィース




