悪役令嬢、諦める
はい。もうあきらめたわ。
フィーラに笑顔でお礼を言うニスト、心なしかドヤ顔のフィーラを見てたら
諦めもつきます。
さて、一旦混乱を忘れて、よーく考えますと、まずいことがありました。
「ニスト…私の変装、そんなに分かりやすかったかしら?」
そう!簡単に見抜かれました!変装していたのに!
「自分がお嬢様を分からないはずないじゃないですか。」
「そうなの!?」
「そうなんです。」
マジか・・・・・
ニストにばれるなら、他の人たちにもばれてしまうかもしれない。
変装を強化するか、人間界に来るのを自粛するか、
「お嬢様。」
「ん?何かしら?」
考えるのを一旦やめて、ニストに視線を合わせます。
ニストはにっこりと笑います。
「まさかこちらに来るのをやめようか等とは考えておりませんよね?」
私の心情もばれました。
私だって公爵令嬢だったから、思っている事を隠すことぐらい朝飯前のはずなのに。
にぶった?けどここまでばれることは無い筈。
まさか、ルミリアが仕組んだのかしら?
「ルミリア、私からニストに念話を使っているかしら?」
「使ってな~い!あと私はフィーラだよ、ルリナ。」
違った。
じゃあまさかニストが念話を?
だったら、ニストは上位精霊か上位魔族?案外ありえるかもしれません。
「お嬢様、自分は人間です。」
ばれた。
人間業じゃないよそれもう絶対人間じゃないよ。
「ところでお嬢様、お屋敷に帰るのではなかったのですか?」
「あ…そうだったわ。」
「忘れてたの?最初の目的だったじゃない。」
「ニストの衝撃が強すぎて…?あら?そういえばニストがなぜここに?」
「今更ですね。」
「今更ね。」
2人とも苦笑がもれています。仕方がないでしょう。私の衝撃は凄かったのよ。
「ネタばれすると、この子だよ。」
そうフィーラが言うと、空中に光が集まります。
光は凝縮されるとひときわ強く輝き、子供が現れた!
・・・・・・・うさ耳とうさぎのしっぽを持った。
うん。記憶がなければ『精霊様!なんて麗しくも愛らしい!』となりそうですが、
記憶がある今だと、ただただ微笑ましい光景だわ。
まあ、下手な説明よりわかりやすいわ。
私のことをニストに話していたのね。この子を連絡係にして。
「初めまして!ランジュといいます!」
ああ!外見に違わず可愛らしい!無邪気な表情もピコピコしてる耳も可愛い!
着せ替えたりとかぬいぐるみを持たせたりしたい!
「にすとの契約精霊です!」
ぴたり。
いや、そうよね。わざわざ他の精霊に伝言させる必要もないし、
むしろ契約精霊以外と話していると怪しいから疑われるでしょうし。
でも…
「中位精霊です!」
着せ替えたりぬいぐるみあげたりしたら、確実にニストに伝わるわ!
嫌!ものすっごくいじられそう!
「どうしましたか?」
「あ、ああ。ごめんなさい。よろしくねランジュ。」
ランジュちゃん、無視しちゃってたわ。
キョトンとしているけれどそれも可愛い…。
「では自分が先導いたしますので、こちらへどうぞ。」
「分かったわ。」
「………」
? フィーラ?
そのむくれてるのか凹んでるのか分からない表情は一体…?
「私蚊帳の外だったなあ。」
なるほど。拗ねてたのか。
異常な洞察力(フィナイース専用)のニスト




